弦の交換
年1回の弦の交換時期がきたので、先日サイレントチェロのを、今日はアコースティックチェロのを交換した。前者は4本ともCROWNの、後者はA,DをLarsen Soloist G,CはDominant弦を使ってみた。いずれも初チョイスである。CROWNはSwedenの新ブランドCrown strings社製で、手頃な価格となかなかの性能と聞いての選択。今までサイレントチェロにはA,DをHelicore G,CはSpirocoreを使っていた。このごろサイレントチェロは頻用するので特にA,D弦のへたりが気になっていた。張りかえてみての感想はさすがに新品は反応にすぐれているが、そのほかの点では特に可もなし不可もなし、といったところ。なじみやすいということでもあるのだろう。アコースティックチェロの方はA,DはLarsenと決めていたのだが、その中でソリストを選んでみた。値段があがり、張った感じの張力も強い感じ。それだけに繊細、神経質、金属的な音が出てしまいやすい印象もある。G,Cについてはこれまで弓によるアタックがしにくく音がかすれる印象があったので、あえて張力の強くない細めの弦ということでDominantを選んでみた。弦についてのデータは「弦楽器のしくみとメンテナンス第2巻」佐々木朗著による。張った印象はたしかに柔らかい弦という感じ。弓でひっかけやすい、発音のきっかけをつかみやすいのだが、ちょっとパワーという点では不足感が否めない。それとG線はざらついた音質がどうも耳障りだ。弦の太さはHelicoreのそれとほぼ同じ印象で、Spirocoreなどよりは細めである。Perlonという芯にクロムスチール巻きとのことで、ガット弦を思わせる響きとの評判も聞くが、もうしばらくなじませてみて、どうしてもざらつきが気になる場合はもとのHelicoreのG線に戻すことも考えよう。A,Dを高張力の弦とし、G,Cを柔らかい弦とした組み合わせはやっぱりミスマッチだったかも?しかし年に一度しか交換しないなかで、いろいろな弦を試してみるとなれば当然失敗もあるし仕方ないよね。それと今回、アコースティックチェロのほうは、駒の高さを若干低くする修正を加えた。2年前にも楽器店で調整してもらったのだが、サイレントチェロに比べて弦と指板の間が広く弦を押えるのにえらく力がいるのだ。今回は自分でやってみた。4本一度にはずしても魂柱が倒れないように布団の上に楽器を寝かせ、弦をはずしながら重しの本を2冊上に載せておいてから駒の調整にかかった。といっても紙やすりで均等に削ってから弦の通る溝を同じく紙やすりをV字型に折ったもので少し深くしただけのことだが。弦の通る溝には滑りがよくなるように仕上げに黒鉛筆で塗ることも忘れなかった。その効果かどうか駒の垂直の調整がやりやすかった印象がある。楽器を明るい障子の方にかざして、テールピース側の直角と駒の足と楽器の表板とが隙間なくフィットしていることをC線側、A線側両方から確かめた。障子の桟が直交しているのを利用して結構微妙であったがなんとか無事済ませることができた。今度の木曜日には県立劇場の練習室を一人で借りることができたので、一日だけ残っていた夏休みをとり、3時間思う存分音を鳴らそうと今から楽しみにしている。そうそう、この時間枠の後半に家内のご両親をお呼びして、ミニコンサートを開こう。(聞かされる方はひょっとして迷惑千万な話かもしれないけど・・・)、この2年間の進歩を聞いてもらってから、劇場内のレストランでランチ、なんて3日遅れの敬老の日のイベントとしてちょっとしたものでしょ。そうそう、この連休中にはちょろさんから送られてきた「東京cello」の楽譜(9月14日に到着)も下見してみた。なんと垢抜けしたデザインなのでしょう。レターヘッドと専用シールに感激。この方が居ればこそのイベントだと思う、ホント。