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![]() 昨晩、浜離宮朝日ホールで初めて彼女を見た時は、かわいらしい女性だなと思うくらいで、まさか演奏終了後に自分がこんな気分になるとは夢にも思いませんでした。 どんな気分?そう、魂が温泉につかったような気分です ![]() ![]() 彼女の名は、広瀬悦子さん。 にっこり笑って観客に挨拶する彼女は、ごく普通の感じのいいお嬢さん。指だって、普通の女性と変わらない細く白く美しい指です(写真参照 ![]() それが、ピアノの向かった瞬間に表情がぽとんと地に落ちて能面のようになり、一瞬けだるいように上半身をぐるりとくねらせて、ふっと・・・・鍵盤に指を置いたその瞬間!その新しい世界は生まれ、音とも響きとも色とも風景とも言えるような言えない様なあらゆるものをつむぎだしていきます。 これは本当に人が生み出している音なのだろうか・・・前から3列目におりましたが、彼女の指使いが見えない場所でしたので、なんだか魔法に包まれたような気分で次々に生み出されるめくるめくきらめきのような音色を・・・そう、まさに「音の色」を見つめ、感じるしかない私でした。半ばあっけにとられながら・・・ ![]() 光を生み出すことが出来る指。その技能。そして、瞬時に天からの何かにその身を明け渡せる巫女体質(これは大事 笑)・・・おそらく芸術家は、自分で演奏しながら自分でないどこか遠くからやってくる天そのもののきらめきをダウンロードして、私たちにわかるように展開し、伝えているのではないかしら。 唐突ですが広瀬悦子さんというお名前のこと・・・すぐに奈良に在る由緒深き古社の「広瀬大社」を思い出しました。 そこは水の神を祀っており、近くにある「龍田大社」と縁がとても深いことで知られています。 今回のコンサートのテーマが「風」と聞いた時に、まず浮かんだのはそれで(神主ですから 笑)、水の精が風に愛し愛されて、このすばらしい世界を展開してくれたのだと密かに感動し、これも「神さまのおはたらき」とひとりでニンマリしていたのでした ![]() また、悦子さんの「悦」を語源からみると・・・「祝詞を入れる器を頭にのせて祈る人の形で、神に仕える祝(はふり)をいう。(略)神が反応して乗り移り、うっとりとした状態になっている祝(はふり)の心を悦といい、「よろこぶ」の意味となる」 (『常用字解』白川静 より。「祝」は祓い清めの職業のひとつ。) ・・・ぴったりです。まさに氏名は使命。 終了後、あまりにすばらしかった演奏に酔いしれて、友人とクリスマスの照明が美しい銀座から東京丸の内を夜の散歩をしながら、ずっと彼女の弾いていたメロディが細胞の中を経巡っているのを心地よく感じていました。 天才って・・・いるのね。うん。 こうやって、彼女はピアノによって皆の心を打ち震えさせて、閉じていたもの固くなった心などさまざまなものを、解きほぐして解放し、快方へ向かわせる・・・まさに彼女のお仕事は芸術の神のお仕事です。 本当に本当にすばらしかったです。神さま、彼女を遣わせてくださってありがとうございます! 誘ってくれたkさん。最高のクリスマスプレゼントをありがとう! ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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