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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2021年03月15日
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 黒い車が走るのはオフィース街。
 車中から歩道をサラリーマンや事務の女性が多く
 行き来している姿が見える。
 ザウバーを乗せた黒い車は1っのビルの地下駐車
 場へと滑り込んで行った。

 エレベーターで上階に移動。開いたドアの先の正
 面には扉。右手前に守衛らしき人達が数人、出入
 りする人をチェックしていた。

 扉の手前には指紋センサー。
 謎の男の後ろを歩く男がそこへ向かい手を広げて
 5本の指、手のひらを当てる。

 開いたぶ厚く頑丈そうな扉を通過した後、細い通
 路に差し掛かる。この横にも守衛らしき男達がガ
 ラス越しに数人おり透視カメラで通行人をチェッ
 クしているようだ。
 3人は身に着けた時計金物類を通路手前、右横の
 ボックスに入れて通路を渡る。
 横のボックスは守衛室にコンベアーで運ばれ、レ
 ントゲン、肉眼等のチェックを受けて通路先に移
 送されていた。

 無事チェックを通過すると、 ドーンと広い空間
 に出くわす。テニスコートを横に向け、奥まで数
 えること6面分はたっぷりと入るスペースだ。

 天井の下には、いくつもの蛍光灯が並び、部屋の
 隅々まで明るく照らしている。その光の元では、
 医療関係の先生が良く着用している白い衣装を身
 にまとった多くの人が動き回っていた。
 見るといくつかのブースに分かれており、手前に
 はパソコンに向かい、難しい化学式や分子構造ら
 しき画像、そして捻られた帯のようなものが映る
 画面もあった。

 その奥では顕微鏡を覗くグループ。
 試験管のようなガラスのビンや、それを差し込ん
 で揺らしている装置、スポイトで何かの薬品だろ
 うか、試験管に垂らしている人の姿も見える。

 反対側にはいくつものTV画面を上4っ、横に5っ
 程並べられたモニターとそれを見る人達。
 そしてその手元には何かの操作卓なのであろう、
 キーボードに似た入力装置やボタンなどが無数に
 広がっていた。

 その先には、CTスキャンでも撮るようなベッドと
 それを跨ぐ装置が十数個並んでいた。 

 いくつかのベッドには衣服を身にまとっていない
 全裸姿の人が横たわっている。

謎の男
「見慣れぬ光景だろう。」
​​​ザウバー
「あぁ、めまいがして頭が痛くなってきた。」

 すると奥から白衣を着た人物がこちらに歩いて来
 た。

ニース博士
「ブルーガ様、お待ちしておりました。
 この者がそうですかな?」
ブルーガー / (謎の男 改め)
「そうだ。よろしく頼む。」
ザウバー
「ザウバーだ。」
ニース博士
「良く来てくれたね、ザウバー君。
 私はニースだ。身体強化開発の責任者をやってい
 る。よろしく頼むね。

 早速で悪いのだがザウバー君、
 まず君の血液を採らせてもらいたい。
 こちらへ。」

 案内を受けて歩き出すザウバー。

ザウバー
「なぁニース博士、頼みがあるんだが・・・。」
ニース博士
「何かね?」
ザウバー
「少年院で勧誘受けた今のヤツとは、舎弟と二人っ
 て話しだったんだ。」
ニース博士
「そうだね。そう聞いているよ。」
ザウバー
「頼みってのはよ、舎弟はオレが施術して問題無か
 ったらにしてもらいてぇんだ。」
ニース博士
「構わんよ。ブルーガー隊長にも伝えよう。」
ザウバー
「頼む。
 あいつは隊長さんだったのか・・・。」

 PCが立ち並ぶ横を抜け案内されたのは診察室の様
 な個室。

ニース博士
「採血者だ。」
看護師
「はい。
 そちらに座って下さい。」

 手を差し伸べてザウバーを誘導する。
 座ったのは対面式テーブルにあった椅子。対面側
 に移動した看護師は、

看護師
「袖を捲って下さい。」

 ザウバーは院で身に付けさせられたジャケットを
 脱いでTシャツ姿になる。

看護師
「腕を乗せて下さい。」

 黙って従うザウバー。
 横を見ると同様に採血を受けている人物が居た。
 黒いゴムバンドを巻き、

看護師
「手を握って・・・。
 チクっとしますが我慢して下さいね。

 ん・・・中々刺さりませんね・・・。」

 横で同様に採血を受ける人物と目が合う。
 筋肉質で大柄な男だ。

看護師
「はい終わりました。
 ばい菌防止と止血の絆創膏です。
 30分経ったら剥がしていいですよ。」

 四角く小さな絆創膏を確認して立ち上がる。

ザウバー
「分かった。」

看護師
「この後、心電図・レントゲン・CT・体力測定と順
 次測定していただきます。
 奥の扉にお進み下さい。

 ジャケットに袖を通し歩き出すザウバー。
 横に居た男も立ち上がり同様の指示を受けていた。

横の男
「なんかめんどくさいな・・・。」

 顔を見合わせて、

ザウバー
「まっ健康管理の一環だと思えば。
 それに無料だぜ。宿付き飯付きのな。。」
横の男
「そりゃそうだ、じゃしゃーねぇな。
 俺はクラウス。」
ザウバー
「ザウバーだ。」
クラウス / (横の男 改め)
「これから一緒らしい。よろしくな。」
ザウバー
「あぁ。」

 それからおよそ一時間、全ての検査・測定を終え
 て一室で休む二人。

ザウバー
「今時黒のパンツってな珍しいな。」

 腕の絆創膏を剥がしながらのザウバー。

クラウス
「まぁこりゃユニフォームってやつだ。」
ザウバー
「パンツ一丁がか?」

 それを見て思い出したようにクラウスも剥がしだ
 す。

クラウス
「プロレスってやつよ。知ってんだろ?」
ザウバー
「四角いリングの上で相手倒してってやつか。
 Tシャツくらい着りゃいいだろうに。」
クラウス
「身に着けるとなんかこそばゆくってよ・・・。
 これの方が楽でいい。」
ザウバー
「まぁ同感だ。
 オレもこんなジャケットは初めて着たぜ・・・。」
クラウス
「初めての割にはちゃんと着こなせてんじゃねぇか
 よ、うらやましいね。」
ザウバー
「窮屈でたまんねぇ・・・。
 ちょっと腕に力入れるとよ、
          ビリビリ・・・
 やっぱダメだこりゃ・・・」

 肩・腕・肘が破れたジャケットを脱ぎ捨てるザウ
 バー。

ザウバー
「貰い物でよ。
 今日少年院を出たばかり。そこで外着支給された
 代物だ。オレの趣味じゃねぇ・・・。」
クラウス
「ほぉ少年院帰りか、俺も以前入った事あるぜ。
 意外と快適でよ。」
ザウバー
「まぁな。」

クラウス
「ん・・・?
 良く見りゃお前・・・? 俺が少年院入ってた時の
 相棒に良く似てるなぁ・・・。」
ザウバー
「ふっ、相棒かよ。
 もしかしてよそいつの名、ゾルダってんじゃねぇ
 か?」
クラウス
「おぉゾルダ、そいつだ。
 そいつとそっくりだぜ、良く知ってるな。お前も
 中で・・・」
ザウバー
「舎弟でな双子の。」
クラウス
「双子かぁ。。
 どおりで似てる訳だ。
 なんだよ、兄弟揃って少年院行きかよ。大したも
 んだぜ。そっかあいつの兄貴か。。
 親しみ湧くわけだ。世の中狭いな。」
ザウバー
「確かにな。
 ゾルダとは遣り合わなかったのか?」
クラウス
「ヤツとは入った日が一緒でよ、今と同じでなんか
 うまが合うっていうか、二人でその日にはセンタ
 -を締めちまったのよ。
         絡まれまくったからな。
 だから遣り合った事は一度も無い。」
ザウバー
「なるほどな。
 別の日だったら棟の頭として遣り合ってたかもだ。
 変な繋がり持ったな、お互い。」


 『そこのお二人さん、こっちいらっしゃい。』

クラウス
「なんだよ、まだやる事残ってるのかよ。」

 渋々立ち上がる二人。

女性事務員
「これからの宿の話、連絡方法、打ち合わせする事
 があるでしょ。」
ザウバー
「宿か、ありがてぇな。」
女性事務員
「それと、あと1ヶ月でSPEC化させる研究の完成品
 が届くの。そちらの打ち合わせもね。」
クラウス
「なんか・・・大変だなぁ・・・。」
女性事務員
「そんな事ないわよ、すぐに終わるわ。
 細かい話はまた後日になるし。」
クラウス
「看護師でもないのにここに居るんか、
 上から目線でうるせぇなお前。」
女性事務員
「私の所属は商品取引部に決定しているわ。
 そこにずっと座って井戸端会議を続けたいの?
 行動の指示ですから。
 紗奕(さえき)リツコよ、よろしく。」

ザウバー
「決定って・・・まだ配属になってねぇってことか。」
紗奕(さえき)リツコ / (女性事務員 改め)
「そうね、今はお二人と同じで私もSPEC化の施術を
 受ける予定なの。」
クラウス
「女も受けるのかぁ~?」
紗奕(さえき)リツコ
「あら、悪い?」
ザウバー
「悪くは・・・ねぇけどよ、戦闘要員ってことだぜ?
 大丈夫かお前・・・。」
紗奕(さえき)リツコ
「ご心配なく。体力と格闘には自信があるわ。」
クラウス
「体力と格闘に自信だぁ~?
 格闘を舐めるなっ!
 生意気なその口、二度と言えなくしてやるっ」

 カチンと来たクラウスがリツコに飛び掛かった!
 が、
       ​パシ ヒラリ彡​

 掴みにきた腕を体を回転させ叩いて退けた。
 難なく交わしてしまう。

クラウス
「うっ・・・。」
ザウバー
「格闘ってなプロレスだけじゃないぜ。
 このお嬢さん、どうやら拳法ってのを身に着けて
 いるらしい。力技よりすばしっこい方だな。」
紗奕(さえき)リツコ
「あなた、冷静ね。」
ザウバー
「褒められた程じゃねぇ。
 が、ここは面白そうな所だな。
               がははははは。。」








-つづく-




z013話 組織 02
(一戦交えてぇんだが・・・)



  ※ このドラマはフィクションです。
登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。




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最終更新日  2021年03月18日 12時58分24秒
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