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2008年08月20日
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「在日」 姜尚中 集英社文庫
姜尚中(かんさんじゅ)は90年代「朝まで生テレビ」で突如出現した在日の論客、というふうに一般には思われているらしい。私がこの人を知ったのは、ずっと遅く、テッサ・モーリス=スズキとの共著『デモクラシーの冒険』(集英社新書、2004年)からだった。それまでは彼の発言は一切知らなかったし、本も読んだことは無かった。

この本で初めて、新自由主義の理論的な批判を読んだ。今から考えれば、その窓口に過ぎないのではあるが、そのころなぜ「ネオ・リベラリズムとネオ・ファシズムがうまく結合する」のか、不思議でならなかったのではあるが、うまいこと説明してくれて膝をうった覚えがある。その後彼が憲法調査会で「東北アジア平和構想」をぶち上げているらしいと聞いて、一挙に関心が高まったのである。

姜尚中の強みは、日本人でもない、韓国人でもない、ちょっと外れた視線から日本と世界との関係を見る、その位置にあると思う。それがどこから来たものなのか、この本では赤裸々に書いている。

貧しいながらも、情に溢れていた熊本時代。上京して早稲田に入学、しばらく逡巡したのちに「永野鉄男」から「姜尚中」になることを決意し、韓国文化研究会(韓文研)に所属する。そこで70年前半の朝鮮半島統一をめぐる「運動」に参加。やがてドイツに留学。そこで、たそがれのソ連、イラン革命、などを肌で感じる。アメリカ経由ではない、本当の社会主義像やいイスラム社会への見方、マックスウェーバー、大塚久雄経由の社会学の批判的継承などを受けたのが、姜尚中の強みである。

「六カ国協議を通じて北朝鮮の非核化を成し遂げ、それに対応して南・北・米・中四カ国による朝鮮戦争終結宣言と平和協力体制の構築が実現されれば、米朝の正常化が進み、同時に日朝の正常化も前進するのではないか。そして「拉致問題」は日朝正常化の具体的な進展に合せて解決の糸口を見出すことが出来るのではないか。さらにこうした一連の経過とともに、東北アジア地域の平和と安定のメカニズムが作られ、それを通じて軍備の管理や軍縮が話し合われるようになれば‥‥‥」という姜尚中願いは、私自身の願いでもある。

この人の文章を読んでいると、やはり「血と情」の韓国人なんだなあ、と思う。肉親を思う気持ちはやはり濃くて熱いのである。






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最終更新日  2008年08月21日 08時22分00秒
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