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再出発日記

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2009年08月27日
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今日は「寅さんの日」だそうだ。1969(昭和44)年この日、山田洋次監督・渥美清主演の映画『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開されたということらしい。

「男はつらいよ」シリーズでは、岡山は三回舞台になった。一回目二回目は高梁である。妹さくらの婿の実家が高梁という設定で、この城下町のたたずまいが山田監督はよっぽど気に入ったらしい。三作目は最終48話で、津山の寂れた駅舎やら狭い路地などが使われた。

48話通して最高傑作はどれだったかは、10人が10人とも違う答えを出すのではないだろうか。それほどまでに、いろんな人から愛された映画だった。

私はやっぱり32作「口笛を吹く寅次郎」が一二を争うのではないか、と思っている。
さくらの夫・博の亡父の三回忌が近くなったのを思い出し、寅さんは博の故郷の備中高梁を訪ねるわけです。寺の和尚(松村達雄)と仲良くなり、和尚の娘・朋子(竹下景子)が出戻りと知って恋心がうずく。
 和尚が二日酔いになり、寅さんは代わって法事を務めるが名調子の弁舌が好評。博の亡父の法要でも僧侶の扮装をし、さくらたち親子三人を唖然とさせる。

‥‥‥というような調子です。もう三回も映画館で見たが、そのたびにころころ笑いこけてしまう。どうして寅さんに和尚の代役が勤まったのか。一回目は20台だったので、分らなかった。二回目はもう既に何回も身近な人の法要は体験している。そうすると、分るわけです。葬儀ならばともかく、法事は実は参加者にとってお経などはどうでもいいのです。一年ぶり、2年ぶり、10年ぶりに出会った親戚たちの交流こそが、あの法要の目的であることは、彼らには暗黙の了解なのです。だとすれば、ともするとギクシャクになりがちな場を和ませるとらさんのような人は、貴重な存在だったわけです。

もっともいつまでもその調子でやっていけないことは、目に見えています。だからこそ、寅が去るのは必然でした。

三回目を見たのは、渥美清追悼映画だった。
それでも人は死ぬ。
「男はつらいよ」は、本当は寅が野垂れ死にする一歩手前で終わる話だった、と私は今でも思っている。本当はとんでもない悲劇映画なのである。生き方のとんでもなく不器用な男が、人のつながりの中で何とか生かされていた。それはまるで奇跡のように。寅さんシリーズが終わって、はや10年以上が過ぎ去った。あの「奇跡」はまだあるのだろうか。






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最終更新日  2009年08月28日 00時19分29秒
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