12月に観た映画第四弾。TOHOフリーパスポートは、初めて20作観たということになります。一日6作観た日が二日ありました。それを含めて新記録でした。本気で取り組めば、一か月で25作くらい行けたかもしれませんが、もうTOHOからはポイント消費をすれば縁を切る予定なので、パスポートをゲットもないと思います。いい経験でした。
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
TOHOフリーパスポート19作目。映画の題名でも予測できるのですが、SFチックラブ・ストーリーです。見る前の予想は、タイムトラベル物かと思っていたが、結果はまさかの◯◯◯◯世界物でした。しかし、あとで考えれば考えるほど、この純愛物語を成立させるために無理矢理こじつけた理屈にすぎない。もしこれがあり得るとすれば、この壮大な「現実世界」が成り立たなくなるだろうと予想できるので、「ファンタジーだから」と許せない設定であり、私的には、「自分のためならば世界を犠牲にしてもいい」思想を持った製作者ということで、評価は下がります。まあ、そんな理屈をこねるようなデート相手とはすぐに別れたくなるとおもうので、デート映画として観た場合は、素直に「感動」するのが、正しい見方だとは思います。
小松菜奈は今年映画主演三作目。アイドル女優まっしぐら。「溺れるナイフ」が1番の意欲作だった。それなりにこなしているが、まだまだアイドル演技しかできていない。このままだと、あと10年で終わると思う。
■ あらすじ
京都の美大に在籍する20歳の南山高寿(福士蒼汰)。ある日、彼は電車で大学に行こうとしたところ福寿愛美(小松菜奈)という女性に出会い、瞬く間に心を奪われてしまう。高寿は愛美に声を掛けるが、高寿のある一言を聞いた途端に愛美は涙を流す。その理由を尋ねることができずにいた高寿だったが、その後二人は付き合うことになる。周囲からもうらやましがられるほど順調に交際が進み、幸せな日々がいつまでも続くと考えている高寿。だが、愛美から思いも寄らなかった秘密を打ち明けられる。
■ 解説
「学園とセカイと楽園(がくえん)」「君にさよならを言わない」などで知られる七月隆文の小説を基にした青春ラブロマンス。一目ぼれした女性と恋人同士になった美大生が、彼女の抱えている思いも寄らぬ秘密と向き合う姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、『ホットロード』『アオハライド』などの三木孝浩。『ストロボ・エッジ』などの福士蒼汰、『近キョリ恋愛』などの小松菜奈が、主人公のカップルを好演する。爽やかで切ない物語や、舞台となる京都の美しい風景も見もの。
■ キャスト
福士蒼汰、小松菜奈、山田裕貴、清原果耶、東出昌大、大鷹明良、宮崎美子
■ スタッフ
監督: 三木孝浩
原作: 七月隆文
脚本: 吉田智子
音楽: 松谷卓
主題歌: back number
製作: 市川南
2016年12月18日
TOHOシネマズ岡南
★★★
「バイオハザード:ザ・ファイナル」
TOHOフリーパスポート20作目。これでフリーパスポートもザ・ファイナル!この手の作品は観ないはずなのに、結局シリーズ全六作のうち4作も観てしまった。一作目は好奇心で。ニ作目パス。三作目CM調査の無料券で。四作目東宝のフリーパスポートで。五作目パス。そしてこの六作目もフリーパスポートで。だったように思う。違うかもしれない。どれを見損なっても、結果このファイナルですべての謎が明らかになるので、基本は一作目とファイナルだけを観れば、ほとんど話は通じるようになっています。
綺麗に終わった。16年もかけて、こんな無駄な作品をなぜ作ったのか。それは即ち儲かるからに他ならない。そういう意味ではアンブレラ社と全く変わらない。その間にジョボビッチの美しさはほとんど変わらなかった。驚異という他はない。ともかくラストは綺麗に終わった。あまりにも定番な展開だった。それがそもそもバイオハザードなのだから仕方ない。
アンデッドやアリスの秘密も、使い古された人類淘汰説と実は彼女は敵の中枢と同一人物だった、という展開。ネタバレだけど、これだけだと何がなんだかわからないと思うので書いときます。ゾンビ映画の老舗。あと百年ほどすると、この流行が人類にとってどういう意味を持っていたのか、学者が分析してくれるかもしれない。
■ あらすじ
アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、レッドクイーンから48時間後に人類が滅びると告げられる。そして、宿敵アンブレラ社が放った膨大な数のアンデッドが地上を占領。アリスはラクーンシティに戻って、生還したクレアやコバルトらと合流し、アンブレラ社の心臓部であるハイブを潰そうとするが……。
■ 解説
ミラ・ジョヴォヴィッチがヒロイン・アリスにふんし、激しいサバイバルを繰り広げる超大作アクションシリーズの第6作にして最終章。人類最後の生存者となったアリスと、宿敵アンブレラ社が仕掛けるアンデッドとの最後のバトルを活写する。メガホンを取るのは、シリーズ全作に携ってきたポール・W・S・アンダーソン。 アリ・ラーターや、日本でモデルやタレントとして活躍中のローラが共演。ミラの見応えたっぷりのアクションはもちろん、壮大なバトルに期待。
■ キャスト
ミラ・ジョヴォヴィッチ、イアン・グレン、アリ・ラーター、ショーン・ロバーツ、オーエン・マッケン、フレイザー・ジェームズ、ルビー・ローズ、ウィリアム・レヴィ、ローラ、エバー・アンダーソン、イ・ジュンギ
■ スタッフ
監督・脚本・製作: ポール・W・S・アンダーソン
2016年12月24日
TOHOシネマズ岡南
★★★
「ミス・シェパードをお手本に」
1974年から1989年まで、実際にホームレス・バンの老女を庭に住むことを許したある作家の周辺の話。物語の間中に、この赤の他人を周辺に住まわせることを自分は許すだろうか、自分の庭に◯◯◯を落っことしたのを処理するのは、自分なのに、である。何度も自分は無理だと思うだろう。しかし、これがイギリスのしたたかなところなのだが、これを脚本化することをシェパードはベネットを揶揄しながらも決して嫌っていなかったのである。
ベネットも二重人格や心で思ったことを作品の中で実際にしゃべらせたり、したたかに「経験」を積んでいる。つまり愉しんでいる。そうなのだ。介護とは結局こういう「日常」なのだ。
死んだあとにもう一度シェパードが現れる。それは見事なエンディングだった。
(解説)
『英国万歳!』『ヒストリーボーイズ』などで脚本家としても活躍する劇作家、アラン・ベネットの回想録を実写化したコメディードラマ。車上生活を送る風変わりな女性と劇作家の15年にも及ぶ交流を見つめる。メガホンを取るのは、『センターステージ』などのニコラス・ハイトナー。同回想録を基にした舞台版でも主演を務めてきたオスカー女優のマギー・スミスが、ミス・シェパードを快演する。何ごとにもとらわれずに自由奔放に生きる彼女の姿に力をもらう。
(ストーリー)
ミス・シェパード(マギー・スミス)は、ロンドン北部カムデン・タウンの通りに黄色い車を停め、自由気ままな車上生活を送っていた。劇作家ベネット(アレックス・ジェニングス)は、路上駐車を注意される彼女の姿を目にしたことから自宅の駐車場に車を停めることを勧める。一時的に駐車させるつもりの彼だったが、シェパードは15年も居座り続ける。彼女の高圧的で予想のつかない言動に翻弄(ほんろう)されながらも不思議な絆を育む中、ベネットはフランス語が話せて音楽にも詳しい彼女に興味を覚えるが……。
2016年12月25日
シネマ・クレール
★★★★
「92歳のパリジェンヌ」
老いさらばえたブヨブヨの身体と同時に、射抜くような表情、チャーミングな笑顔も見せて、この女性が尊厳死を選ぼうとしているのも判ると思わせる。同時に、どうしても自分ならばどうするのかを自問自答する。家の中で死ぬ方法もあるじゃないか。と説得するだろう。しかし、死を待つ時には既に自分の死に方は選べなくなっているのだ。本人の意思は変わらないだろう。ホントに家族に伝えるべきだったのか。しかし伝えなければ、残された家族はもっと悲しんだかもしれない。
これは出来るだけ理想的な形でおしまいまで持っていたったが、ホントはさまざまなバリエーションがある話に違いない。マルト・ヴイラロンガを初めて観た気がするが、素晴らしかった。
(解説)
チェック
フランスの元首相リオネル・ジョスパンの母の実話を基に、自ら死を選ぶことを決意する92歳の母親と家族との最期の日々を描いたヒューマンドラマ。助産師として働いてきた女性が92歳の誕生日パーティーで2か月後に死ぬと宣言し、家族が反対しても信念を貫き通そうとする彼女と、母の姿に心を動かされる娘たち家族を映す。主演は、『冬の旅』などのサンドリーヌ・ボネールと『私の好きな季節』などのマルト・ヴィラロンガ。尊厳死という重いテーマを家族の物語としてつづり、爽やかな感動に包まれる。
(ストーリー)
助産師として働き、子供や孫にも恵まれたマドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)。まだ元気だが、最近は一人でできないことも増えてきた。ある日、92歳の誕生日を祝うために集まった娘たち家族を前に、2か月後にこの世を去ることを宣言する。最初は反対していた家族も心を動かされていき……。
監督 ・脚本 パスカル・プサドゥー
2016年12月25日
シネマ・クレール
★★★★
Facebookの「死の期限を決める意味とは?」の質問に
人間には自由があるけれども、「死」に関しては、残念ながら多くの人間には自由は与えられていない。私はこの8年間に立て続けに親族を3人看取ったけれども、彼らに自由を与えなかった。全員不本意な死に方だったと後悔がある。だからこその尊厳死。看取ったからこそ、それを簡単には認められない自分もいる。これは大きな「問いかけ」の映画です。