637640 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

名無し人の観察日記

名無し人の観察日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2011.03.21
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 先日はどこぞの自称ジャーナリスト団体が、どう見ても反原発煽り記事を書いてデマを飛ばしていたと言う話を紹介しましたが、政党レベルで反原発と言えば、共産党と社民党です。
 
 社民党は福島瑞穂党首がこんなアホな申し入れを中部電力にしていたようです。
 
ファイル:東日本大震災・福島第1原発事故 社民・福島氏「浜岡原発停止を」
 
>社民党の福島瑞穂党首は17日夜、首相官邸を訪れ、東京電力福島第1原発の事故を受けた緊急要請を行った。福山哲郎官房副長官に対し、東海地震の予想震源域にある中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を停止させるよう申し入れた。また、屋内退避指示が出ている福島第1原発から半径20~30キロの範囲の住民について、30キロ圏外に避難させることなども求めた。
(毎日jp:11年3月18日)

 この時期に言う事かそれが、と言うことまで頭が回らない辺り、流石の社民党クオリティです。今は無事だった中部以西の産業をフル回転させて東日本の復興に当てなければならない時期で、電力はいくらあっても足りないと言うのに。どさくさに紛れて普段の政治的要求を通そうとするとかアホか。
 
 
 一方、共産党の方ですが、今回の福島第一原発事故を事前に予見していた、と言うような話があちこちで紹介されています。それが本当なら大した慧眼だと言わざるを得ませんが、実際はどうだったのでしょうか。引用されていた共産党福島県議団の、東電に対する申し入れ書はこんな内容です。
 ちなみに、共産党はこの申し入れ書を政府も東電も無視したと主張しています
 
福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
 
>東電柏崎刈羽原発の中越沖地震への対応は、福島県民に大きな衝撃をもたらしたばかりか、多くの国民にも疑問と不安をもたらしている。東電がこれまでどんな地震にも大丈夫という趣旨の主張を繰り返してきたことと裏腹に、消火活動が出来なかったり、放射能を含む水が海に流出したり、放射性物質が3日間も主排気筒から放出されたり、原子炉建屋などの地震の波形データが大量に失われている。
(中略)
>今回発生の中越沖地震で柏崎刈羽原発を襲った揺れは、設計時の想定を最大3.6倍と大きく上回った。これまで兵庫県南部地震の事実を突きつけられても、原発の耐震性は大丈夫としてきた政府と電力会社の説明は完全に覆されていることを率直に認め、以下の対応を早急に取るよう求める。


……初手からツッコミどころだらけで、どうしたら良いか困ってしまうのですが……まぁ、順番に片付けますか。

 まず、柏崎刈羽原発で発電所外に放出された放射性物質による被曝量は、最大1000万分の2ミリシーベルトであったと報告されています。これは人間が一年間に受ける自然放射線被曝のほぼ1000万分の1の線量に過ぎません。また、火災発生は変圧器が燃えたものであって、原子炉自体の火災ではありませんし、自力消火をしなかったのは、原子炉の緊急停止を最優先で行ったためです。
 原子炉自体は想定以上の揺れを受けたにも関わらず安全に停止し、その事は国際原子力機関(IAEA)の報告書でも次のように記載されています。
 

新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所への影響に関するIAEA調査団報告書(結論部分)の発表について(PDFファイル)

1.運転中の炉は安全に自動停止し、全ての炉は地震中及び地震後安全であったこと、3つの基本的安全機能(止める、冷やす、閉じこめる)は確保された
2.極めて微量な漏洩があったが、これによる個人の被ばく量は規制値に比べて大変低いと評価
3.安全に関連する構造、システム及び機器は大地震であったにも関わらず、予想より非常に良い状態であり、目に見える損害はなかった。この理由として、設計プロセスの様々な段階で設計余裕が加えられていることに起因していると考えられる。(後略)

(経済産業省)
 
 つまり、柏崎刈羽原発の耐震性は、国際的に高く評価されており、「政府と電力会社の説明は完全に覆されている」と言う共産党の主張は明確に誤りです。今回の震災でも、福島第一をはじめとする被災地の全原発は緊急停止までは全て成功しています。
 ちなみに、共産党は中越沖地震の後、こんな事を言っていたようです。
 
風評被害が深刻 共産党 救済・支援申し入れ
 
>新潟県中越沖地震の影響で新潟県内の観光地は、大きな風評被害を受けています。日本共産党は二十三日、県との交渉で、被害の実態をつかみ、間接被害を受けた業者に対する救済・支援を行うことを申し入れました。
(しんぶん赤旗:07年7月25日)

 どう見ても悪い風評を垂れ流してるのは共産党だと思うのですが。彼らは自分のしている事をちゃんと理解しているのでしょうか?
 
 では、続きを見ていきましょう。
 
>中越沖地震から教訓として何を取り入れて対応したのか、また対応しようとしているのか。その上に立って、福島原発10基の耐震安全性を総点検すること。

>東電は、柏崎刈羽原発の設置許可申請時におこなった海底調査で、今回発生した中越沖地震を引き起こした断層があることをつかんでいたことが判明している。
>これまで福島原発立地周辺の断層調査の全容と安全審査の対象にしたのはどの断層で、対象からはずしたのは何かを明らかにすること。

 
・耐震性に関する資料・
耐震性向上の取り組み
(東京電力)

・活断層調査に関する資料・
東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(6号原子炉施設の変更)に係る安全性について
東京電力(株)福島第一原子力発電所3号機の耐震安全性、高経年化対策及び長期保管MOX燃料の健全性について
(経済産業省)
 
 国も東電も、柏崎刈羽の教訓から原発の耐震性を強化し、活断層の調査もやってたようですが……「無視された」ねぇ……ふーん……
 
 まぁ良いでしょう。次行きます。ある意味、この申し入れ書で最大の問題点なのがこれ。
 
>福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
>柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。


……そうか、共産党的には津波で海水が引いたら、それは未来永劫戻ってこないと言う想定なのですか……ってアホか!
 津波で一時的に水が引いたとしても、それは一時的なものなので、原発が爆発するほど長期に渡って二次冷却水の取水が停止すると言う事態は考えられません。この主張にはあまりにも無理がありすぎます。例えば、スリーマイル島原発事故は二次冷却水の循環系統停止が引き金になった事故ですが、それでも燃料棒が露出して破損が起きるまで二時間以上かかっています。
 加えて、スリーマイル島事故は安全装置の欠陥や、非常用炉心冷却装置の操作ミスなどの人的エラーも要因となったため、今回の福島第一原発に当てはめる事はできません。
 
 福島第一事故は、あくまでも想定以上の大津波が押し寄せたために、安全装置の非常用ディーゼル発電機燃料タンクが流出するなど、安全装置が万全に働かない事態に陥ったもので、共産党の主張していた状況とは全く異なるものです。海水が取水できなくなっただけで原発が爆発するなら、今頃福島第二も女川も爆発しています。
 実は、共産党は福島第一だけでなく、同第二や女川についても、津波によって取水が出来なくなりメルトダウンや爆発の恐れがある、と主張しているのです。
 
チリ地震が警鐘 原発冷却水確保できぬ恐れ
(しんぶん赤旗:10年03月1日)

 これを見ると、43基の原発が津波で取水不能になる、国はそれを改善していないと主張していますが、それはただ単に「津波で取水できなくなる」だけなら致命的な欠陥ではないからです。取水が停止しても、電源が生きていれば安全に停止できることは、女川や福島第二が証明しています。
 今回の福島第一も、津波の被害が小さければ非常用電源で炉心冷却を行い、福島第二、女川同様安全に停止できたでしょう。問題はあくまでも「津波の規模が想定を上回った」と言う点にあります。
 津波と原発の関連を問うのは良いのですが、実際に共産党が上げた可能性と、実際の事故プロセスは全く異なるものであり、ただ単にキーワードが一致しているだけで「共産党が事故を予見していた」と主張するのは、明確に誤りです。共産党福島県議団のこの申し入れ書は、今回の福島第一で起きた事象を予見したものではなく、その可能性を事前に低減できた可能性を持ったものではありません。
 
 正直な所、この申し入れ書を持ち上げるのは、災害に乗じて

「共産党凄い!」
「自民党と東電はクソ!」


 と言いたいだけで、全く建設的でない不毛の主張です。こんなものを今持ち上げる事の意味が私には全く理解できません。
 今後、原発の対災害性向上に関しては、津波に対する対策も含め、この事故を教訓として洗い出されていくでしょうし、それにより原発がより安全になることを期待しますが、その過程でこの共産党の主張が科学的に省みられることは、まずありえないでしょう。
 
 共産党には、もう少しマトモな文句の付け方と、文句を言うだけでなく代案を出す努力をする事を期待します






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.03.21 16:39:41
コメント(19) | コメントを書く


PR

Favorite Blog

品川神社を参拝して New! 七詩さん

Comments

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.