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伏見稲荷大社の物語…「同じ金でもカジノで使うより神様に使うほうが品があると「お塚」が建立された」…マイ神様1万基 76話
全国狐連合会の第25代会長の女狐の「白藤」が18歳で亡くなっていた。この狐の寿命は10年前後ほどしかならないからこの白藤は長寿命だった。墓は稲荷山の中腹にある四つ辻の近くに建立された。当時は仏教では墓になるがこの稲荷神社では「お塚」と呼ばれて石組の台の上にさまざまな形の自然石に亡くなった人の名前ではなく神名を掘ってこの白藤の場合は「第25代白藤大明神」という神様として祀られていた。こうして建立されたお塚に稲荷神社の神官がお祓いをすれば一つの神様として認められていた。 これが洛中の商人たちに広がり本来は死体を埋葬する墓だったが、それが墓の役割としていたお塚ではなく私的なマイ神様へとなっていた。もちろんこの神様のお塚は稲荷神社の末社となり本社はあくまでも稲荷神社になっていた。たとえば豪商で油商の山崎屋が建立した神社は「山崎油大明神」としてこの一族の家内安全、商売繫盛、無病息災等の守り神となり建立した日をお祭りの日として一族郎党でこのお塚にお参りお塚の前で宴会をしていた。 これが空前の大ヒットになり稲荷山への私的マイ神様建立のお願いが殺到していた。しかし、これには社家の多くが反対していた。筆頭社家の大西は稲荷神社三代目の宮司の伊蔵に、 「神聖なるお山にそんなパカパカ私的な神様を作ってもらってはお山が穢れます。今でもう30基ほど建立されていますが、中には意味不明なものまであります。たとえば、「金玉大神」、それに「お豆ちゃん大明神」とあるがこんなものを宮司は許されたのですか?」 「大西そう怒るな…この世はありとあらゆる人たちが思い思いの信仰を持つのは自由になる。我らの先祖も太陽を拝んだり、大きな岩、樹齢数百年の木をご神体とてその生命力に憧れていた。またこの稲荷山もご神体として拝んできた。初代稲荷神社宮司の伊呂具は奈良を追われた無国籍者で神様とはなにも縁がなかった。しかし、一族を養うためにここに新興宗教を立ち上げた。いわば食うために神様をデッチあげたといっても過言ではない」 「しかし、それは初代の伊呂具さまの人格があったこそです」 「それならこのお山に「お塚」を建立したいという信者には人格がないのか?」 「それは…しかし、お山には秩序というものがあります」 「お塚といってもこの石は四国や九州から船で運ばれてくる。それを石工が加工して山の上まで運び建立するが、この費用というものは莫大な金額になる。その過程というのが経済活動になり国が栄えることになる。博打を誘致してそのテラ銭を成長戦略とするどこかの国とは大違いなるが、大西は博打場誘致とお塚建立とどちらを選ぶのか?」 「そういわればそうなりますが…」 こうして正式に「お塚」は認められていた。この稲荷山は標高300m弱の小さな山で山全体は花崗岩でできている。岩が風化して地形も複雑になりアチコチに小さな滝ができていた。そのお塚の建立場所もこの滝のある場所が人気になっていた。稲荷山の境内近くでは石材商、それに石の加工、それを山の上に運び設置する土木業者が数社集まってきた。伊蔵はこの業者に、 「石工、それに土木の作業員は京都職業訓練学校の生徒を積極的に雇用することを頼んでいた」 この京都職業訓練学校とは各地から都にあこがれてきた若者やなにかの事情で国を追われた者(無戸籍者)を一時保護する施設でここで一般常識や一般教養、それに希望の職種の訓練ができるというものになる。全寮制で食事などの費用は奨学金制度で就職が決まってから返済をしていた。 この無戸籍者を見つけて保護するのが警察組織の「平安騎馬隊」だった。この京の都というのは洛中、洛外の塀もなくどこからでも都に侵入できた。しかし、無戸籍者はどこにも就職できない決まりで食うに困り犯罪を犯していた。それらの犯罪を事前に防ぐために騎馬隊が無戸籍者に対して任意同行を求めてこの職業訓練学校で保護していた。その結果、世界の都市で犯罪が少ないほうのナンバーワンに日本はなっていた。 今まで稲荷神社に願をかけてそれが願ったら鳥居を奉納するということで千本鳥居ができた。今度はその願いを拝む私的なマイ神様の建立が許可されたので洛中、洛外は元より日本全国からこのお塚の建立の願いが届きもう建立まで3年待ちの繫盛になっていた。その噂を聞いた嵯峨天皇は伊蔵に、 「伊蔵…お主また新しい金儲けを企画して大儲けをしているというが…」 「いえいえ、それは誤解です。なんでも北陸から日本海側の東北にかけて冷害と稲の病気で米が不作になっています。そこで稲荷大学農学部の教授を5名、学生ら100名で5班の調査チーム作り、それを派遣して対策をするその経費を捻出したかったのです」 「そか、それではその報告を待って年貢も少し加減してやってもいい」 「ほう、天皇、最近お優しくなられたのですネ…」 「いや、もう予もそろそろ引退で何かいいことを残したい」 「はい、ありがとうございます」 「そか、しかし、もう神様は八百万もいるというのにまだマイ神様が必要なのか?それにそのお塚を建立してまだもっと金を儲けたいという商人たちの根性はそれでいいのか?」 「はい、その商人たちから稲荷神社へ金が回り、その金が庶民に回り、雇用も拡大されます」 「そか、それであのバカ高いお塚や千本鳥居を認めたのか?」 「はい、同じ金でもカジノで使われるよりは神様に使ってもらったほうが品がありますから…」 …画像はお塚 この コラムに関するご意見等は「音川伊奈利の掲示板」にお書きください。HNは必ず書いてネ、 新電子書籍…このブログの記事をまとめた無料の書籍になります。 「伏見稲荷大社の物語・嵯峨天皇と稲荷神社 73話…更新随時」 http://p.booklog.jp/book/108339/read 「京都歴史裏のコラム・吉祥院天満宮・政所公園の白狐、北政所御墳墓、吉祥院稲荷・キュウリの糠漬け」 http://plaza.rakuten.co.jp/kyoto24/diary/201607090000/ 夏の怖い体験談~美人幽霊 真弓 京聯、破産手続きへ、運転手・京聯タクシー倒産、160名解雇・(京聯自動車が破綻、8月29日) http://plaza.rakuten.co.jp/kyoto24/diary/201504020000/?scid=su_369 無料の電子書籍 長編小説「トラック3姉妹・ダンプ姉ちゃん理絵」...1部(31話) http://p.booklog.jp/book/103886/read http://p.booklog.jp/book/108339/read 無料の電子書籍4冊できました。それぞれの題名で検索もできますから読んでください。 http://p.booklog.jp/book/103886/read お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年12月18日 06時42分51秒
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