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みなさんこんにちは、郡上農林事務所です 今回ご紹介するのは、郡上の川の宝石「郡上アマゴ」です
昨年12月、長良川の鮎は、世界農業遺産に認定されました。 ちなみに、「郡上鮎」は、平成19年に河川産天然鮎として全国で初の地域団体商標登録となり、翌20年には全国各河川産天然鮎の味を競う第11回清流めぐり利き鮎会においてグランプリを獲得し、名実ともに日本一となったのです
と、まあ、長良川の鮎や郡上鮎の知名度はものすごく高いのですが、 鮎については、解禁以降の本欄に譲るとして、 今回は、鮎釣りのシーズンが始まる前のこの時期の主役「郡上アマゴ」の養殖に取り組んでいる養魚場を紹介したいと思います。
郡上長良川 5月のアマゴ 郡上長良川 5月のアマゴのアップ
これが、長良川の天然の郡上アマゴです。 この体側にちりばめられた朱点を含め、この魚自体が見事な川の宝石に見えませんか その昔、この郡上アマゴと郡上アユを釣ることで生計を立てていたプロの釣り師が、郡上にはいたそうです。 昔は、それほどのことができたということですね。スゴイ
ところが、この川の宝石が、このところ、めっきり数が少なくなってきているような感じなのです 岐阜県統計書で漁獲高を調べてみると、郡上管内で、昭和56年には約100トンも獲れていたものが、平成25年には約50トンと、なんと、半分にまでに落ち込んでいるのです 魚が減ったのは、釣り人の多獲、異常に増えた川鵜、河川環境の悪化、頻発する河川災害など、いろいろな要素が複合的に作用してのことだとは思いますが、 ただ一つ言えることは、このままでは郡上アマゴがどんどん減っていってしまうということです。それはまずい(少し前置きが長くなってしまいました・・・)
大和の山奥で、家族を愛し、それと同じくらい郡上の自然と魚を愛しながら、養殖業を営んできた家があります。それが今回ご紹介する「夕下養魚場」です。 養魚場というものは、私たちの普段の生活では、あまりなじみが無いので、どんなことをしているんだろうかとか、どんな魚がいるんだろうかなどと、ちょっと気になります ただ、実際訪ねてみると、きれいな水が湛えられたコンクリートの水槽で、「普通」にアマゴを育てているだけです。 “ただ、この普通に育てる”ということは、非常に重要なことでもあるそうです 魚が自然に育つということですからね~
夕下養魚場の水槽 このようなものが全部で7面あり、広さは全部で326平方メートルだそうです そのほかに、稚魚用の屋内水槽が別に2面あります。
夕下養魚場は昭和40年に、ニジマスを主体に開設され、昭和46年からは、全面的にアマゴに切り替えて今に至っているそうです。
稚魚 20センチ以上の成魚・・全国の釣り師垂涎のまと
稚魚約10万尾、成魚約1万尾、そして、郡上アマゴの純系稚魚約1万尾が、水槽に泳いでいます。 これだけの魚を「普通」に飼い続けるには、当然、数多くの苦労があります。 綺麗な魚を育てるための水管理は、昼夜を問いませんし、台風や大雨の晩は一睡もできないことでしょう 特に怖いのが、野鳥や人から病原菌が入ってしまうことだそうで、昨年も、導入した魚が持っていた菌のせいで、ほぼ全ての稚魚がだめになったそうです鳥インフルエンザと同じで、菌が蔓延しないようにするには、根絶やしにする以外ないのだそうです。 これから育っていく魚たちを処分することは、養魚場にとってどれだけ忍びないことでしょうか。 ただ、夕下養魚場だけでなく、この地域で郡上アマゴを養殖している方々は、みな同じ苦労を味わいながら、普通にアマゴを育てています。頭が下がる思いです。
出荷前のアマゴ達・・・波がさざめいているところは全て魚
いずれこれらのアマゴは、漁協の手を経て、郡上地内の長良川の本流や支流へ放流されていきます。 全国から「郡上アマゴ」を求めてやってきた釣り人達は、自分の出した竿にこの川の宝石が繋がれるように願い、そして運よく手にすることができた人は、膝を震わせながら破顔するのです
大物アマゴを釣って破顔する釣り人
ちなみに、夕下養魚場の魚は、小売りも行っているので、 綺麗な魚の塩焼きが食べたくなった時には、訪ねてみるのもいいでしょう また、大和の道の駅にある旬彩館でも、時期によっては取扱っているそうです (600円/500g→20センチくらいのもので7~8匹)
夕下養魚場 〒501-4604郡上市大和町古道943 電話:0575-88-2781
郡上旬彩館やまとの朝市 〒501-4612 郡上市大和町剣148 電話:0575-88-4373 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 13, 2016 11:28:27 AM
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