カテゴリ:ドラマレビュー!
2007年に、厚労相の柳沢伯夫が、
「女性は子供を産む機械」と発言して批判されましたが、 サロゲートマザーやホストマザーの仕組みは、 まさに女性の身体を「出産マシン」として利用します。 代理出産という意味では同じだけれど、 本人の卵子を使えばサロゲートマザー、 依頼者の妻の卵子を使えばホストマザーです。 ◇ サロゲートマザーは卵子も子宮も提供する。 自分のお腹をいためて、 自分の血を引いた子を産むわけだから、 その意味ではお妾さんと同じですが、 旧来のお妾さんと違うのは、 直接の性交渉はしないし、 生まれた子供の母にもなれないってこと。 … 本妻から見れば、 お妾さんの産んだ子を引き取って育てるような感じで、 養子を迎えるのに近いと思う。 もしサロゲートマザーが、 夫婦と顔合わせをするなら、 出産後も「産みの母」として、 子供からも認識されるのかもしれない。 子供にとっては、 「育ての母」と「産みの母」が違うってことですね。 授乳まで「産みの母」が受けもつのかもしれないけど、 プロラクチンの分泌を促せば「育ての母」も授乳はできるらしい。 ◇ ホストマザーは子宮だけを貸し出します。 他人の受精卵を自分の子宮に受け入れるので、 いわゆる「貸し腹」になる。 留学先のホストファミリーを「受け入れ家族」と訳すように、 ホストマザーのことを「受け入れ母」とも訳せるでしょうが、 もっと露骨にいったら「子宮母」ですね。 まさに「産む機械」ってこと。 … 子供との血のつながりはないし、 どんなにお腹を痛めて出産しても、 その子の母になることはできません。 夫婦と顔合わせをするかも分からないけど、 子供から「産みの母」と認識されることはないのかも。 出産前後の時間の提供だけでなく、 自分を命の危険にさらして痛みに耐えるわけだから、 娼婦より過酷な仕事といえるかもしれません。 ◇ 日本の天皇制をふくめて、 男系継承を必要とする海外の王室などが、 こうした医療技術を利用する可能性もあると思う。 国や宮内庁が、 「皇太子のサロゲートマザーやホストマザーを公募する」 みたいな未来もありえなくはない。 その一方で、 代理母を依頼した夫婦や、 代理母から産まれた子供や、 代理母になった女性が差別の対象になる、 …みたいな問題も生じかねません。 ◇ 先日の「せかくら」でやってましたが、 フランスでは、 女性どうしの同性結婚の場合、 人工授精にも保険が適用されるそうです。 おそらく、 一方の女性の卵子を、 第三者の男性の精子と体外受精させて、 他方の女性が出産するのではないかしら? さすがに男性の同性結婚の場合は、 子供をもつことは難しいでしょうけれど。 このドラマは全10回シリーズだそうですが、 今後もぐいぐい視聴者を追い込んでくるでしょうね。 見れば見るほど倫理的な判断に迷わされるだろうと思う。 ◇ 第1話のときから感じてましたが、 生殖医療エージェントの《プランテ》は、 どことなくアビゲイル教団っぽいです。 ピカピカの施設が真っ白な内装だったりして。 米国企業の日本支社という設定なのですね。 … 余談ですが、 そうめんって、 いちばん北海道らしからぬ食べ物じゃないかと思えました。 夏にも冷たいそうめんで涼をとるのかしら? それとも温かいにゅうめんをよく食べるの?? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.09 10:42:09
[ドラマレビュー!] カテゴリの最新記事
|
|