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テーマ:伝統芸能(26)
カテゴリ:文楽
この間、ちょっとショックな記事を読みました。
何度か書いている国立劇場の解体、再建のことです。 来月(2023年10月)に解体工事が始まり、新しい劇場を建設して、再開場は約7年後の2029年秋、劇場のほかにホテルやレストランの入った複合施設になる予定と聞いていました。 ところが、その予定が、何だか怪しい雲行きになっているらしいのです。 国立劇場の再整備等事業というそうですが、去年その事業者の選定ということで入札が行われたけれど不調、というかありていに言えば、応札する会社がなかったのですって。つまり入札ゼロ! なので、日本芸術文化振興会では、要求?条件?を変更して、この夏改めて入札を行ったそうです。この度は参加企業は数社あったたものの落札には至らず、その後価格についての話し合いが行われたけれどやはり決まらなかったとのこと。 最近、2025年に開催予定の大阪万博のことがテレビなどで取り上げられていますが、会場の建設が進んでおらず、参加を表明していた国はたくさんあったのだけれど、パビリオンの建設はまだ全く進んでいない、というかほぼゼロだとか、そんな話ですよね。 その主な原因は資材費、建設費の高騰だと言います。 国立劇場も同じようなことらしいです。 建築費の高騰が目に見えているので、利益が出ないどころか建設費が落札金額を超えてしまうのではないかというゼネコン各社の危惧がその背景にあるようです。 それでも、10月には解体が始まるというので、国立劇場はもう休業に入っています。 この記事の通りならば、解体しただけでしばらく放置されてしまうかもしれませんし、そうなったら7年後の再開も計画倒れになりかねません。 もし再建されて再開されたとしても、7年どころじゃなく10年とかもっとずっと先になってしまうかも。 国立劇場で定期的に公演を行っている芸能のうち歌舞伎は新国立劇場、文楽は北千住のシアター1010を会場に予定しているそうですが、その間ずっとそこで公演ができるのかどうかわかりません。 そういう心配もあるけれど、もし新しくなった国立劇場お披露目が10年も先になっちゃったら、わたし、行かれるかしらってそっちの方が心配です。 10年後、生きてるかどうかもわからないけれど、たとえ生きていても出かけることができないかもしれないし、観劇自体出来るのかどうか。。。 そんなふうに思うと、国立劇場、建て直さなくてもいいんじゃない?と思えてきます。 狭くて通路は狭くて幕間の移動にも不自由するくらいだし、前に大柄な姿勢のいい人が来られたら舞台が半分見えなくなってしまうような座席配置だし、夏は炎天下、冬は凍えながら、雨風に耐えて開場まで待たなくてはならない構造で、直してほしいところはたくさんありますが、それでも外観は素敵だし、特に不具合もなさそうに思えました。あれなら、建て直しでなく、改装、改修でもいいんじゃないかと思うのです。 10月に取り壊しを始めるって言うけど、それ、少し待ったほうがいいのじゃないかしら? 日本芸術文化振興会さん、ここは再検討も考えた方がいいかもしれませんよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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