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カテゴリ:大連の暮らし
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【大連の朝、星海公園でダンスを楽しむ人々。】 大連は、都市人口280万人。三方を海に囲まれた半島都市です。 確かに大都市ではありますが、中国の他の大都市に比べれば小じんまりとしています。市街地はコンパクトにまとまり、その周囲は海と山ばかりなので起伏が多く、ちょっと歩くだけで景色が移り変わります。港町らしい、開放的で洗練された雰囲気を持つ都心部、雑然とした雰囲気の旧市街地や郊外住宅地、ビーチリゾートっぽい星海エリア・・・これらが、変化に富んだ都市景観をかたちづくっています。戦前の日本人が一番憧れた中国大陸の都市・アカシアの大連は、今日、中国各地からやってきた人々で満ち溢れ、活気溢れる近代都市に変貌しています。 「大連が好きか、嫌いか?」・・・大連の外から来た人に、こう質問してみると、もちろん、各人各様の答えが返ってきます。 私の知る限りでいえば、外国人、特に欧米人は皆、口を揃えて大連を絶賛します。海が近く風光明媚で、緑も豊富で、街もきれい・・・という、生活環境の良さを理由に挙げる人が多いです。或いは、巨大都市につきもののストレスや渋滞、公害が少なく、都市規模がちょうど良い、と言う人もいます。 中国の他地方、特に東北地方から来た人は、大連の裕福さを好ましく思う人が多いようです。国際経済と密接に結びついた大連は、東北地方では飛びぬけて富裕な都市で、消費生活も華やか。服や靴ひとつとってみても、韓国・日本などから輸入した高級品や、中国産とはいえ輸出もできるような高品質のものが溢れています。特に若い女の子の場合、大連で服をしこたま買って田舎へ帰る、という人も多いようです。 とはいえ、大連にいくら華があるといっても、中国を代表する大都市である上海や北京には及びません。特に、ミシュランで三ツ星がつくようなフレンチレストランや有名ブランドショップの林立する上海と比べてしまうと、大連が田舎っぽく感じて、嫌気がさす、という人も、若い世代を中心に結構いるようです。私の職場にも、「こんな退屈なところじゃなくて、上海で働きたいや」とボヤいてる男が何人かいます。 あと、大連の持つ文化風土や雰囲気そのものが気に入らない、という人も結構います。これは、特に広東省など南方都市から来た人に特に顕著なのですが、彼らによれば、「大連は、全てがドンくさい。人も、食べ物も、暮らしも全部良くない!」んだそうです。 その内容を、もう少し詳しく聞いてみると、どうやら、こんな感覚のようです。 -南方都市では、経済が発達し、人々の生活リズムも分刻みペース。だから、何事もテキパキして、迅速。それと比べて、大連は生活のペースがスローなせいか、人々の動作やサービスがやたらトロくて、イライラする。 -食べ物が違う。南方都市の食堂や屋台に行くと、量が少なめで、味付けが薄いものが出てくるのに、大連など北方で出てくるものは、量がバカでかくて、おまけに塩分が濃すぎて、美味しくない。 -気候が違うせいか、南方都市のように朝から深夜まで、ほぼ24時間何でも食べられるという具合になっておらず、夜9時10時にはどこも店じまいしてしまい、寂しい。また、朝食を外で食べようにも、南方都市ほどのバラエティがない。 広大な中国では、地域によって文化も気質も全く違います。そのスケールの大きさは想像を絶するほど・・・というわけで、同じ中国の南から北へ移り住んだだけで、まるで外国に来たかのようなカルチャーショックを受けてしまう人も少なくないのでしょう。 私や妻は、ここが結構気に入ってるんですけどね。シーフード、果物が豊富で美味しいし、それに安いから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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