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カテゴリ:大連の暮らし
世界には、二種類の国が、あるらしい。
「役所が国民の現住所を把握したがる国」と、「そうでない国」というのが。 日本は、たぶん前者に属し、アメリカやオーストラリアは、後者に属するのでしょう。日本に住んでいた時は、住所が変わるたびに市役所に住民登録に行ってたけど、オーストラリアに移住してみたら、そんなもの全然なかった。 余談ですが、以前日本からの客人をシドニーに招待した時にこの話をしたら、びっくりされました。その方は、「オーストラリアでは、戸籍も住民登録もないの?そんなんで、どうやって住民数を把握するのよ?」と、半ば絶句してましたが、でもこの国では、別に住民の現住所を役所が正確に把握しなくても社会がちゃんと回っていきます。市の総人口がほぼ正確に分かるのは、おそらく5年に1度の国勢調査のみ、市民税は市内に不動産を持つ人からのみ徴収すればいいから、課税上の不都合も生じない、そんなシステムになっています。 で、中国はというと、日本と同じタイプに属する国のようです。というか、日本よりずっと、この点では厳しく管理されていると言って差し支えないかもしれません。 まず、中国人に対しては、戸籍制度が適用されます(確か、戸籍制度って中国が発明したと思う)。これは、日本の戸籍制度とかなりニュアンスが違っていて、むしろ農村から都市への人口流入を防ぐためという意味合いが強く(現在はかなり緩和されたよう)、農村戸籍者が都市で働く際には、福利厚生やクルマの購入、子供の教育などいろんな面で不都合があるらしいです。(詳しくはこちら)。 http://www.chinalabo.com/taki/lecture/lecture_26.html で、我々外国人に対しては、「住所証明」なる制度が適用されます。これは、基本的に中国に滞在する全ての外国人が知っていなくてはならないことかもしれません。 概要をいえば、「中国に入国した外国人は、24時間以内に所轄の派出所に行って住所証明をとらなくてはいけない。さもなければ一日500元の罰金が課せられる」というものです。 これを聞いて、「あれっ?」と思った方もいることでしょう。中国へ短期間旅行したことのある方で、住所証明を取った人はおそらく皆無に近いでしょう。一体どういうことかというと、たとえば日本人が中国に行って滞在するホテルでは、チェックインする際に、ホテルのフロントがこの「住所証明」手続きまで自動でやってくれるからです。だから、旅行者としては何も知らなくていい。 ですが、中国にアパート、マンションを借りて住むのであれば、話は別。今度は、ホテルのフロントがやってくれることを、自分でやらなければなりません(注.この手続きを代行してくれる会社もある)。まず、パスポートと賃貸契約書を持参のうえ、最寄りの派出所に赴いて、そこの職員に、カーボンコピーの「住所証明」用紙に、「手書き」で住所や生年月日、パスポート番号を書いてもらいます。カーボンコピーの表側(白い紙)は派出所が保管し、裏側(青い紙)は我々外国人が受け取り、保管します。 で、ここからが面白いのですが、派出所で麗の青い紙を受け取ったあと、今度は、自分で行政大庁(市役所のようなもの)に赴いて、ハンコを押してもらわなくてはなりません。私の場合、派出所と市役所が、約7kmも離れているので、タクシーを利用したわけですが、「なぜ、ハンコ押してもらうだけのために、こんな移動をしなくてはならんのだ?」、「なぜ、同じ場所で手続ができるようにしないんだ?」と、私も妻も不満たらたら・・・でも、これをやらないと罰金とられるかもしれないから、仕方がない。 あと、我々外国人の場合、中国に長期滞在するには「外国人居留証」を取ることになります。これは、行政大庁でも派出所でもなく、公安局の外国人出入国管理処の管轄ですから、当然、公安局まで自分で行って手続きしなければなりません。さらに、上に述べた住所証明のほか、「中国辺検」という機関で「身体検査」を行い、それに合格しなければなりません。採血、心電図、X線くらいしかない簡単な検査なんですが・・・結局のところ、外国人証明ひとつを取るためにも、 1)派出所 2)行政大庁 3)中国辺検(身体検査) 4)公安局の外国人出入国管理処 という、4つの機関に自分で行かなくてはならないのです。また、私のように、中国で就労する場合には、これらのほか「労働局」に行って就業証も取らなくちゃならないから、5機関になる・・・うーむ。もう少し手続きを簡単にしてくれればいいのになあ。 また話がそれましたが・・・中国では、かなり最近まで外国人が中国人の家に行くことを厳しく制限していました。外国人住所証明制度というのも、その名残りなのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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