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カテゴリ:出産・育児@大連
今日、うちの職場は週に一度の"English Speaking Day"(「英語で話しましょうデー」。中国語でしゃべると恐怖の罰ゲームが待ってるぞ!!)。だもんで、終日、とても静かでした。英語に自信のある人の声だけが、静かな職場に響きわたっていました。
ところで話は変わりますが、日本では先日、2005年基準地価が発表されました。我が郷里、千葉県東葛地区の地価は、新鉄道「つくばエクスプレス(Tx)」開通のおかげで上昇機運。沿線には年10%近くの上昇を見せた地点も出現し、「Txバブル」なる言葉さえ生まれているそうです。 ま、勝手知った地元のことですから、「バブルに浮かれてていいんかいな?」という気もします。Txの沿線というのは、おおよそ、東京近郊とは思えないほど住宅開発が遅れ、現時点では「なーんにもない」ところです(より詳しくいえば、田んぼや畑、雑木林、工場や資材置き場、荒地などになっていて、住宅地がちらほらあるだけで、「全然都会じゃない」ってことです)。 まだ「なーんにもない」のに、地価が上がっているというのは、今後、Tx沿線で住宅開発や商業開発が進んで、首都通勤者のための住宅街あるいは衛星都市に変貌するだろう、との期待があるのだと思います。沿線各都市や自治体は、人々(マーケット)の期待に沿えるよう、良質な生活環境の整備につとめるべきでしょう。 この沿線で、私が注目しているのは、千葉県流山市の動向です。同市ではすでに、Tx開通をにらんだ良質住宅都市の形成を目指して、前向きな政策を打ち出しています。 ・市内で開発される一戸建ての土地面積を120平米以上に制限する ・幼児医療費の助成制度を、小学校就学前(6歳)まで拡大する。 私が特に評価するのは、幼児医療費の助成制度です(詳しくはこちら)。今回、流山市が実施する政策の骨子は、 ・0歳児から就学前の児童であれば、入院、通院に関わらず、1日(1回)あたり原則200円の自己負担で済み、それ以外は市の補助で医療費を賄う。 ・所得制限や必要入院日数などの条件なしで受給できる。 この施策によって、流山市は千葉県下において、超リッチ&セレブ&ディズニーの街・浦安市に次ぐ助成水準を実現できるんだそうです。 これは賢い政策だと思います。これから一戸建てを買おうとする子持ちの若いファミリーにとって、自治体の幼児医療費助成制度は、場所選びのうえで大きな判断材料になります。たとえばの話、東京東部の新小岩や高砂では、駅の所在地は葛飾区ですが、隣接する江戸川区の福祉制度の方が充実しているため、「駅近の葛飾区内」より、「駅からちょっと歩いた江戸川区内」の方が、ファミリーに人気なんだそうです。 ですので、流山市がTx開通を機に、「ファミリーに優しい街・流山」をうまくプロデュースできれば、若いファミリーを市内にどんどん呼び込めるでしょう。もちろん、幼児医療費助成の拡充は自治体にとって結構な負担になりますが、若くて担税能力のある市民を増やすことによって、その財源を賄うことは十分可能でしょう。加えて、流山市では「一戸建ての土地面積制限」を課していますが、これは、一定所得水準以上の市民の割合を増やすことに直結します。 千葉県の流山、柏といった地域は、郊外住宅地としてのブランド価値こそ低いですが、実質はそんなに悪くありません。東京郊外にしては自然の多く残る、まあまあの良質住宅地なのですが、競合する「神奈川県」や「多摩」、「千葉湾岸」のブランドイメージに負けて、過小評価されています(逆にいえば、土地代が安い分お買い得です)。ここで流山市が、「幼児福祉拡充」+「土地面積規制」のポリシーミックスによって、良質住宅開発をうまく誘導できれば、浦安とか鎌倉みたいなブランド都市にはなれなくとも、中堅所得者層のホームタウンとして、住みやすさに定評のある都市になれるでしょう。 おっと、大連日記なのに、大連のこと書くのすっかり忘れてしまった・・・中国に住んで、日本の幼児医療費助成制度の話を聞くと、つくづく、「日本って、すごい福祉先進国だよなあ」と思ってしまいます。いまの中国って、医療にせよ教育にせよ、何でもかんでも自己負担。医療費は庶民にとってはやたら高いし、自己負担分も多い。私なんか、娘が生まれると薬をたくさん渡された挙句、あとですごい額の請求書が来ましたもん。これから、予防接種もいろいろやらなきゃならないけど、あれも、基本的に全部実費負担なんだろうな。会社の保険で50%まで返ってくるそうだけど、その請求手続きがすごく面倒くさいし、あーやだやだ! 思えば、日本(流山市)の「200円の自己負担で通院、入院できる」なんて、夢みたいな話だよなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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