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カテゴリ:大連の暮らし
うちの奥さんが、「大連に来て以来、最悪の出来事」と称する事件が、一昨日の日曜日、起こりました。タクシーに乗って、香炉礁の家具市場に向かっていた時のことです。私は前の座席、妻は後部座席に座っていました。
快調に飛ばしていたタクシーが、いよいよ目的地の家具市場が見えて、減速し始めた時、です。突然後方から、妻の叫び声が聞こえてきました。何が起こったかと思って振り返ったら、妻がおもむろに窓を閉め、しきりに、ハンドバッグからティッシュを物色していました。聞くと、道行く人の吐いた「痰」が、半開きになったタクシーの窓から侵入して、危うく、妻を直撃しそうになったんだそうです。 きったねー! その痰は、妻の身体から約5cm離れた後部座席に、べっとりと、こびりついていました。タクシーを降りても、妻は、動揺を隠せない様子で、かつ怒気を含んだ口調で、「最低!最低っ!」を、連発していました。それにしても、時速30kmくらいの速さで移動中のタクシーの窓から、痰が入ってくるなんて、一体どういう角度でどんな吐き方をしたら、そんな芸当ができるんだ??痰攻撃、恐るべし・・・ 人間排泄物の中で最も汚いとされる「痰」の話はともかくとして、二番目に汚いとされる「大小便」について、今回はお話ししましょう。 「中国に行って、トイレで苦労した」という話は、よく聞きます。場所にもよりますが、「汚い」、「臭い」のみならず、「仕切りがなくて、丸見え」というのが、誰にとっても頭痛のタネのようです。今から15年もの前の話になりますが、私が3週間余りの旅行で体験しただけでも、これだけの逸話があります。 1)トイレに仕切りがない(穴しかない!)。しかも後ろに人がうじゃうじゃ並んでて、前を向いていいのか、後ろを向いていいのか、分からない。いずれにせよ、大便する姿を人に見られたくないよなあ。 2)長距離電車のトイレが、どこもかしこも大便だらけで、足の踏み場もなかった。「こんなトイレ使えるか!」と思って、ものすごい人ごみをかきわけて別車両のトイレに移動したら、そこも同じ状態だった(悲)。 3)ホテルで、「久しぶりに仕切りのあるトイレだ!」と、喜び勇んで入ったら、中はなんと側溝のようになっていて、上の方から、誰かの「大便」が、自分の目の前を、桃太郎の桃みたいに、ドンブラコ、ドンブラコと、流れてくる・・・恐ろしい光景だった。 それ以来、15年の歳月が経ち、中国のトイレ事情も、ずいぶん、改善されたようです。特に大連のような近代都市では、水洗トイレが普及し、仕切りのあるトイレも、ずいぶん増えてきました。但し、衛生面はまだまだ・・・基本的に、掃除夫を大勢使って、四六時中掃除しているようなトイレはもちろんキレイなんですが、そうでないトイレは、汚れ放題。今後中国では、「トイレを清潔に使う公衆マナー」が、問われてくると思います。それができて初めて、「人海戦術に頼らなくても、トイレをキレイに保つ」ことが可能になる! 中国では、今後北京オリンピックと、上海万博という、国際的イベントが行われます。北京や上海では国のメンツにかけて、「トイレの浄化」に取り組むでしょう。それは大いに結構なんですが、中国じゅうから人が押し寄せてくると予想されるなか、トイレを清潔に保てるのかどうか、疑問なしとはしません。オリンピック開催までのわずか数年間で、広大な中国の何億人もの人々に、「トイレを清潔に使う公衆マナー」を身につけさせるのは、至難の業でしょう。 但し、同じ華人社会であるシンガポールや台湾の人々は、もっとキレイにトイレを使っているわけですから、「長い時間をかければ、不可能ではない」とも思います。 あと、人々のマナーのみならず、トイレ・バスルームの構造自体も、改善の余地が大きいと思います。私の見聞した限り、中国のバスルームは、汚水を効率良く流す工夫に欠けると思います。諸外国では、汚水を排水溝に流すために、緩やかな段差をつけたり溝を設けたりするのが普通なのですが、中国では、3つ星ホテルでさえ、そういう工夫がなくて、シャワーをちょっと浴びただけで床上浸水状態!というケースが散見されます。 汚物や汚水をきれいさっぱり流すことが、「気持ちよい」という感覚につながり、それが人々のあいだに共有されたならば、中国のトイレがキレイになる日も、そう遠くないのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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