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Manachan's World-東京下町日記

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2005年12月25日
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カテゴリ:大連の暮らし
ここ大連では、賑やかなクリスマスを迎えています。大きなショッピングセンターでは、どこでも電飾付きのクリスマスツリーが飾られ、拡声器からクリスマスキャロルが流れ、店員さんはこの期間だけ、サンタの帽子をかぶります。そしてどの店も超満員!クリスマス商戦の派手さは、欧米、いや世界のどの国にも負けてないでしょう。また、クリスマスにケーキを食べるという習慣も根強く、ケーキ屋さんはどこも大繁盛です。

ただ、欧米のクリスマスとちょっと違うのは、家に電飾(イルミネーション)をつけてお祝いしている家を見かけないことです。また、クリスマスの前後にホリデーを取るという習慣もなく、この期間中は基本的にみんな働きます(その代わり、旧正月に長いお休みを取る)。

というわけで、中国のクリスマスというのは、日本と同様、商業主義先行の感があります。多くの中国人にとって、一年で一番大事な行事はもちろん旧正月ですし、またキリスト教を信じている人も少ないですから、クリスマス自体、敬虔な宗教行事というよりは、商業側が売り上げを伸ばすための、またとない機会になっているようです。

余談ですが、中国人はクリスマス(聖誕節)にケーキを食べたり、バレンタインデー(情人節)でチョコレートを送ったり、みたいな「ノリ」が大好きなようで、その点、日本人によく似てると思います。どちらも、商業主義に乗ったお祭り騒ぎが大好きな国民なのでしょうね。

今回は、もう少し掘り下げて、「中国人にとってクリスマスとは何なのか?」ということを、考えてみようと思います。

私思うに、この地上で中国人ほど、超越的な存在としての神を信じることのすくない人々も珍しく、また中国人ほど、その歴史を愛し、敬意を払っている人々も珍しいと思います。またこれは、「中国文明のかたち」とも、密接に結びついているように思います。

(※これはあくまで、一般論としての中国人論です。個人レベルでは、「例外」はもちろんたくさんあります。私は、中国人で大変敬虔なクリスチャンないし仏教徒である人を、たくさん知っています。ですが、このエッセイでは、彼らが無意識のうちに背負っている「中国文明のかたち」を、描き出したいと思っています。)

歴史の授業で習った、「古代4大文明」とは、エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、そして中国の黄河文明だそうです(他にもいくつかの古代文明が存在した、という学説もあるようですが・・・)。その4大文明のなかで、黄河文明が際立っている点といえば、「他の3文明が、すべて神(超越者)の権威を顕す、壮大な構造物を作ったのに対し、黄河文明は、そういうものを一切残さなかった」ことらしいです。今日我々が目にすることのできる、黄河文明の遺構といえば、ただ平和そのものの農村集落だけ・・・。つまり、中国という文明は、太古の昔から「人間臭い」文明だったといえそうです。

また、古代4大文明のうち、西方の3文明は断絶してしまったのに対し、ひとり黄河文明だけが、「中国」という国家を通じて、今日まで命脈を保ち続けてきました。そして驚くべきことに、黄河文明の昔から、歴史書というかたちで、人々の営みの記録が連綿と続き、今日に至っています。そう考えると、中国文明は、太古の昔から「記録する文明」であり、その結果つくられる「歴史」こそ、中国文明の生命だという気もいたします。

「人間の文明」、「歴史の文明」・・・これが、中国文明の基本的なかたちだと思います。このことは、「神と人間との間合いの取り方」にも影響してくるのでしょう。例えばの話、いま中国で最も信者数の多い「神様」といえば、たぶん「関羽将軍」(164~219)でしょう。そう、「三国志」に出てくる有名な将軍です。関羽は、その一生のほとんどを戦争に費やし、宗教など一言も語らなかった(と思われる)人物ですが、その彼が、死後、何億人もの中国人に「神様」として崇められるとは、本人でさえも予想だにしなかったことでしょう(※関羽将軍を信仰する者の数は、アジアでは仏教、キリスト教を抜いて、イスラム教に次いで第二位である、という話もあります)。

私は以前、台湾に住んでいましたが、台湾では至るところ、「関帝廟」(関羽を祀る寺社)だらけでした。その他、「天后宮」というのも多かったです。これは「媽祖信仰」という、中国南方の沿海部で特に根強い民間信仰なのですが(信者数は2億人近くいるという!)、その始祖「媽祖」は宋代に実在した人物で、出生地は福建省甫田県媚洲島、生年月日は西暦960年の旧暦3月23日で、昇天して神になった年は987年と、各歴史書に正確に記されています。

このように、中国の代表的な「神様」でさえ、その「歴史」の一部であるという・・・。この事実ほど、中国文明を象徴する話はないでしょう。西洋キリスト教文明、イスラム文明、インド文明をはじめ、世界の主な文明は、まず神ありきで、その次に人間が来るという筋書きになっているのに対し、中国文明では、まず人間ありきで、その営みのなかから「神様」が出てくるのです。「神様」というのはもちろん、全てに超越した絶対者としての「神」ではなく、むしろ生身の人間にとって、「親しみやすいお友達」みたいな存在です。

人間が中心。人間こそが全て。その営みの集大成である歴史こそが全て・・・という中国文明にかかっては、本来、キリスト教の敬虔な行事であるはずのクリスマスも、商売のネタとして、言い換えれば「いま生きている人間の暮らしの方便」として、丸く収まってしまうのでしょう。そして多くの中国人は、気分に応じてクリスマスを祝い、仏教のお盆(盂蘭盆会)を祝い、子供の受験前には道教系の「関帝廟」や「天后宮」にお参りしたりするのです。

これって、日本人と似ていませんか?お正月に神社にお参りをして、葬式は仏式で挙げ、クリスマスも祝うという日本人の習慣は、西洋人(特に敬虔)には理解し難いといわれますが、中国人なら、理解してくれるはずです。

「やおよろず(八百万)の神々の国」中国と日本。この2ヶ国が、今や経済大国なんですから、21世紀の世界は、どうなるか分かりません。

横浜中華街の関帝廟
私もお参りした台湾・関渡の天后宮





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最終更新日  2005年12月25日 20時00分03秒
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