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Manachan's World-東京下町日記

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2008年02月11日
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前回の日記で行った問題提起、「沿線イメージが悪くて地価が安い東葛地域に、なぜ、所得水準の高い小金持ちが集積したのか?」・・・首都圏でも他に類例をみないこの「怪現象」の解明なしには、東葛の次の発展戦略を描くことはできないでしょう。

私見ですが、当地域において比較的良質な住宅地開発と商業地開発が、これまで一定の成功をみてきたことが、大きく影響していると思います。


1)良質な住宅地開発

東葛地域、特に柏や我孫子の一帯は、昔から、「三井・東急の草刈り場」と呼ばれ、大手デベロッパーによる、大規模一戸建て分譲住宅地の開発が進められてきました。これらの住宅地では、一戸あたり敷地面積50~60坪を確保した上で、安全・快適に配慮した、統一感のある街並みをつくってきました。

その他、常磐線からのバス便エリアや、東武野田線の徒歩圏エリアに、敷地面積を広くとった、落ち着いた感じの一戸建て住宅が大量に供給されたのも、結果的には幸いしました。地価が安い分、広い敷地面積が確保でき、ガーデニング可能、カーポート2台設置可能といった、郊外のライフスタイルに見合った住宅が多く開発され、これが、都心の大企業に勤める部課長クラスを含む、中間層ファミリーのベッドタウンとして選ばれてきた要因だと思います。

ですので東葛には、東京西郊にみられる「高級住宅地」とまでは行かないにせよ、それなりにクオリティの高い「良質住宅地」は豊富に存在します。白山(我孫子市)、柏の葉、新柏(柏市)、江戸川台、松ヶ丘(流山市)、常盤平、六高台(松戸市)などが、その好例といえましょう。


2)商業地開発-柏の成功

さらに東葛においては、商業集積地、さらには「ミニ都会」として、柏の駅前がテイクオフできたことも、他地域(特に東京)への購買力の流出を防ぎ、当地域住宅地の利便性をアピールする上で、大きな役割を果たしてきました。

柏駅前は、1973年に大胆な発想で再開発を行い、それが成功して、高島屋、丸井、そごうなど、大手百貨店が林立する、地域随一の商業集積を生み出しました。

東京郊外の多くの街では、百貨店が大量進出すると、地元の商店街が衰退するケースが多いのですが、柏は違いました。二番街、駅前通りなどの地場商店街が、常に先を読み、自己改革に努めてきたおかげで、今でも賑わっています。さらに近年では、これまで閑静な住宅地だった裏路地的なエリアに、古着屋、カフェ、ライブハウスなど、新しい発想の個人商店が次々と出現し、「裏原宿」ならぬ「裏柏」と呼ばれるまでに発展しました。

大手百貨店、元気な地元商店街、裏柏・・・これだけのネタが揃ったことにより、柏駅前は小さいながらも、東葛で唯一の「遊べる街」、「ミニ都会」になりました。司馬遼太郎さんの言葉を借りると、「都会」とは、「娘さんが新しい服を買った時に、歩いてみたいと思うような、ハレの要素を持つ都市空間」だそうですが、柏駅前は、東口の半径300メートルだけですが、「都会」の要素を持つに至り、これが、若者やファミリーを呼び寄せる巨大な集客装置として、今日でも機能しています。

東京近郊で、ミニ都会と呼べるエリアは結構多いですが、これは東京の西側と南側に集中しており、柏を含む東側では非常に少ない。千葉市(中央区)は、大きな都市ではあっても、雰囲気的に都会とは言い難いし、船橋や錦糸町、松戸も微妙。幕張ベイタウンや新浦安は、東葛以上に成功した高級住宅地ではあっても「都会」ではないし、強いていえば、津田沼くらいか・・・

東京東郊において、ミニ都会が、これだけの希少価値である以上、東葛において「柏駅へのアクセス」は、絶大な意味を持つのです。「東京には多少遠くて不便でも、柏にすぐ行ける」ことが、東葛地域(特に柏、我孫子、流山の高所得3市)が住宅地として、中間層ファミリーに選ばれてきた理由だと思います。

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ところが近年、経済状況の激変により、東葛がかつての所得水準を維持できず、貧困エリアに転落するリスクが、年々増大しています。

そのひとつが、「格差社会」と、「中間層人口の減少」です。昨今は世界的にみて、先進国と途上国の差が縮まり、かつ先進国、途上国双方に共通する現象として、国内の経済格差が広がっています。日本においては、他の先進国と同様、中間層人口の減少と、上と下への二極分化(もちろん、下の方が大きい)というベクトルが、強く働いています。

その意味するところは、これまで東葛地域の経済力を支えていた、中間層の人口流入が痩せ細ることです。かつ、格差社会における高所得層は、都心部や、西の郊外に集中する傾向が強いので、今後、東葛を含む、東京東郊は、このまま何もしなければ、地域に大量の低所得層が流入し、財政も住環境も劣化してしまうリスクが大いにあるのです。(実際問題として、西郊と比べて、東郊は本当に無為無策な自治体が多いから、恐い)。

もっとも、「昔とった杵柄」で、東葛にはこれまで蓄積した購買力がありますから、一気に貧困地域に転落することも考えにくい。たとえば、つくばエクスプレスが新たに開通した地域をみても、新興商業地や良質住宅地としてテイクオフしそうなのは、埼玉県東部でも茨城県南部でもなく、東葛にある「流山おおたかの森」と「柏の葉」です。地域の購買力が高いから、ショッピングセンターも真っ先にできたし、高級仕様のマンションもそこそこ売れているのです。

とはいえ、油断は禁物です。地域イメージに恵まれず、地価の安い東葛は、所得水準の高さだけが命綱です。所得が低下したら最後、東京圏の底辺にうごめくことになり、一生、這い上がれなくなります。そのためにも、住民の平均所得の推移を定期的にモニターし、その低下を防ぐべく、全力を尽くすことが、地域経営に不可欠な視点となります。私の提唱するのは、


「ウェストペッグ制」の採用

ペッグ(Peg)とは、外国為替の世界でよく使われる言葉で、自国の通貨を、特定の外国通貨に対して、ほぼ一定の為替レートになるように調整することです。たとえば香港ドルは、米ドルに対してペッグしていますので、この両通貨の為替レートは、「1米ドル=約7.8香港ドル」で、ほぼ一定です。

それと同じ理屈で、東葛各市の所得水準を、ほぼ同等の所得を持つ東京西郊の自治体のそれに「ペッグ」させる発想が「ウェストペッグ」(「ウェスト」=「西」)です。東葛地域の所得水準を、西郊のそれに対して、今後大きく下回ることがないよう、注意深くモニターするのが、その目的です。たとえば、柏市、我孫子市、流山市の場合は、東京都下の国分寺市や町田市などが、比較の対象となるでしょう。

なぜ「西郊」と比較するかというと、先ほどお話しした通り、東京の東郊が全体として地盤沈下して、貧困エリアに転落するリスクが高いからです。一方、西郊の場合、そのリスクは高くない。特に国分寺や町田は、多摩地域でも高所得の部類に入り、新宿渋谷、横浜へのアクセスに恵まれ、沿線イメージも概して良く、何といっても「東京都」ですから、今後、大崩れすることも考えにくい。言葉を変えれば、ウェストペッグの心は、

東葛が、他の東京東郊と一緒に沈むのは御免だ!

という、強い意思表示なのです。これは是非ともプレスリリースすべきでしょう。そうすれば少なくとも、「柏・流山・我孫子の所得水準が、多摩地域上位の各市とほぼ同じ」ことが広く知られることになり、大きな驚きをもたらすでしょう。うまくすれば、シティバンクや紀伊国屋スーパーが、柏か流山に進出してくれるかもしれない。


また、ウェストペッグを、効果あらしめるためには、東葛「住宅地政策」と「商業地政策」の両輪が必要となります。


住宅地政策-土地の面積制限

東京圏住民の所得環境が、なかなか好転しない状況のなか、郊外良質住宅地の供給は、以前にもまして難しくなっています。いくら土地の広い良質な一戸建てを供給したくても、買い手がつかなければ商売にならないのです。

十分なお金を払えなければ、安かろう悪かろうの住宅開発しかできない。特に交通アクセスの劣る東京東郊では、黙っていればミニ開発、スプロール化が横行し、低所得層の大量流入は避けられません。

そのなかで、東葛が、今後とも良質住宅地であり続けるためには、一戸建ての敷地面積制限が不可欠と思います。たとえば、流山市が条例でやっているように、新築一戸建ては120平米以上でないと分譲できないというルールでしばりをかける。

理想をいえば、120平米でも、不十分だと思います。地価の安い東葛では、150平米(45坪)くらいを目指して良い。市域全体で施行するのが難しければ、流山おおたか、セントラルパーク、柏の葉のような新市街地での限定ルールでも良い。とにかく、一日も早く施行して、世の中に対し、

柏や流山おおたかの駅徒歩圏に、新築一戸建てを買うのであれば、少なくとも5000万円以上、払える人に、来てもらいたい
(土地代45坪×70万/坪=3150万、上物代2000万、 計5150万)

という、明確な意思表示をすべきなのです。とにかく、中心駅の徒歩圏で5000万、バス便エリアでも3500万を払える新住民を大量に作ることを、当面の政策目標とするべきで、これが東葛の所得水準を死守するために不可欠なのです。


商業地政策-「ミニ都会」をアピール

柏駅前が「ミニ都会」となったことは、すでに話しました。柏の周辺では、ここ2~3年だけで、流山おおたかの森SC、柏の葉ららぽーと、南柏駅前の再開発商業ビル、南柏イオンタウンなど、大規模商業施設の出店が目白押し。そのなかで、柏駅前の集客力が依然、衰えていないのは、驚くべきことです。その理由は、ここがすでに単なる「商業施設集積地」ではなく、「ミニ都会」という、カテゴリーの違う存在になったからでしょう。

近隣に、ミニ都会の一つでもあることは、地域全体の魅力を強くアピールし、「住民に選ばれるエリア」になる上で、巨大な貢献をします。吉祥寺や立川の存在が、多摩地域のイメージ向上に大きく寄与しているのと同様に、商業地・柏の発展は、住宅地としての東葛全体の発展に直結する。ですので今後も、柏駅前への選択・集中を続けるべきなのです。

柏の魅力をアピールするには、数多くの方法がありますが、「柏にFM放送局をつくること」も、その一案でしょう。柏は音楽が盛んな街で、アーティストを多く輩出しています。「Bay FM」のある千葉県湾岸エリアよりも、音楽都市としての成熟度は高い。そんな柏にFM局があれば、地場のミュージシャンが首都圏ワイド、さらに全国区に巣立っていくという意味でも、また有名芸人を柏に呼んで中継する意味でも、柏の知名度やイメージアップに貢献すること間違いなし。

さらには、東葛エリアのなかで、柏に続く第二の都会を、長期スパンで育成していくスタンスも必要でしょう。その本命は、「流山おおたかの森」だと思います。この街は、常磐沿線とは一味違った都市文化が花開く、つくばエクスプレス沿線の中心地として大きく発展する可能性があります。

おおたかの森SCを核として、その周りに個性的なショップ、レストランが並び、小奇麗で街歩きの楽しい、東急テイストの自由が丘や青葉台的な街に仕上げることができれば、柏と全く違うタイプの都会として、東葛エリアの魅力をさらにアピールすることにつながるでしょう。


次回は、「世界経済のなかの東葛発展戦略」についてお話しして、シリーズを締めくくります。





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最終更新日  2008年02月12日 03時09分16秒
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