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Manachan's World-東京下町日記

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2009年12月19日
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カテゴリ:エッセイ集
若者はなぜ、3年で辞めるのか?」は、数年前に発売された有名な本ですが、私はつい先日、この本を読んだばかりです。

ご存知の方も多いと思いますが、論旨を簡単に言いますと、

多くの日本企業が採用してきた、終身雇用を前提とした年功序列型の人事制度は、会社が常に成長することを前提とした、「給与後払いシステム」だった。つまり、若い時の給料は少ないけれど、我慢して勤め続ければ、上の年齢になった時に、手厚い給料が保障される、というもの。

ところが、日本経済が低成長時代となり、会社が現状維持で精一杯の世の中になってくると、この制度自体がすでに破綻している。若い世代にとっては、上の世代の社員を養うために、安い給料で働いても、自分がその年齢になったときに、給料が戻ってくる保障は全くない、要は働き損になってしまう。

逆にいえば、上の世代が若い社員に対して、「いま我慢して、一生懸命働けば将来トクするよ」という論理を振りかざしても、今の若者には全く説得力をもたない。そんな状況では、若者が3年で会社を辞めるのは当たり前である。

問題の核心は若者の職務態度ではなく、時代に合わなくなった年功序列型の人事制度にある。これを改め、年齢に関係なく、専門領域や貢献度に応じて適正に報いる制度を構築し、若者が割りを食わないような組織にしていかなくてはならない。



この本で特に印象的だったのは、バブル絶頂期(1987~92年頃)に新卒入社した「バブル世代」(※1965~70年生まれを想定)に関する記述です。

著者いわく、バブル世代は、日本経済が絶好調の時代に、会社の年功序列制度を全面的に信頼したまま社会人になったのに、入社後間もなく、バブルが崩壊して年功序列が機能不全となり、いきなり「梯子をはずされてしまった」、受難の世代だという。

運の悪いことに、さしたる苦労もなく大企業に入社したバブル世代は、入社後の数年間を、明確なスキルやキャリアのビジョンを持つことなく、年功序列を前提とした「何でもやります」式な態度で過ごしてきた。ところがバブル崩壊で、会社の人事制度が年功序列から成果主義へと変容していくなかで、就職氷河期をくぐりぬけた屈強な下の世代(※1971~76年生まれを想定)との社内競争でも劣勢に立たされているという。

そのバブル世代は、今や40台前半。年功序列モードを切り替えて、成果主義時代にうまく適応できた者はともかく、そうでない者は、昇進・給料が頭打ちになり、リストラの恐怖にさらされ、閉塞感を感じているケースが多いと思われます。




私は、年齢的には「バブル世代」に属します。大学3~4年の頃は、バブル絶頂期で、大学寮にはダイレクトメールの就職雑誌が山のように送られてくる、応募すれば高級ホテルを借り切っての「入社説明会」、一流レストランでのディナー、果てはタクシーチケットまで配布された、すごい時代でした。

大学の仲間の多くは、世間的に通りの良い「一流企業」を目指しました。優秀な者も、そうでない者も、都市銀行か総合商社、あるいは業界トップのメーカーを目指しました。今では考えられませんが、「どの企業に入社すれば、生涯年収がいくらになる」みたいな話を、皆が信じていました。まだ、終身雇用神話が生きていた時代だったのです。

私はそんな雰囲気に背を向けていました。なんだか、白々しかったからです。月10万円以上の仕送りが当たり前だった時代、仕送りゼロ、アルバイトで日銭を稼ぐ苦学生だった私に言わせれば、会社でまだ働いてもいない学生ごときが、なぜそんなVIP対応を受けて、それを当たり前だと思うのかが、皮膚感覚として理解できませんでした。

さらに、この人生で何をやりたいのか、どんな仕事をしたいのかといった目的意識を、ひとまず横に置いといて、会社(日本の企業社会)の敷いたレールの上を走って安心したい、という価値観も私は理解できませんでした。

仲間の多くが、世間が羨むような一流企業に就職するのを横目に、私は就職活動を一切せず、大学院に行き、2年過ごして「自分探し」をやった後、社員数わずか10数名、超零細な環境コンサルタントの門を叩きました。この会社には、自分が本当にやりたいと思う仕事ができると考えたからです。




そうこうしているうちに、バブルが弾け、日本の経済社会は一変してしまいました。

日本株式会社を代表する巨艦企業が、次々と倒れ、年功序列を前提にした「安心感」も、水の泡と消えてしまいました。次にやってきたのは、年齢に関係なく、業務遂行に必要とされる専門知識を持った者たちが担う、成果・専門性重視の企業組織でした。

日本では外資系企業が、真っ先にそういう方針で中途採用を強化し、英語のできる優秀な者を囲い込んでいました。

そんななかで、私は「業界に必要とされる専門スキル」を身につける必要を痛感しました。当時(1996年)は、ちょうど「第二新卒」の労働市場が日本に誕生しつつある時期で、私はこれを使って、外資系のIT企業に「第二新卒」として入社し、キャリアを一から積み上げようと決意しました。その頃には、年功序列の社会で生きていこうという気持ちは、毛頭も残っていませんでした。

あえて言うと、私は年齢的には「バブル世代」ながら、職や仕事に関する考え方は、その下の「就職氷河期世代」に近いといえましょう。

人生、どうなるか分からないもので、結果的には、私はバブル期の就職に背を向けて、本当に良かったと思っています。年功序列組織のなかで「受難」することなく、専門スキルとキャリアを積み上げ、成果主義に適応し、将来に希望を持ちつつ、楽しく生き生きと働けている点で・・・。





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最終更新日  2009年12月19日 10時48分26秒
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