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カテゴリ:万年筆
一ヶ月サボってしまいましたので、気合を入れてレビューします。
今回の万年筆は、昨年から放置プレイ中だった「Parker 61 Custom」です。 個人的には、パーカーの失敗作ではないかと思っていますが、実際には、1956年から1983年まで売られていた長寿モデルですし、バリエーションも豊富なので、パーカーとしては、かなり力を入れていたように思います。 デザイン的には、40年代に登場し人気モデルとなった「Parker 51」、特に「Mark3」以降と酷似していますね。 「51」との大きな違いは、首軸に矢をイメージした金属プレートが埋め込まれている事。 このプレート取れやすいので、買うときは確認が必要です。 私の「61」は、1962年から1969年にかけて販売された「Mark2」と呼ばれるタイプに分類されます。 「Parker 61」の中でも、「Custom」と呼ばれるモデルは、キャップが金張りの仕様になっています。 後期型では「Parker 65」と共通の部品となったため、キャップから「61」の刻印が無くなります。 私の「61」のキャップの刻印は、こんな感じ。 「PARKER」、「P 10 12K GF 61」、「MADE IN USA」、「Haloマーク 61」と刻印されています。 キャップだけでなく軸の後端にも樹脂製の飾りが入っており、これも「Mark3」以降の「Parker 51」との大きな違いです。 一応、「Parker 51」よりも高級モデルだったので下手に凝っています。 けして「Parker 51」と部品を共有したモデルではありません。 ペン先は、14金で、「パーカー 51」同様にフーデッドニブ。 首軸からペン先までのデザインは、微妙に「Parker 51」と異なっています。 これが「Parker 61」の吸入機構。 悪名高い?「Capillary filling system」です。 後期型では、無難な両用式に仕様変更されてしまいました。 これが凄くて、インク瓶に30秒ほど浸せば、毛細管現象でインクを吸い上げてくれます。 ただし、吸入機構が完全に乾燥している時は、数分くらい浸けた方が良いように思います。 凄いんですが、洗浄が困難です。つまり、インクを安易に変えられない。 このあたりが、先進的な「Paker 61」が敬遠される理由です。 時代的にも、一世を風靡した「51」や「75」の影にならざるを得なかったのでしょう。 吸入機構のスリーブはテフロン加工されていますので、インクを弾いてくれます。 しかし、インクが玉になって残ることもよくあるので、一応、吸入後は、拭いたほうが良いですね。 「Parker 51」と比較してみましょう。 上から「Parker 61 Custom (Mark2)」、「Parker 51 (Mark3)」、「Parker 51 (Mark2)」と並んでいます。 「Parker 61 Custom (Mark2)」は、「Parker 51」よりやや小振りのサイズになっています。 最後に、汚い字で試し書き。 インクは、ウォーターマンのブルーブラック。 ペン先は、Fあたりでしょう。 個人的には、フーデッドニブの万年筆は好きなのですが、書くとなると別問題で、苦手としています。 しかし、この使い込まれたニブは凄く書きやすくて、久々にニブで感動しました。 フローが良く、滑らかに紙の上を走ってくれます。 筆記角度に対する追従性も凄く高いので、フーデッドでも怖くないと言った感じです。 これはオマケ。付属していた紙箱の写真です。 オリジナルのものか分かりませんが、こう言った簡易な紙箱は、少なくともバキュマチックでも見たことがあります。 箱のプリントで何か分かるかと思ったのですが、分かりませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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レッドのコッカーさん、こんばんは。
ニブがあたりでよかったです。 61は持っていますが、Capillary filling systemではないです。 面倒な部分はありますが、おもしろい吸引法ですね。 (2011年03月04日 01時38分46秒)
port123miguelさん
面倒な吸入機構なので、せめて、ニブが当たりで良かったです。 しかし、面倒な吸入機構が、このモデルの魅力だったするのですが。 (2011年03月04日 01時56分30秒)
毛細管現象を利用する、と言うことは、スリーブ内はスポンジのようなものが入っているのでしょうか?興味深い万年筆ですねぇ…。
(2011年03月04日 19時30分46秒)
珍しいですねえ。毛細管現象を利用して吸入するなんて初めて見ます。こういう吸入方式があったとはびっくりです。
(2011年03月04日 20時20分20秒)
山都屋にゃん太郎さん
仕組みとしては面白いのですが、やはり洗浄が困難な構造というのは、痛い欠点です。 逆にボタン1つで綺麗に洗浄できるモデルが出たら、売れそうな気が。 (2011年03月04日 23時15分56秒)
この吸入機構はこうやって使うのですね。初めて見ました。僕はてっきりペン先をインクに浸しておくと吸い上げるのかと思ってました。この時代にテフロン加工というのも興味深いです。
(2011年03月06日 22時12分58秒)
シューちゃんさん
これは使い方を知らなければ、絶対に迷いますよね。 加工というかチューブ全体がテフロン樹脂製なのかもしれませんが、そのお陰で、あまり汚れること無く、吸入できます。 (2011年03月06日 23時12分18秒) |