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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:劇場鑑賞
109シネマズは毎月10日に1000円興行を行っていて、昨日は日曜日に重なり劇場は大混雑。私の見たシアター6は7割ほどの客入り。
映画の話 悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく。 全世界が絶賛!全米歴代興行収入新記録11冠達成!!ワーナー・ホーム・ビデオ ダークナイト 特別版 映画の感想 うーん、思っていたより重苦しくテンコ盛りのアクションなのだがエンタメ性は意外に低い。 以下ネタばれあり まず圧巻のオープニングの銀行強盗シーンからアメコミ的ではなくリアリティ志向を目指しているのを感じる。犯人に反撃をする銀行員が「アルマゲドン」のウィリアム・フィクナーが演じていてあっけなくやられてしまう。贅沢なキャスティングである。 そして本作の主役と言えるヒース・レジャー演じる“ジョーカー”が凄い。ジャック・ニコルソン版のテカテカ白塗りのジョーカーのメイクと違い、ひどく薄汚れたメイクが不気味である。ヒース・レジャーは演技のテンションの強弱の付け方が素晴らしく、真の主役のクリスチャン・ベール=バットマンを完全に食ってしまうキャラクターで、敵が強大であるからこそヒーローが際立つのだが、今回のジョーカーはキャラクターが強大過ぎて観客もジョーカーの思惑にまんまと飲み込まれてしまう。 それから、もう一人の主役アーロン・エッカート演じるハービー・デントだ。この役は前シリーズではビリー・ディー・ウィリアムス(「バットマン」)とトミー・リー・ジョーンズ(「バットマン・フォーエバー」)が演じた役であるが、本作のエッカート版のトゥー・フェイスは映画の中では2/3をハービー・デントで最後の1/3がトゥー・フェイスになってしまうのだが、これまた想像を絶する造形のトゥー・フェイスの登場で作家達の苦労が伺える。しかし、これまた呆気なく逝ってしまうのは勿体無いキャラクターである。 映画の最大の見せ場と言える、デントの護送シーンは凄かった!重量級の連続アクションでバットモービルからバイク型のバットポットに変換する発想の面白さと、バットポットの軽妙な走りと進行方向にある障害物は全て破壊する潔さには脱帽のアクションである。このシーンを見ると正義とは言え、かなり街にダメージを与えてしまうバットマンは正義なのか敵なのかと考えてしまう。 続く、捕まったジョーカーを取り調べ室で半殺しにするバットマンの姿は今迄の正義の味方バットマンの概念を打ち砕くシーンであるのだが、ジョーカーのやられっぷりも上手くヒース・レジャーの演技の見せ所だ。このシーンでジョーカーの攻撃が収まるのかと思ったら、更に警察を爆破して逃げだし、デントとレイチェルを人質にして、また爆破!デントはバットマンに助けられたが、レイチェルは逝ってしまっのかな?この辺は曖昧で「実は」って展開が続編であるのかな? 映画はジョーカーの犯行に振りまわされっぱなしのバットマンと警察と市民達の姿が描かれ、囚人と市民達がジャックされたボートで究極の選択を迫られるシーンはアメコミ作品の枠を超えた名シーンであろう。 ただ難点は映画全体が重苦しい展開が続きすぎてガス抜きもほぼ無く、着地点もヒーローを否定すると言う前代未聞の展開は好き嫌いが分かれるだろう。 ジョーカーを演じたヒース・レジャーは死んでしまい、レイチェルも逝ってしまい、バットマンも市民の敵になってしまい、このシリーズの行方が非常に気になる、勿論ワーナーは続編を作ると思うが、作品のハードルがググット上がってしまったので続編は苦難の作品になることだろう。 アンケートの話 本作の宣伝にワーナー・ブラザースも迷いがあるらしく、劇場入場時に事細かなアンケートを渡されて上映後に回収していました。私が公開中作品でこの様なアンケートを書いたのは初めてで、ワーナーは回収したアンケートに基づいて宣伝の方向性を見極めるのであろう。 映画「ダークナイト」の関連商品はこちら オリジナル・サウンドトラック ダークナイト <WARNER BEST COLLECTION いつでも \1,500>[DVDソフト] バットマン ビギンズ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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