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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:マスコミ試写
プライド デラックス版 映画の話 名門の三田音大4年生の史緒(ステファニー)の住む豪邸に、ハウスクリーニングのアルバイトで、二流大学である千住音大3年生の萌(満島ひかり)が訪れる。自分の部屋にグランドピアノがあるほど裕福な史緒は、萌に5万円のオペラのチケットを渡してオペラに出掛けるが、会場で格差を思い知った萌は思わず激しい嫉妬(しっと)を史緒にぶつけてしまう。 映画の感想 原作も何も知らずに見たのですが、これは面白いです。話は少女マンガが原作らしくオペラの世界を舞台に、お嬢様と貧乏娘の恋とプライドを掛けたバトルがハイピッチで展開する。 映画は主人公の史緒と萌の出会いから始まり、二人の境遇がざっと語られ、お嬢様の史緒を妬む萌であるが、親の破産で史緒も萌と同じ土俵に乗せられバトルの火蓋が切られる。 史緒を演じるのは歌手のステファニーで演技経験は無いそうだ。彼女はお嬢様役を悠々と演じ、5オクターブに及ぶ歌声で観客を魅了する。対する萌を演じるのは「ウルトラマンマックス」「デスノート」の満島ひかりだ。彼女は「Folder」~「Folder5」と歌手活動をしていただけにソウルフルな歌声が良い。ステファニーとの歌バトルも鳥肌が立つくらいにゾクッとくる。演技面でも人当たりの良い表の萌と、嫉妬深く陰湿な萌を瞬時に演じ分ける満島ひかりの小悪魔振りが光る。それから、原作者・一条ゆかりご指名で神野役にキャスティングされた及川光博は自分の役割を良く理解していて漫画から抜け出してきたようだ。蘭丸を演じる渡辺大も女装のピアニストと言う役を違和感無く演じている。 監督は平成「ガメラ」シリーズの金子修介監督だ。金子監督は漫画原作やアイドル主演作を多く撮っているだけに、本作の仕事ぶりは特筆すべき物だ。漫画的な世界観をスピーディーに魅せ、一歩間違えばドロドロの昼メロ的な話を爽快に仕上げたのは金子監督の手腕だろう。史緒と萌のバトルは金子監督にとってゴジラとガメラのバトルの様に見ていたのかもしれない。幕切れも物語の続きを予感させる終わり方で早くも続編が楽しみである。 映画「プライド」の関連商品はこちら 映画「プライド」オリジナル・サウンドトラック 【古本】プライド 1/一条ゆかり (コミック)プライド(09)/一条ゆかり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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