「荒神」と「BABEL」
荒神 (新潮文庫) [ 宮部 みゆき ]圧倒的破壊力!!一大傑作スペクタクル!!むちゃくちゃ面白い!!怪物の強さはシン・ゴジラ並矢も鉄砲も全く通じず、弱点も無く、臨機応変に変身したり保護色となって森と一体となって隠れる。おまけに油をのませたりかけたりして火を放つと燃える皮膚の下からは更なる硬質の皮膚が表われて脱皮し、吐く酸の液体は人を溶かし油の役目もするので飛び火によって炎が広がり大参事に!成す術もなく人が喰われてゆくーー長く対立する二つの土地で、片や怪物によって壊滅状態、そんなこととは露と知らずのもう片方の地では、跡継ぎが亡くなって悲嘆に明け暮れていた。その時村境では砦が怪物によって灰と化していた。権力者であり人狩りと恐れられている首謀者の妹、朱音と、壊滅した村の生き残りである少年、蓑吉をメインにこの参事へと立ち向かっていく物語。どうなるのか!どうするのか!どう立ち向かうのか!読むほどにどんどん面白くなる!!もう余す所なく最後まで面白い!!読了後の充実感は最高です!ツブヤキ↓いやぁ、正直最初、怪物ってどうよ、それって面白いのかい?ってちょっと引いてたんだけどね、問題は怪物だけじゃないところが素晴らしいね、いろいろ絡めてあって、飽きないね。しかも怪物ってどうよ、って気持ちは怪物の圧倒的さに正に圧倒されてガッツリハマったし(笑)うわーどうすんのさこれ!?って気になって一気読みさ。登場人物が結構多くて最初のうちは戸惑ったけど、それもすぐそれぞれの個性が魅力となっていい化学反応を起こし次にそれぞれがどうするのか見たくてしょうがないって感じになった、最後も好きだなぁ、語り継がれる伝説になるような…。にくい演出がやっぱり最後の最後での絵師の最後、だなぁ。ドラマ化が決定されているので怪物がどうでてくるのか、個性豊かなキャラが誰になるのか今から楽しみ。GIVER(復讐の贈与者)の第二弾!!シリーズ化して続きが読みたいと思っていたら出ましたBABEL 復讐の贈与者 (角川文庫) [ 日野 草 ]人間として何かが欠落している義波(ギバ)は復讐代行をサイボーグのように淡々と見事にこなす。人の心もわからない、負った外傷さえも苦痛ではない、そんな彼のミッションを短編集に仕上げたモノ。「バベル」リア充に逆ギレして他人を巻き込むためにショッピングモールの展望室で人質をとり、人質同士で誰を殺すか決めさせるといい、爆弾を用意して立てこもる男。だがその場に自分が最も憎むべき相手が現れて…「ナイト・ジャーニー」悪事を働いた後、後処理を済ませてなんとか深夜の高速バスに乗りこのまま逃げ切るつもりだった男と乗り合わせたのは義波という男だった。「グラスタンク」学生の頃友達と崇拝していた美しい少女の死について、犯人に復讐しようと持ち掛けられた美咲。復讐代行者として義波が現れ、計画の通り進めるうちに…「スプリング・ブレイク」一人さまよっていた自分を拾ってくれて世話をしてくれるカフェのオーナーたまき。果菜子は幸せだった。だがある日、たまきを訪ねて一人のあやしい男がやって来た。二人の話をこっそりきいた果菜子は嫌な事実を知ってしまう。たまきは若い少女を売ってお金を儲けていたのだ…「バビロン」第一話の展望室の話で出てきた警備員のおはなし。なんとここでは復讐代行業者に対立する悪事銀行なる組織の首謀者らしき人物が出てきて義波と対面する!そして常に氷のような瞳の義波にかすかに人間らしい光が見え隠れする場面も。「象の鎖」マンションの中で女王様である長谷田時子のいいなりで構わないと決め込んでいる三島は長谷田から、ホストに強請られているので一緒に復讐してくれと頼まれる。勿論、長谷田のためならと進んで一緒に計画を進めようとする…騙していたと思ったら騙されていた!が常にある!さああなたはどこまで見抜けますか?クールな義波がくせになる!ツブヤキ↓相変わらず無理やり感があるがそれはまあご愛敬といったところか。義波の生い立ちは既に第一弾で、ある程度出てしまっているので一弾ほどの衝撃もないし、どんでん返しの方もパターン化しているので読めてしまうんだが、これ好きなんだよなあ!って思うんだよね。短編集形式だから読みやすいのと、その中で少しずつ繋がっている部分が出てくると嬉しくなったりして、単純にファン化してるからかな。