カテゴリ:レース回顧
ジャパンC(G1・東京芝2400)はスゴいレースだったな・・・
我が本命オウケンブルースリも、最後方から大外をぶんまわし、17頭全馬をぶったぎるかのごとく鬼のような脚でつっこんできてた。 世間からは「強い」との意見もあれば「弱い」との意見もあって、評価がまっぷたつに別れてたから不安もあったんだが・・・。 だがそんな不安など抱く必要はなかったようだ。 菊花賞馬の名に恥じない、震えがくるほどスゴい脚だったぜ、オウケンブルースリ あまりの震えで持ってた競馬新聞を落としてしまったよ、オウケン・・・ もう神戸新聞杯(G2・阪神芝2400)での衝撃そのままだ。 あのどこまでも永遠にグングングングンのびていくような、ものすごい脚 スゴかった・・・。 スゴかったぞ、オウケン。 でも、そんなオウケンの鬼脚をもってしても差せなかったとんでもない怪物が1頭いたようだ そう、恐れていたかすかな現実が、まさに目の前で起こってしまった。 「2400は長いんじゃないの?」とか「衰えたんじゃないの?」とか周囲から不安を抱かれながら、にもかかわらず圧倒的支持層をもって1番人気という不条理な立場に追い込まれ、その置かれる立場はまさしく“逆境”だったはずの、空前絶後の最強牝馬ウオッカ ここでウオッカだったのか・・・。 もちろん勝ってもおかしくないが、勝てなくてもおかしくないと思ってたから・・・ たしかに叩き3走目のココ狙いで状態は“絶好調” 日本ダービー(G1・東京芝2400)圧勝の舞台適性 今年のヴィクトリアマイル&安田記念の圧勝振りから推測される、去年以上にパワーアップしてる可能性 JCを勝てる下地は十分あった。 しかしJCは2度チャレンジして、4着と3着という実績でしかなかったのも事実。 だから“本命”にするか、それとも“軽視”するか・・・その選択を迫られたココでは、当然“軽視”の立場をとったのだ。 それがどうだ? 「過去の2度のJC実績などまるで関係ないぜ」と言わんばかりの、まさに一変して横綱相撲での押し切り しかも天皇賞・秋(G1・東京芝2000)の後方3番手とはうってかわって、“4番手先行”だと? 正直、とんだと思ったぜ、ウオッカよ・・・ 誤りだ。 まるで誤っていたようだ、ウオッカのイメージが・・・。 1000m通過が59秒 高速馬場だったことから、ギャロップの分析ではMペース扱いのようだ。 それでも上位に来てる馬は、みなスタミナ自慢の馬たちばかり そんなスタミナ優先のレースでありながら、4番手先行で押し切りだというんだから・・・。 ウオッカはスタミナもある そうとしか言いようがない。 “新”ウオッカ 僕の中ではそう名づけよう。 そしてそんな新たなイメージを作り出した最大の要因は、もうこの男としか思えない。 かつての有馬記念(G1・中山芝2500)でも、“追込馬”だったハーツクライを突然“先行”させ、しかも誰もが愛するディープインパクトを相手にまさかの勝利をもたらして、その結果、多くのファンを奈落の底に突き落としてしまった、今や世界のクリストフ・ルメール またルメール・・・。 またルメールだ・・・。 これはもうフロックじゃないな。 思えば、去年のエリザベス女王杯(G1・京都芝2200)のリトルアマポーラだって、ルメールだ。 スゲーぜ、ルメール。 それも大舞台に強い てゆーか、「大舞台以外は手抜いてんじゃね?」って疑惑を抱かれてもおかしくないほど、ココ一番に強すぎないか、ルメールよ スミヨンもスゴいが、ルメールはまた違った意味でスゴいな・・・。 もうこの“ダブル・クリストフ”には脱帽だ。 そして陣営よ・・・。 よくぞまあ武豊をおろしてまで、ここでルメールをもってきたもんだ。 日本が誇る、いろんな意味でNO.1ジョッキーである武豊をおろすって・・・。 そんな簡単なことじゃなかったろうに・・・ 角居調教師はこうコメントしてるようだ。 「鞍上交代は自分がきめました。ウオッカはひっかかるというイメージを持っていないジョッキーに乗ってもらいたかったから・・・」 まあコレがホントに角居調教師が率先して決断したかどうかまでは分からない。 てゆーか、おそらくは谷水オーナーが先に進言したんじゃないかと個人的には推測してしまうのだが・・・ でも仮にそうだとしても、間違ってなかった。 オーナーの考えは間違ってなかったよ。 だって天皇賞・秋のレース後のコメントはどうだ? 武豊騎手:「今のウオッカに2000~2400は長い気がする」 角居調教師:「もうこれ以上ウオッカが負ける姿は見たくない」 あのときは誰がどう見ても、完全に“JCへ行きたくないモード”に入ってるじゃないか、2人とも・・・ これまで書かなかったが、僕が当初から推測してたことをあえて書こう。 「ウオッカ引退」と言われてたけど、オーナーはハナからそんな気はなかったんじゃないの? でも陣営には「次がJCか・・・たぶんもう勝てないよな」みたいなあきらめがあって・・・。 で、陣営&武豊が2人して画策したのが「オーナー、ここは確実にマイルCSにいきましょうよ」みたいな代案・・・。 でもオーナーにはJCを勝てるイメージがあって、その代案を提示してくる陣営の弱気と傲慢さに怒りを感じての、まさかの武豊降板・・・。 まあさすがに転厩まではできないから、角居調教師が器用に立ち回る形で妥協しての“ルメール乗り替わり” これはあくまでも個人的なファンタジー小説でしかないのでまったく根拠はないのだが、とにかくいろいろ推測してしまったよ。 ウオッカはレース後に鼻出血が判明したようだ 中スポの記事によると、なんでも肺出血性のものらしい。 この“運動性肺出血”を発症した場合、馬の運動能力は著しく低下し、また強い運動のたびに再発を繰り返す傾向があるとのこと 秋華賞馬のブラックエンブレムがこれが要因で引退したのが記憶に新しいが・・・。 もう引退でいいだろう、ウオッカよ・・・ ここまでがんばったもの。 G1・7勝。 しかも、そこには日本ダービー、安田記念(2回)、天皇賞・秋、そして今回のジャパンCと、牡馬に混じってのG1勝利が5回もある そう考えると、今回の肺出血はそのウオッカの激闘ぶりを表したものともとれるんじゃないの? もういいってことなんだろう、ウオッカ。 多くのファンもみなきっとそう思ってるに違いない。 ちょっと早いかもしれないが、あえて言おう。 2才から5才まで、4年間という長きにわたって激闘を演じてくれた、“鉄人”ウオッカの競馬人生に乾杯 ありがとう、ウオッカ。 安らかに引退してください(まあ、まだ決まってないが・・・) ウオッカというスーパーな馬だけがもつその風格は、このJCでハナ差2センチという互角の戦いをしたオウケンブルースリがきっと引き継いでくれるに違いない。 “魂”は確かに受け取ったぜ、ウオッカ 今度は繁殖牝馬という次の仕事で、再度その名を轟かせてくれることを期待することとしよう。 それにしてもいいレースだった。 ホントにいいレースだったよ、JC 久々に感動してしまった。 いつもならまっ先に馬券の反省をするところだが、そんなものは後回しだ、今回に限っては。 ウオッカもオウケンブルースリもレッドディザイアもコンデュイットも、歴史的名馬たちがみなそれぞれファイトを見せてくれた、真に名勝負だったぞ、ジャパンカップ しばらくこの感動に浸りたい。 そう、できれば永遠に・・・。 フォーエバー、JC。 そして、また来年・・・待ってるぞ、JC お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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