「実は日大と関りがあり、土浦の先生も知っている」
「ほう」
「それで、近所の子供たちに、安心して預けていいですよ、と言っていたのじゃが、もう勧められないなあ」
「アメフトの事件ですね」
「まず、暴力の真相……思い切り当たって来いという意味の、相手をぶち壊せというのを、生徒はそのままの意味で取ってしまった」
「らしいですね」
「そういう謝罪をしているが、謝罪は不十分」
「そうですねえ。どうすればいいんです」
「まず、暴力をふるった該当生徒を退学させること」
「え、謝罪会見を見ましたが、可哀そうですよ」
「胸を打たれたな。わしも、万一教師で、自分の教え子だったら涙が止まらないじゃろう」
「それでも退学ですか」
「当然じゃ。勘違いといっても、指導もしていない暴力をふるったのじゃぞ。うちの近所の学校は、暴力、金銭強要、学校の名誉をおとしめる行為は退学じゃ」
「あ」
「そうじゃろう。二つも該当している。公の場で暴力をふるって、学校の名誉をおとしめている。文句なしに退学じゃろう」
「でも……」
「学校はそんな指示をしていないのじゃから」
「あの子を守りたいと思いますよ」
「わしもそう思う。しかし、それでは他の子に示しが付かない。涙ながらに退学を勧告した……わしも経験がある」
「はあ」
「さて、これを指導して来た教師……部活の監督やコーチも責任がある。言葉がきちんと通じずに暴力事件を起こしたのじゃから、生徒は退学する。監督、コーチはどうする」
「どうします。事件のきっかけが監督、コーチにあったのじゃから、謹慎が普通かな。場合によっては部活指導を辞退」
「すでに監督を辞めていますね」
「そう。あの人の責任はとてつもなく大きい。まず相手に怪我をさせるようなことを言った」
「それは選手の勘違いでしょ」
「だから理解力のない生徒に、分かるように教えるのが教師じゃろう。それが出来ないから、まず教師として怠慢」
「はあ」
「それで、5ターンの間に3つも反則をしたのに、なぜ注意しない。指導を拒否しているのじゃから、もう教師ではない」
「はい」
「だから、そういう人が理事なら、学校は指導能力がないということじゃ」
「うん」
「だから、もう日大は勧めない。我が子が通うのも嫌だし、他の子に勧められない」
「ということでございます」