真夜中の道草
カノの夜泣きで、すっかり目がさえた
眠れないので、カノとみかといちを交互に抱き締めたり撫でたり唇をよせたりし、
なんとなく、スマホをいじって
なつかしい場所に
道が消えてなくてよかった
日々はめまぐるしいが
掛け値なしに幸せだ
あまりに幸せなので
私は死ぬんじゃないかと思うほど
イチが
風呂あがりの私のもとに
とびきりの笑顔で、這って寄ってくるとき
この瞬間を、どうにかして残せやしないかと
この網膜に映るものすべてを、凍結して永久保存したいと切実に思う。
できないことくらいわかってるから
あぁどうかこれを忘れないで、私の脳みそ、
とか。
この記憶だけでずっと幸福でいられる気がするんだよ