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台湾役者日記

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2005年08月02日
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カテゴリ:創作物件
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 両手を床につき腹ばいになっているわたしのすぐ目の下には、ちょうど親指と人差指を広げたくらいの長さと小指の半分くらいの幅をもつ細長い二本の真っ直ぐな貝殻の断面が、完全に平行にではなくて、手前ではやや広く先の方ではやや狭くなる形に、並んで埋め込まれていた。一対の貝殻で個体を構成するマテガイの類だと思われる。そのマテガイの貝殻の二本の断面の特徴的な形が、左斜め前方およそ一歩の距離の先に、長さも幅も二本の位置関係も、一対の置かれた平面上の向きも、何から何まで目の下にあるこの一対と全く同じに、埋め込まれているのが確かめられた。それだけではない。目の下のマテガイと一歩先のマテガイとの間の床には、手前から見て、まずサクラガイ、その先にオキナエビス、さらにその先にタマキビと見える小さな巻貝、その左斜め向こう側には正三角形に近いシルエットを見せるエビスガイ、そして最後に、やや細長い優美な卵型をしたタカラガイの断面が、二対のマテガイを結ぶ直線の上に正確に載っているわけではなくて、右に左に散らばりながらも、概ね葉巻状の範囲の中に納まるように埋め込まれているのだが、視線を遠い方のマテガイのさらに向こうへ転じると、今と全く同じ組み合わせの貝殻が、全く同じ位置関係を保ちながら、さらにもうひとつ向こうのマテガイの一対へ向かって分布しているのだ。


(つづく)



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Last updated  2005年08月22日 03時36分43秒
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