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カテゴリ:考えるヒント
下村湖人著『青年の思索のために』より抜粋─── 「そろばん哲学」 引き算と割り算は、数の勘定に役に立つだけでもうたくさんです。人間と人間との関係に引き算や割り算があってはなりません。人生の営みは、すべて足し算と掛け算で行きたいものです。 自分が大将にならなければ気のすまない人、他人を批評してけちをつけたがる人、そねみ深い人、一言居士、───およそそうした人たちは、自分では人一倍世の中の役に立つという自信をもっている人ですが、実は、白痴やなまけ者以上に世の中の害になるものです。というのは、白痴やなまけ者は、せいぜい人生の引き算をやる程度ですが、こういう人は、大いばりで割り算をやるからです。何といっても、割り算ほど人生にとっておそろしいものはありません。割り算では、その人に一の力しかない場合には、まあ無事ですみますが、それが二になると、もう世の中を真二つに割る力がありますからね。 とある会合に出席する前に目に留まったこの文章、示唆を与えてくれました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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