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カテゴリ:エトセトラ
![]() 南大門の四角い枠のなかに見える西院伽藍の風景と 中門までの石畳を歩くのを夢見て訪れた法隆寺。 ![]() 中門を通り目の前の五重塔を見た時、思わず本物だと 声が出そうになる。金堂は改修工事の真っ最中で内部 を拝観できなかったのがとても残念。それでも上御堂に 移されている釈迦三尊像は観ることができた。 ![]() 今回もっとも期待していた百済観音像は、大宝蔵院の 中央位置に君臨していた。身の丈の大きさもあって重 厚で他を圧倒する迫力と存在感はナンバー1である。 土門拳の写真でみた例の左手をまじまじと観察する。 指先が人には見られぬほど反り返っているのが優美さ を増長しているのかもしれない。彫刻の構造的な問題 であろうが、水瓶と身体を繋ぐ部位が邪魔をしている。 百済観音と並んで愉しみにしていた中宮寺の本尊「如 意輪観世音菩薩半跏像」は、間違いなく国宝の名に 違わぬ最高傑作だと思った。本堂の畳に正座してこの 思惟半跏像を拝んだ時には、写真で見るより何倍も 感動した。やはり背景や臨場感なくしては語れない。 法隆寺に安置された像群の印象は、概して想像してい た以上に素晴らしかった。とりわけ、それを感じたのは 「夢違観音」である。思っていたよりも小さな像の凛とし た顔立ちに惹きつけられた。悪夢から救済してくれる 観音像をゆめゆめ見落としてはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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