さて今日は株式投資本オールタイムベスト126位
グレアム・バフェット流投資のスクリーニングモデル (ルーク・L・ワイリー著、パンローリング、2015年)
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の第2弾です。
今日はまずは、「52週安値戦略の5つのフィルターの公式」を見ておきましょう。ワイリーが本書で主張している内容は極めてシンプルであり、まとめるとこれだけです。
「この5つのフィルターを満たす25銘柄を抽出して戦えばベンチマークのS&P500に勝てる」ということなんですね。
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それではワイリーの他の主張もコンパクトに見ていきましょう。
●投資をうまくやる「秘訣」などない。。。唯一適用できるルールは、「安く買って、高く売る」ことである。これほどシンプルなものはない。
●私たちは投資を複雑化しすぎる。。。投資は、チューイングガムを噛むほど簡単ではないが、複雑にする必要もない。
●魔法の杖などない。
●完璧な銘柄などない。
●この戦略は一貫して市場をアウトパフォームするが、いつもアウトパフォームするわけではない。
●52週安値戦略は方程式から感情をできるだけ排除するように設計されている。感情が入れば、機会とリスクを見誤ることになる。この戦略がうまくいくのは、意思決定をするときに思考プロセスから感情を排除するからだ。
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いやあ、いいですね。「究極の複雑系」と言われる株式市場では、単純にシンプルに戦う事は実際には想像を絶するほどに難しいことなわけですが、ワイリーのこの本はその大きなヒントを与えてくれます。
意思決定疲れは投資において間違った選択を促す大きな要因だ。
52週安値戦略はノイズを取り除き、バリューに重点を置いて考えるように促してくれるものだ。つまり、意思決定疲れに陥らないように設計されているのである。
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ワイリーのこの指摘は重要と思います。「複雑すぎる投資戦略はうまくいかない。」と言うのはよく言われることですし、実体験からもその通りと思うのですが、その理由の1つに私たち投資家の貴重で希少な資源である「脳の認知能力」を過剰に消費し過ぎてしまうことがあると思います。その点、ワイリーの52週安値戦略は、「異常なほどにシンプル」なので大安心ですね。(笑)
バリュー投資とは、過小評価され、人が見向きもしないような会社を見つけ、期限を決めてそれに投資し、期限が来たら売り、このプロセスを繰り返すことを意味する。一夜にして億万長者になることはないかもしれないが、損をすることもない。
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このワイリーの言葉には、バリュー投資家的な発想とバリュー投資手法の魅力が凝縮されています。でもなんだろう、この心が安らいで懐かしい感じ。この数年極端な低パフォーマンスが続き「バリュー投資冬の時代」になってしまったせいで、バリュー投資手法の魅力を発信する文章を見ることが極端に減ってしまっているからかもしれないですね。(汗)
(続く)