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身体・感覚とアート

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2005年03月31日
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カテゴリ:考える
素晴らしい人間関係に素直に感動でき、かつ、ビジネスから人生までのヒントの宝庫がこの本です。

『「経営に終わりはない」藤沢武夫著 文藝春秋文庫』

本田宗一郎氏と会ったエピソードから話は始まります。

『私が本田宗一郎と最初に会ったとき、本田が、
「金のことは任せる。・・・(略)・・けれども、何を創り出すかということについては一切掣肘(せいちゅう)を受けたくない、おれは技術屋なんだから」
といったことが、非常に鮮明に記憶に残っています。
そして、
「これは、箪笥(たんす)だの呉服を売るのとは違って、人間の生命に関することなんだから、その点にいちばん気をつけなければならないと自分は考える」
という。
そこで、私は答えました。
「それじゃあお金のほうは私が引き受けよう。・・・(略)・・機械が欲しいとか何がしたいということについては、いちばん仕事のしやすい方法を私が講じましょう。・・・(略)・・ただし、近視的にものをみないようにしましょう」
「それはそうだ、お互い近視的な見方はしたくないね」
と本田もうなずきました。
・・・・(略)・・・
というわけで、三分か五分で話はきまりました。』

そして、25年という長いパートナーシップがスタートします。

この「車は人間の生命にかかわる仕事」という定義が根本思想となって二人の事業が発展していきます。


本のなかには本田氏と藤沢氏のやりとりがあちこちに挿入されています。


昭和29年に会社が倒産しかけたとき、あえて藤沢氏は本田氏を外遊に送りだします。

倒産の危機に瀕している中で、従業員を鼓舞するため、実力もない段階で世界最高峰のレース、マン島のT・Tレース出場を宣言したあとでした。

外遊で、会社を憂いつつ、本田氏はさまざまに視察を行い、後の技術をささえるお土産をたくさん集めます。

その間、藤沢氏は全力で会社の危機を乗り越えます。

そして、本田氏を羽田空港まで迎えにいきます。

『顔を合わすなり、本田が、
「どうだった?」ときいたので、
「もう大丈夫。この会社は絶対つぶれないから、安心してくれ・・・」
といったら、本田の目からバラバラと涙がこぼれ出ました。』

こちらがもらい泣きしてしまう場面です。

この29年はホンダの大きな転換点でした。

『キャブレターの問題は本田という天才だから直すことができたけれども、一人の人間に頼らなければできないというものであってはいけない、ということを考えたのです。
 本田宗一郎は特別な人間です。だから、彼のような人物を育て上げようとしても無理です。それならば、何人かの人間が集まれば本田宗一郎以上になる、という仕組みをつくりあげなければならないということです。』

そして、藤沢氏はエキスパート制度(個性をとことんのばせる制度)、研究所の独立(研究者が研究に安心して取り組める)、役員室(役員が知恵を出し合う大部屋制度)など、つぎつぎと組織をつくりあげていきます。

その基礎に、本田氏の思想がつらぬかれていることを読み取れるのが、本書の特色です。

藤沢氏と本田氏のやりとりが楽しく、それを追っていくだけでも楽しめますし、
人生、経営、ビジネスと幅広い角度から読むことが可能な本です。

「本田かぶれ」と藤沢氏は本のなかで述べていますが、本全体に本田氏への愛情を感じます。









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最終更新日  2005年03月31日 13時15分06秒
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