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カテゴリ:流言飛語
こういう一見お堅い内容はステレオになりそうなので書くまいと思ったが、どうにも解せないので本日限定ということで書く。 NHKニュースを観ていたら『資本主義はなぜ自壊したのか~「日本」再生への提言』という中谷巌という経済学者の本と著者を紹介していた。 「新自由主義経済学」は悪魔の思想だとして、歴代内閣でその「新自由主義経済学」を提言し、推進させてきたご本人が真っ向から自分のこれまでの実績(?)を否定する本を出版した。不本意ながら入手し、彼の言い分を検証紹介してみよう。 まず本の帯、これはこの本がなにを主張したいのかのキャッチフレーズのようなものだ。 リーマンショック、格差社会、無差別殺人、医療の崩壊、食品偽装。すべての元凶は「市場原理」だった。 「新自由主義経済学」は悪魔の思想だ!! 広がる格差、止めどない環境破壊、迫り来る資源不足、そして金融危機―すべての元凶は、資本主義にあった!「構造改革」の急先鋒と言われていた著者が、いま、悔恨を込めて書く警告の書。 という内容は、これまでも中谷氏や竹中平蔵氏の路線を批判してきた経済学者や週刊誌などがずいぶん前から主張してきた内容だ。 しかし、その元凶の牽引車だった中谷巌がこういってしまったら、あれほど熱狂させた小泉改革はいったいなんだったのということになる。 本の前書きで、 かつては筆者もその「改革」の一翼を担った経歴を持つ。その意味で本書は自戒の念を込めて書かれた「懺悔の書」である。まだ十分な懺悔はできていないかもしれないが、世界の情勢が情勢だけに、黙っていることができなくなった。 そして序章、 後で詳しく述べるつもりだが、細川内閣、そして小渕内閣において、筆者は規制緩和や市場開放などを積極的に主張し、当時の政府与党の政策の枠組みを作る手伝いをした。中でも、小渕内閣で筆者も参加した「経済戦略会議」の諸提言のいくつかが、後の小泉構造改革にそのまま盛り込まれている。そのことは筆者のうぬぼれではなく、小泉政権の中枢にあった竹中平蔵氏もしばしば言及されている事実である。つまり、私は間接的な形ではあっても、いわゆる小泉構造改革の「片棒を担いだ男」の一人であるのだ。 と述べているとおり、まさに90年代から始まった市場原理主義のイデオローグの中心的存在で、それまでの終身雇用制度や資本主義のなかの社会主義的経済とまでいわれていた日本の経済システムをことごとく否定し破壊してきたリーダーが中谷巌氏であった。その当人が、 新自由主義に基づく単純な「構造改革」路線で我々が幸せになれるなどというのは妄想に過ぎないということを痛感させられる。 新自由主義の思想は、私たちが暮らす社会を個人単位に細分化し、その「アトム」化された一人一人の自由を最大限尊重するという思想だから、安心・安全、信頼、平等、連帯などの共同体価値には何の重きもおかない。つまりは人間同士の社会的つながりなど、利益追求という大義の前には解体されてもしょうがないという「危険思想」なのである。 とまで断言するに至っては、ではその結果起きている現在の社会問題に対してどう責任をとろうとしているのか、と問いたい気分になる。 中谷巌氏はかつて市場原理主義を標榜し、小渕内閣時代の首相諮問機関である「経済戦略会議」の議長代理を務めたほか、政府の委員を多く務め、諸々の規制緩和を行なうにおいて学者・有識者として政府にお墨付きを与える役割を果たし、大きな影響力を持った人物である。 1994年に『経済改革のビジョン「平岩レポート」を超えて』を大田弘子氏(当時大阪経済大学助教授・元経済財政政策担当大臣)とともに著し、市場原理主義を徹底的に推進することを謳ったのである。(Wikipedia) これは、小泉改革という熱病のような時期を経て総仕上げがなされ、その結果として押さえどころがないほど噴出している諸問題。大企業をはじめとする雇用不安、これから雪崩のように始まろうとしている中・零細企業の破綻、たぶん経済的自殺者の増大によって、今年の自死者はこれまでの記録をはるかに越えるだろう。 年間3万人以上の自殺者と簡単にいうが、3万人といえば、ひとつの市を構成できる人口、大きな戦争でもなければ出ない死者数だがその記録はまたまた超えるだろう。 問題に、この事態に当の張本人たちがなんの責任もとらずにのうのうと生きている。中谷巌は本の印税が入るが、やはり自分の懐に入れるのだろうか…。小泉、竹中、太田らは、切腹もせずに頬被りをしたまま、これからものうのうと人生をまっとうするのだろうか…。彼らを、熱病のように応援してきた方々は、どんな悲惨が待っていようといままでの浮かれポンチョをつづけるのだろうか。 先の戦争の後もそうだったが、こうした国賊たちがロクな反省もせずに生きながらえさせてしまったから、ダメな歴史を繰り返すのだ。 と、ちょっと憂さ晴らしをしたが、零細業者としては今それどころではないんですよ。ホント。 蝶クリックを! 皆さん、補足していいコメントをくれています。 誰やねんっ20号-1さん 著書も読まずに著者の人格を否定するなど卑劣も甚だしいと確信しつつ。。。。 ワタシはこんなクソの様な本は何があっても絶対読まんっ。 手に取るのも忌々しい。出版人の軽薄さがその帯に炸裂している。 スタートしてしまった小泉改革を否定していたボンクラ連中は未だに赤ん坊の様な改革の芽を踵でぐりぐりと踏み潰し、うつ伏せに倒れた幼児の様な改革の奔りを見ない振りしている。 もはや他人事の様な小泉純一郎、違う事を言い出した竹中平蔵、件の大田弘子、そして中谷巌。 諸行無常を知らず、選挙と季節と世界経済に迎合して適当なことをホザき、幼稚なビジョンで物をいい、情勢が変われば懺悔の書だと。 下らな過ぎて反吐が出る。夜道で俺の前を歩くなよ。 俺を通り魔にさせないでもらいたい。 町へ出てタオルの1本も売って来い。工場へ行ってボルトの1本も切ってみろ。雨を待って種を蒔き、芽が出るのを待ってみろ。 今更金を稼いでメシを食うという根本を実践していないなどと言う気はないが、今から一度やってみろ。地にまみれろ、恐怖と飢えと寂寥を知れ。 それが嫌なら、自己否定の懺悔本を出版すればよい。 きっと1冊も売れないだろう。所詮そんな輩でしかない。 二度と目の前に姿を見せるな。 (2009.01.30 21:03:51) Rinnさん それで結局この人は、この本の中で何を言いたいのでしょう? 自分の主張がまちがっていた反省なら、お詫び行脚でもすればいい。そのおかげでひどい目にあっている人たちの罵声を直接浴びればいい。 肝心なのは、だからその失敗をふまえて手当ての仕方でも提言するくらいしかないだろう。 ただの懺悔の本など誰が読むのだろう。出版社も計算高い。立派に自由主義経済の恩恵うけてるじゃない。 (2009.01.30 22:38:42) エムツーさん 混乱しています。。。 小泉さんには、みんなあんな熱狂的に応援してたし 竹中さんの本も読みましたが、「自分たちがどれだけ 日本のために頑張ったか・・」的な本でしたが 最近出てくる論調は、小泉さんなんかがアメリカの 言いなりで日本をダメにしたとか・・ばかり。 はっきり言って、政治がわからない私は、翻弄されて ます。(≧▽≦) ひよこ7444さん 痛みだけを残してしまった小泉改革。 『後期高齢者』の保険も、小泉改革のひとつらしいですね。 うちも零細企業で、ホントに先の見えない景気の落ち込みに皆がびびっています。 ローンを抱えている従業員、子供が生まれたばかりの従業員も、不安がってます。 憂さも晴らしたくなりますよ! (2009.01.31 20:51:44) まんまんぶりぶりさん いつも岬さんに興味を持つ皆さんのコメントを拝見しますと、さすがに頭脳にくもりが無いというか、自然体というか、詩的に見ているところが心地良いです。 確かに、こういう輩(インテリゲンヂャと呼ばれているメディア良く登場する)は、知識はあるが、深い知恵のある人が少ないですね。上っ面だけで世の中を渡っている・・ しかし、こういう人も淘汰されますよ、されかかってるので、こういう本を出すんでしょう。浅墓な知識では論じられない世の中になっていることすら自覚が無いのですから。 私も読んでいませんが、なんとなくこの手の種族の魂胆は判ります。 というか、遅ればせながら、そういう事が判る常識眼が芽生え始めた年頃です(爆) (2009.02.01 13:57:04) 蝶クリックを! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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