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カテゴリ:流言飛語
政治家になると「普通」ということばが好きになるらしい。 「普通の人に分かる言葉で政治を語る」という小泉元首相もそうだった。 「普通の人」にわかる言葉というが、国を導こうとした政治の内容は普通の人にはとてもわかりにくいものだった。なぜ、わざわざ弱肉強食の競争社会を徹底しなければいけなかったのか、郵貯などを国際的ハイエナたちの前に晒したのか、憲法を変形させてまで自衛隊をイラクに派遣したのか…等々、「普通」以下な頭の僕にはいっこうにわからなかった。 彼らが、アメリカの手下というならわかる。 そして、それを国民の少なからぬ人々が熱狂して受け入れたこともわからなかった。もしかしたら僕が「普通」ではなかったのか…。 それらの総括をせぬうちに、なにやら「普通の人」になり、また、ごく普通の政治家のように息子を自分の選挙区から立候補させる。 このへんは「普通」の人が分かるような「普通」な(エグイ)生き方を自らに課していたのかもしれぬ。息子をもし普通の人にしたかったら、選挙で落ちればよい。 わが国には「猿は木から落ちても猿だが、国会議員は選挙に落ちればただの人」という奇妙な言葉がある。「ただの人」はほぼ「普通の人」とイコールだろう。 この言葉を正しく読めば、「国会議員か、普通の人か」だから、普通の人であり、しかも国会議員である、ということはあり得ない、ことになる。 なるほど議員の面々を見渡してみると、とても普通の人々ではない。各々にぷんぷんたる個性が匂っている。 彼らの多くは必須の関門である選挙運動で、一度完全なバカになり切らないと議員になれないから、こうなるのではないか。 異常にハードなスケジュールをこなし、とてもできそうもないことをいくつも公約し、泣き落とし、連呼、握手、土下座、そして酌をして回る。 普通の人の感覚では絶対ムリだ。普通じゃない心臓をもつ人のみが、この試験をくぐり抜け、晴れて議員になるのだから、国会議員が普通の人であり得るはずはない、といったら差別か。 だからたまにまともな政治家が「普通の人に分かる言葉」で話したり、質問したりしても議員たちは普通じゃないから、何を言っているのか皆目分からず「何言ってんだー」「分からんぞ」のヤジが国会内でこだますることになる。 このところ「普通」ばやりなのか、選挙に出ようというのがすでに普通でないにもかかわらず、「普通」、「生活者」、「清潔」、「改革」を売り物にする候補者が多くなったが、ただそんなあたりまえのことだけで政治家になっちゃおうというのはおかしい。 ちゃんと勉強して、政治のプロとして通用する人でないと困るのだ。でないとただの便利な「頭数」(牛や豚のとうすうではない、あたまかず)になるだけだ。 普通の人の感覚が分からなくては政治家の資格はないが、本人が普通人である必要はない。 特に一国の宰相が普通の人では困る。マンガが好きなことがいかにも庶民的だなんて言っては困るのだ。ほんらい、人並はずれた判断力と指導力を持っていなくては首相などつとめてもらっては困る。 それをめざす政治家もそうだ。普通の人っぽさを売り物に夏祭りの会場をめぐり、「あんたとオレの仲」というふうを装い、握手とお酌、平身低頭の泣き落とし、甘い公約…、そんな「普通」の選挙運動をして政治家になってどうする。 未来を示せ、公約にもきちんとした数字を示せ、5年後10年後、20年後、50年後に日本が路頭に迷わないビジョンを語ってみろ。大臣など政治的ポスト欲しさの妥協をするな。それをきちんとできる能力の人に日本の将来を託したいのだ。 「普通」の、地域エゴ、利権エゴを誘導するシガラミたよりのオッサンおばさんなんか、もういらないのだ。 励ましのクリックを お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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痛快!拍手パチパチ
>普通の人の感覚が分からなくては政治家の資格はないが、本人が普通人である必要はない これですよ、これ。二世三世のボンボンで、能力に関係なく親の仕事を継いだだけの人に何ができる。 今回「責任力」か「政権交代」かといわれてますが、討論聞いててアホらしくなったんです。 自民党って50年以上政権担ってきたんでしょ。その結果の現在に責任とる時間いっぱいあったじゃない。それが目先の政権だけに拘ってるのがおかしくて。今まで何してきたの? 50年も政権が変わらないって異常じゃないかしら。だから党内は二世だらけで、なんのために存在してるのかわからなくなって、目的と手段が逆転してる。 それは民主だって、過去の遺物を引きずってるから一端政権とっても、同じかもしれない。 きっと、その後にもう一度政界再編が起こると思います。 「普通」を強調してる人は、自ら無能だとアピールしてるのかもしれませんね。 うちの選挙区は激戦区。まずよく耳かっぽじってどうしたいのか、聞いてみましょう。 (2009.08.19 00:17:50)
「彼らの多くは必須の関門である選挙運動で、一度完全なバカになり切らないと議員になれないから、こうなるのではないか。
異常にハードなスケジュールをこなし、とてもできそうもないことをいくつも公約し、泣き落とし、連呼、握手、土下座、そして酌をして回る。 普通の人の感覚では絶対ムリだ。普通じゃない心臓をもつ人のみが、この試験をくぐり抜け、晴れて議員になるのだから、国会議員が普通の人であり得るはずはない、といったら差別か。」 いえいえ、絶対差別ではありません。 読んでいて、それまでのしかめ面が笑顔になりました、ありがとうです。 あの人たちが「普通」だと言われたら、私達は立つ瀬がなくなります。 「普通でない人」たちの行う政治はやはり「普通ではない」ということになり、かなり恐ろしくなりますね。 どしたらいんだろう。 やっぱり「真に普通の人」を探し出し……… あっ、「優れた普通人」であるmskさん、どうです?決心してみては! (2009.08.19 14:39:01)
Rinnさん
>痛快!拍手パチパチ >>普通の人の感覚が分からなくては政治家の資格はないが、本人が普通人である必要はない >これですよ、これ。二世三世のボンボンで、能力に関係なく親の仕事を継いだだけの人に何ができる。 どちらかというと二世に責任があるというより、それを許している体制や、有権者こそ問われなければなりません。 >今回「責任力」か「政権交代」かといわれてますが、討論聞いててアホらしくなったんです。 >自民党って50年以上政権担ってきたんでしょ。その結果の現在に責任とる時間いっぱいあったじゃない。それが目先の政権だけに拘ってるのがおかしくて。今まで何してきたの? >50年も政権が変わらないって異常じゃないかしら。だから党内は二世だらけで、なんのために存在してるのかわからなくなって、目的と手段が逆転してる。 はい、そのとおりです。 >それは民主だって、過去の遺物を引きずってるから一端政権とっても、同じかもしれない。 >きっと、その後にもう一度政界再編が起こると思います。 >「普通」を強調してる人は、自ら無能だとアピールしてるのかもしれませんね。 >うちの選挙区は激戦区。まずよく耳かっぽじってどうしたいのか、聞いてみましょう。 ----- そうしましょう。 (2009.08.20 22:50:13)
エムツーさん
>全く同感です。 > >あとそれと、「普通の主婦です」みたいなのも・・ >田中真紀子さんに言われてもねぇ・・ ねえ、ほんと。 >市川房江さんが、好きでした。(*^_^*) ----- あのバアサンは、どこまでも存在感がありましたね。 僕もけっこうスキでした。 (2009.08.20 22:51:33)
takanebiranjiさん
>「彼らの多くは必須の関門である選挙運動で、一度完全なバカになり切らないと議員になれないから、こうなるのではないか。 >異常にハードなスケジュールをこなし、とてもできそうもないことをいくつも公約し、泣き落とし、連呼、握手、土下座、そして酌をして回る。 >普通の人の感覚では絶対ムリだ。普通じゃない心臓をもつ人のみが、この試験をくぐり抜け、晴れて議員になるのだから、国会議員が普通の人であり得るはずはない、といったら差別か。」 > >いえいえ、絶対差別ではありません。 >読んでいて、それまでのしかめ面が笑顔になりました、ありがとうです。 >あの人たちが「普通」だと言われたら、私達は立つ瀬がなくなります。 > >「普通でない人」たちの行う政治はやはり「普通ではない」ということになり、かなり恐ろしくなりますね。 >どしたらいんだろう。 つまり、政治家の能力は、そんなくだらんことではなく、頭の中味であったり、私利私欲を(極力)もたずに国民の未来をデザインする人や党だとおもうのです。 >やっぱり「真に普通の人」を探し出し……… >あっ、「優れた普通人」であるmskさん、どうです?決心してみては! ----- 僕は、普通以下です。 そして、こういうところで拗ねているだけで行動力も能力もありません。 (2009.08.20 22:55:45) |