カテゴリ:ある女の話:サキ
今日の日記
(「SMAP×SMAP本当にあった恋の話」と読書「重力ピエロ」感想☆ ) サキ16(男女に友情はあるか) 飲み会で手を握られてから、 赤木くんとバイトで会うことはほとんど無かった。 私が帰省してたのもあるけど、 私がバイトに出る頃には、 赤木くんは夏休み明けの試験のために8月終わりからずっと休み。 赤木くんが来ていた時は、 1階にいる赤木くんの姿をみかける度に、ちょっと気になってしょうがなかった。 どうして手なんか握ったの? そう聞きたいけど… 時間が経つにつれて無かったことになっていく気がした。 私の学校は夏休み前に試験だったから私は9月半ばまで夏休み。 でも、仲良しのミサコちゃんも試験でいなくて、 バイト先は何だかつまんなかった。 昼休み、 みんなが行きつけにしてる安いランチを出すカフェレストランに一人で行くと、 一階のフクさんたちがいた。 ちょっとホッとして席に向かうと、 ナゼかその席の中に赤木くんがいた。 え?!何で? 朝は、いなかったと思ったのに。 私は朝に一階にいたメンツを思い返す。 「あれ?サキちゃん一人?」 「うん。二階はみんな今日まで試験なんだって。午後から誰か来るみたいだけど…」 私は赤木くんの方を見ないで答える。 私の分の日替わりランチが出てきてすぐに、食べ終わったみんなが席を立ち始めた。 「あ、サキちゃんコイツ今日バイトじゃないから、ゆっくり食ってて大丈夫だよ!」 「んじゃ、またね~!」 赤木くんはアイスコーヒーに入っている氷をストローでまわした。 私は、何となく急いでご飯を食べないといけないような気持ちになった。 何か話そうかな… でも何を? 口を開いたら、この前はどうしてあんなことしたの? って、聞きそうな気がした。 でもそのことを蒸し返すのが何だか怖い。 私は、とにかくご飯を食べることにした。 「今日は何時まで?」 食べ終わるのを見計らってたのか、 私が食後のアイスティーを飲み始めると、 赤木くんがポツリと言った。 「早番だから5時まで」 「彼氏とは平日も会う?」 ドキンとする。 「え?あ、うん。 仕事が早かったらね。何で?」 いきなりの質問に、ばか正直に答えてしまった。 いいや、隠すことでも無いし。 でも、何でか、あまりカズユキとのこと話したく無いと思う自分がいた。 赤木くんは映画のチケットを2枚出した。 「今日までなんだけど、彼氏と行くならやるよ。 レイトショーなら間に合うんじゃね?」 「え? 赤木くんは、行かないの?」 「誰も行かれなかったし、一人で行くのめんどくなった。 寝に行くようなもんだし。」 「ふーん。」 てっきり、いっしょに行かない?って誘われるんだと思ってた。 拍子抜け。 いやいや、待て。 私にはカズユキがいるんだって。 映画のチケットを見ると、私の好きな俳優が出てる最新モノだった。 友達が結構良かったって言ってたやつ。 え?映画?サキは休みだからイイけど、俺、明日も仕事だしさ~。 学生はイイよな、ホント。 カズユキが断る言葉がスンナリ頭に浮かんだ。 「コレ、行きたいけど、多分彼は行かないと思う。 翌日も仕事あると、映画はね。」 「そっか。」 赤木くんはアイスコーヒーを飲み干した。 私は時計を見た。 そろそろ戻らないといけない。 一瞬、じゃあ私と行く?って聞きそうになった。 でも、それって言っていいのかわからない。 彼氏いるくせに…って思われそう。 「んじゃ、俺と行く?」 赤木くんがサラリと言った。 心臓がドキンと音を立てた。 「バイト仲間と映画に行くのはマズイ? 男と女に友情は無い?」 手、握ってきたくせに? 私はイジワルな気持ちになって思う。 この男、一体何を考えているんだろう? どういう意味で誘ってる? どうして彼氏と行けばとか言う? 仲間… 男と女に友情… 「ん~」 私はうなった。 それが今私を悩ませていることなんだけど…。 「ギリギリかな。」 友だちとして見るか、男として見るかのギリギリライン。 私は机に置かれたチケットを一枚取った。 自分が大丈夫だと思ってれば大丈夫だよね? 「どこで待ってる?」 私が聞くと、赤木くんは、ちょっと嬉しそうな顔をしていた。 魚でも釣ったみたいな。 「終わる頃、駅ビルの本屋にでもいる。 これ電話。」 赤木くんは置いてあったチケットに携帯らしき番号を書いて私に渡してきた。 両方持っててってことらしい。 私はそのチケットを受け取った。 「じゃ、あとでね。」 店を出て、チケットを眺める。 ちょっとドキドキした。 浮気なのか?男と女に友情はあるのか? それを私は今日見定めるのだ。 私は心の中で言い訳をした。 (続く) 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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