【株に関する雑学】
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●株式会社とは?
株式会社とは、株式を発行して資本を集め営利を追及する法人です。資本金1000万円以上(法案成立後は300万)、取締役が3名以上必要です。取締役は株主総会で選任され、その取締役が代表取締役を選任します。そのため、場合によっては、代表取締役よりも大口株主の方が実権を握る事になります。実情は、大口株主=取締役の身内であるケースが多く、これを同族会社と呼びます。
株式会社が、さらに多くの資本を必要とする時に、株式を上場(株式市場に公開)し、広く一般投資家から資本を集めます。この際に、特定の大口株主が誕生する事で、その会社を実効支配する事が可能です。そのため、株式上場にはリスクを伴うと言えます。
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●ストックオプションって何?
ストックオプションとは、株式会社の役員や社員が、定められた価格で株を購入できる制度です。このストックオプションで手に入れた株を市場で売却できるため会社の株価つまり業績に左右されるため、役員や社員の仕事に対する意欲が上がる事が期待されます。1997年と2002年の商法で本格的に日本に導入され、主にベンチャー企業が採用しています。IT長者と呼ばれる人の中には、資産の大部分がこのストックオプションによる資産の場合があります。
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●手仕舞い
株用語の手仕舞いとは、株を売って現金化する事です。例えば、「海外投資家の手仕舞い売りで引けにかけて株価が値下がりした」という文章は、「海外投資家が株を現金化するために売ったため、株の終値が値下がりした」という意味になります。
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●約定
株用語の約定(やくじょう)とは、株の売りと買いが一致して株取引が成立した事を意味します。
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●引け
株用語の「引け」とは、売買終了時にある株の値段が最後に付く事を言います。通常は午前11時と午後3時です。午後3時は「大引け」と呼ばれます。
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●寄付き
株用語の「寄付き」とは、ある一日に最初に、株に値段がつく事を言います。売り買いに極端に偏ったり、売買がないと少し時間が遅れますが、通常は午前9時に値段がつきます。
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●ローソク足
日本独自の株の表示方式です。始値、終値、高値、安値をローソクのような図で表します。
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●ナンピン買い
「ナンピン買い」とは、株価が下がってしまった時に、さらに株を買い増す事をナンピン買いと言います。平均買いコストを下げる事ができますが、株価がさらに下がれば、当然損失はさらに増えます。素人はナンピン買いを絶対するな!と勧める株の本も多いですね。
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●日経平均株価
日経平均株価とは、日本経済新聞社が計算し算出している株式市場全体の動きを表す指数です。バブル絶頂期には、38,915円という最高値になった事もあります。本日の日経平均株価は11,879円です。他に東証が算出するトピックスという指数もありますが、一般的には日経平均株価の方が有名です。
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●最初の株式会社
実は、その歴史は古く16世紀までさかのぼります。当時、世界中で貿易がさかんに行われ、その利益は莫大なものとなっていました。しかし、そもそも船舶を造るという事は非常にコストがかかります。また、貿易は海難事故や海賊の被害などリスクを伴います。そこで、1602年、オランダの東インド会社が世界で初めて「株」を発行しました。株を買った人は貿易から利益を得る事ができ、仮に貿易が失敗しても、リスクはその株の分だけですみます。現在までひきつがれるシステムを考えた人は偉人と呼ぶにふさわしいですね。
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●巨大資本の有限会社
有限会社とは、取締役が1人でよく、持ち株が安定し、経営権の保全に非常に有利です。他にも、設立2年間は消費税を納める必要がないなどいろいろなメリットがあります。しかし株券を発行する事ができないため、資本を集める事が難しいです。この「有限」という言葉は、会社の債務に対して、出資者自身の責任は出資額の範囲内に限られる、という事です。
有限会社と聞くと小さい会社をイメージしますが、中には、巨大資本を持つ会社もあります。世界企業の日本法人、エクソンモービル有限会社です。1961年設立、資本金500億です。ちなみにライブドアの資本金は200億です。
有限会社の場合、取締役は1人でもよく、さらに無期限の任期というワンマン経営が可能です。また取締役会を開く必要も貸借対照表や損益計算書の公告をする必要もありません。ということは、本社から日本法人を経営する際に、日本人を介在せずに経営する事も可能といえます。
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●塩漬け株
塩漬け株とは、株価が予想よりも値下がりしていまい売りたくても売れない状態のままの株の事を言います。塩漬け株になる前に売れるように心がけたいものです。
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●損切り
株用語です。値下がりしている株を売って、その損失を確定させる事を損切りと呼びます。どのラインで損切りを決めるかは勇気のいる事ですが、決断を迷っているとそのまま塩漬け株になってしまい首が回らなくなってしまいます。
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●リスク管理
株の売買では儲ける事もできますが、同時に損する事もあります。リスク管理とは、損失が必ずあるという事を常に意識し、その損失を一定の範囲で管理(コントロール)する事を言います。
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●株式市場
株式市場とは、その名のとおり、株が売買される市場です。東証、大証、福証、名証、札証、ジャスダックなどがあります。規模は東証が最大となります。
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●出来高
株用語の出来高とは、株の売買が成立した数、売買高の事を表します。出来高が高いという事は取引がさかんに行われている事を意味します。
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●ザラ場
売買開始時(寄付き)と売買終了時(引け)を除く、株の売買が連続して行われる時間をザラ場と言います。
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●移動平均線
株用語の移動平均線とは、株価の平均値をとる事でなだらかな線で株の動きを表示する線です。そのため、トレンドの動きをつかみやすくなります。
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●株価チャート
株価チャートとは、株の動きをグラフで表したものです。通常は、株価、売買高、移動平均線を組み合わせたものを用います。
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●押し目
株の相場が上げ基調の時に、一時的に相場が下がる事を押し目といいます。この押し目が一時的なものでさらに上がると信じて株を買う事を「押し目買い」と言います。
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●高値圏
株用語の高値圏とは、株価の上昇が頭打ちになりこれ以上は株価が上がりそうにない状態を言います。
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●買い気配
一番高値の買い注文が入っている値段のことを「買い気配」と言います。買い気配は、買い注文の中において、最優先で取引されます。
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●売り気配
株用語の売り気配とは、一番低い売り注文が入っている値段の事を言います。
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●成行
株用語の成行(なりゆき)とは、値段を設定しない売り買い注文の事です。値段を決めずに注文するため、優先的に処理されます。急ぎで売り買いしたい時などに使われます。
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●ナスダック
ナスダックとは、National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの略で米国の代表的な株式市場のことです。全米証券業協会が運営している株取引のシステムです。インテルやマイクロソフトなどの代表的なIT企業が上場しているため、ナスダック指数(ナスダックの株価指数)の変動は、世界中の株式市場に大きい影響力を持ちます。
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●NYダウ
NYダウとは、1896年にダウ・ジョーンズ社が開発した平均株価の事です。当時は12銘柄による平均株価でしたが、現在は、30銘柄から計算した平均株価となっています。そのため、NYダウは米国を代表する株価指数の一つでもあります。選出された30銘柄は世界的な優良企業でもあるため、NYダウは世界中の株式市場に影響力を持っています。
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●PER
代表的な株式指標のひとつにPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)があります。PER=株価/一株あたりの利益です。一株あたりの会社の利益を基準にすることで、株価が割安か割高かを判断する指標です。この倍率が低い場合、会社の収益に比べて、株価が割安であると判断する事ができます。
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●証券会社とは?
証券取引所で株を購入する事はできません。そのため、一般投資家は、証券会社を通して株を購入する事になります。
証券会社の主な役割の一つは、一般投資家の注文を証券取引所に取次ぐ「委託売買業務」です。その過程の手数料が証券会社の収入源になります。その他の業務としては、企業が発行する株を引き受けて、一般投資家に販売したり、株式公開を考えている企業のサポートなどの業務があります。また、証券会社自ら市場で株を売買し利益を上げる「自己売買」を行っています。
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●証券取引所の営業時間
株の売買は、原則として証券取引所が開いている時間(立会時間)で売買されます。
立会時間(証券取引所が営業している時間)は午前と午後があり、午前を前場(ぜんば)、午後を後場(ごば)と呼びます。また立会時間は、各証券取引所によって多少異なります。
主な取引所の立会時間(7/10現在)
東京証券取引所
前場: 9:00-11:00
後場:12:30-15:00
JASDAQ市場
前場: 9:00-11:00
後場:12:30-15:00
マザーズ
前場: 9:00-11:00
後場:12:30-15:00
ヘラクレス
前場: 9:00-11:00
後場:12:30-15:10
前場の最初を「寄り付き」、終わりを「前引け」。後場の寄り付きを「後場寄り付き」、後場の最後を「大引け」と呼びます。
株式の売買は立会時間中にしかできませんが、注文自体は立会時間外でも行う事ができます。
また、証券取引所は土日祝が休みです。夏休みはありませんが、年末年始は休みです。年末最後の営業を「大網会」、年始の営業を「大発会」と呼び、前場のみの取引になります。
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●証券会社に口座を開設するには?
実際に株式投資を始めるには、証券会社に口座を開設する必要があります。大手証券会社では、年間:1,575円(税込)の口座管理料が必要な場合があります。そこで、初めは口座管理料が無料の証券会社に口座を開設する方が良いでしょう。
また、株の売買では証券会社に支払う手数料があるため、その手数料の安いネット証券に口座を開設する方が良いでしょう。証券会社比較を参照の上、手数料やサービスを比較検討し証券会社を選択します。
各証券会社には、1人1口座しか開設する事はできませんが、口座自体は、複数の証券会社に開設する事は可能です。各証券会社はそれぞれ独自のサービス、または独自の株式情報を発信しています。そのため、メインの売買用の証券会社以外の複数の証券会社に口座を開設する事でより多角的な情報を得る事ができます。
証券会社を選択した後は、実際に開設のための資料を請求します。その際、身分証の提示を求められます。免許証のコピーや住民票の原本などを同封の上、証券会社へ返送し、証券会社が審査した後、開設の連絡が届きます。書類に不備があると開設できないため注意が必要です。
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●株価はなぜ変動するのか?
株価は一定ではなく、常に変動し、上がったり下がったりします。なぜでしょうか?簡単に言えば、株を買う人が多ければ株価が上がり、逆に売る人が多ければ株価は下がります。
ある企業の新製品に関するニュースや業績好調のニュースがあると、その企業の将来性を期待して、多くの人が株を購入するため株価が上昇します。逆に、業績不調や不祥事のニュースが流れると、株を買っていた人が売るため株価が下落します。もちろん絶対というわけではありませんが、ニュースと株価は連動している事が多いです。
また、中長期投資では、その企業の将来性に期待して株を購入する人が増え、少しずつ株価を上げていく場合もあります。よって、その企業独自の特許や技術、商品があるというのは、株を購入する要因の一つになる場合があります。
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●株主優待
株主優待とは、ある企業の株を一定の株数以上保有している株主に対して、決まった月にその企業独自の商品を株主に送付する事です。
株主優待には、商品券、食料品、映画鑑賞券など多種多様な物があります。また、株主優待によっては、金権ショップで換金したり、オークションで販売する事で意外な高値をつけたりする事もあります。
株主優待を得るには、その企業の株を購入する必要があり、さらに優待を受ける権利が確定する「割当基準日」まで株を保有している必要があります。保有が必要な日数は通常「4営業日」です。つまり、株主優待を獲得するには、割当基準日の4営業日前までに株を買う必要があります。権利が確定した後であれば、次の日に株を売っても株主優待を得る事は可能です。
魅力的な株主優待のある企業の株価は権利確定日まで上昇する傾向が強いため、あらかじめ人気のある株主優待を調べて、数ヶ月前から購入しておけば、大きい利益を得る事もあります。同様の理由で権利確定日の後は、株を手放す投資家も多いため、株価が下落する事も考えられますが、多少の下落であれば株主優待で得る利益でその損益をカバーする事もできます。
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●配当金
配当金とは、企業があげた利益の一部を株主に分配するというものです。通常、年1-2回行われますが、企業の業績が悪いと、配当金が減額されたり、見送られる場合もあります。また、配当を実施していない企業もあります。
配当金を得るには、権利確定日の5営業日前までに、配当を実施している企業の株を購入する必要があります。しかし、権利確定日の翌日は、配当金分の株価が下がる可能性があります。これを「権利落ち」と言います。もちろん、その日の地合いによっては株価が上がる場合もあります。
また、配当を実施していないからといって、その企業の業績が悪いというわけではありません。配当を実施しない分、その金額を設備投資などにまわし、さらに業績を上げて、株価という形で投資家に利益を分配する事もできるのです。
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●ミニ株
ミニ株とは正式には「株式ミニ投資」と言い、通常の単元株の10分の1で株を購入する事ができます。つまり、まとまった資金がなくても株を購入する事ができます。
しかし、デメリットもあります。
・手数料が割高。
・指値注文ができない。
・株主総会に出席できない。
・証券会社によっては取り扱いできない。
・買える銘柄が限られている。
・当日注文ができない。
わざわざミニ株を購入しなくても、少ない資金で購入できる株はたくさんあるので無理に購入する必要はないと思います。
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●デイトレードとは?
デイトレードとは、買ったある銘柄をその日のうちに売却して利益または損失を確定する取引です。また、翌日の株価の上昇が見込める銘柄は、次の日の寄付きまで株を保有する場合もあります。
デイトレードは、一日で売買するため、ローリスクで損益を確定する事ができます。しかし、不測の事態に備えるため、時間を割いて相場を監視する必要があります。また、中期投資に比べて小さい利益を積み重ねるため、買うタイミング、売るタイミングがシビアになります。よって、時には精神的に圧迫される可能性もあります。しかし、逆指値で銘柄を注文する事によって、この精神的負担から解放され、同時に仕事をしながら株式を売買する事も可能になります。
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●出来高とは?
出来高とは、ある株の売買が成立して売り手から買い手にわたった株数の合計数を言います。出来高は、株の銘柄ごと発表されます。
つまり、出来高はその株が持つ相場エネルギーと言えます。一般的に、安値圏で出来高が急増すると株価が上昇し、高値圏で出来高が急増すると株価が下落します。つまり、出来高を常に意識する事で株式を「買う」、または「売る」サインに利用する事ができます。
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●ストップ高ストップ安とは?
短時間で株価が急激に上昇したり、下降したりすると、様々な悪影響があるため、通常は「制限値幅」と言い、ある一定の株価以上に上昇、または下落した場合、それ以上注文する事ができないようになっています。この上限まで株価が上がった状態を「ストップ高」、下限まで下がった状態を「ストップ安」と言います。
通常、株式市場の売買は「売り手」と「買い手」がいて売買が成立します。しかし、市場の投資家のほとんどが同じ考え(買いまたは売り)になる場合があります。例えば、ある企業の新製品開発、または業績の上方修正などの好材料が発表された場合、「買い」注文のみが殺到し株価が急激に上昇し、上限の株価である「ストップ高」になる事があります。「ストップ高」になると、注文が「買い」注文に偏っているため、原則取引が成立しなくなります。
つまり、「ストップ高」の初動で株を買えば、大きい利益が期待できるのです。
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●ローソク足とは?
株価の動きをグラフ化したものをチャートと呼びます。チャートには、白い棒のような物と黒い棒のような物があります。これをローソク足と呼びます。
白い棒を陽線、黒い棒を陰線と呼びます。このローソク足は、株価の始値、終値、高値、安値を表しています。例えば、一日の株価の終値が始値より高い状態で終わった場合「陽線」になり、逆に終値が始値より低い状態で終わると「陰線」になります。さらに、始値と終値がほぼ同じ値で終わった場合は、十字架のようなローソク足となり、これを「十字線」と呼びます。
ローソク足の一日の動きをまとめたチャートを「日足」、一週間の動きをまとめたチャートを「週足」と呼びます。チャートを参照する事で、ある程度株価の傾向を読む事ができるようになります。
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●仕手株とは?
仕手株とは、仕手筋と呼ばれる投資家のグループが大量の資金をバックに、強引に株価を吊り上げる事で、個人投資家の買いを集め、さらに高値になったところで株を売って大きい利益を得る銘柄の事を言います。
仕手株は、特にいい材料がないのに、急に株価が高騰するため、うまくその波に乗れば個人投資家も大きい利益を得る事ができます。
しかし、仕手筋が株を売った瞬間に株価が暴落するため、ほどほどの利益で売り抜けた方が良いでしょう。どのタイミングで売ればいいのかは経験も必要なので、最初のうちは見ているだけにした方が良いかもしれません。
仕手株として有名な銘柄は多数あるため、常にチェックしていると、暴騰の初動をとらえる事ができます。株を購入した後は、ほどほどに上がった所でうまく売り抜けて、利益を確定しましょう。
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●順張り
順張りとは、株価の上昇トレンドを確認した上で、株を購入する手法です。デイトレでは一般的な手法ですが、急騰する銘柄は、急落する事も多く、上昇トレンドの最高値で株を購入して含み損を抱えてしまう事も多いため注意が必要です。 |
●逆張り
逆張りとは、株が売られて株価が下落している所で株を買い、株価が上昇すると売る手法の事を言います。株を安値で購入できる事、また、大きい利益を得る事ができる手法ですが、さらなる下落も予想できるため、注意が必要です。また、株価が上昇するまで非常に長い時間がかかる事もよくあるため、資金を効率よく回転するデイトレよりも中短期向けの投資手法と言えます。
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●株式市場の一部と二部の違い
会社規模の違いで一部上場と二部上場にわかれます。例えば、一部上場だと上場株式の総数が10万単位以上で、かつ発行株数に株価をかけた時価発行総額が500億円以上あることなどが条件になっています。二部上場だと、時価総額が10-20億以上となり、条件が緩くなります。
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