テーマ:中国共産党終わりの始まり(8)
カテゴリ:中国、台湾
GDP世界2位の経済大国となった中国は、「一帯一路」政策で海外にインフラ建設に伴う多額の貸付けを行った。 返済不能なほど多額の貸付けは、中国による「債務の罠」として世界に知られるようになった。 港湾、空港、水道設備などで高金利で多額の貸付けを行い、返済不能となるとそれらの社会インフラを担保として取上げるのだ。 全米経済研究所(NBER)の報告書によると、中国が1949年から2017年にかけて152カ国に対して実行した5000件の融資および助成の半分は、IMFにも世界銀行にも報告されていないので、経済的に弱い発展途上国の債務総額が把握できない。中国は借金を返済できない国に融資している可能性が高い。 返済不能(デフォルト)となった後の債務再編に関して中国の金融機関は経験不足で、債務返済の協議に時間がかかるとのこと。発展途上国の加重債務、多重債務問題で、中国の金融機関は国際交渉のテーブルにつかなければならなくなるかもしれない。 -債務危機で揺らぐ国際社会における地位 三浦有史 2021年02月15日 日本総研 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う開発途上国の債務危機が発生したことを受け、中国は世界銀行を通じて低所得国に対する融資実績を開示した。2019年の融資残高は1,085億ドルと、世界銀行の1,157億ドルと肩を並べる水準にある。 中国は、意図して開発途上国を「債務の罠」に陥れようとしているわけではないものの、重点国に対し過剰な融資を行う傾向がある。債務残高に占める中国の割合が高い「中国依存国」のなかには、債務不履行に陥るリスクが「高い」ないし「窮迫」と評価される国が多い。 中国政府は開発途上国に対する支援を「南南協力」と位置付ける。「南南協力」は互恵の原則に基づいて実施されており、融資は前提条件を設けず、高金利でなされる。中国の開発途上国向け融資の残高は2017年で3,930億ドルに達し、中所得国および非アフリカ地域にも積極的にアプローチしている。「開発途上国の盟主」としての中国の地位はOOF(ODA以外のその他政府資金)によって支えられている。 世界銀行は、開発途上国の抱える債務は“過去50年で最悪” と評するものの、低所得国の債務危機に対する懸念は次第に緩和されると見込まれる。危機の震源地になりうるという点では、低所得国よりもトルコやブラジルといった中所得国の方が危険といえる。 最大の債権国となった中国は、債務の持続可能性に与える影響が大きいにもかかわらず、融資の不明瞭さと、返済猶予交渉における消極姿勢が目立ち、中国以外の債権者の疑心暗鬼を誘発し、債務危機回避に向けた国際協調を損なう存在になっている。 ― 引用終わり ― 焦点: 新興国の債務軽減交渉、債権大国の中国が協力せず 2022年7月5日 ロイター ザンビアの首都ルサカの国際空港を拡張する3億6000万ドル規模のプロジェクトから、スリランカの首都コロンボにおける14億ドル規模の港湾開発事業に至るまで、発展途上国で進められている多くの債務軽減協議で、中国の姿がすっぽりと抜け落ちている。 比較的規模が小さく、リスクの高い途上国に対する貸し付けで、中国は圧倒的な債権国となっている。だが中国は、返済に行き詰まった債務国との間で、融資条件だけでなく、どのように再交渉するかを巡っても、目立たない姿勢を維持している。 この姿勢は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)後に一段と鮮明になった。現在、経済的に困窮する多くの国が債務軽減を求めている。 債務負担軽減を支援するため、中国により積極的な役割を果たすよう求める圧力が強まってきた。6月28日に公表された主要7カ国首脳会議(G7サミット)声明は、債権国による支援を促す中で中国を名指しした。 世界銀行によると、貧困国は今年、公的部門と民間部門の債権者に対して総額350億ドルの債務返済に直面しており、総額の40%余りは中国への返済だ。 だが専門家の話では、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が前提とする債務軽減負担の公平な分担は、中国との衝突に向かう可能性があり、包括的な債務再編の見通しに疑念が生じるという。 ― 引用終わり ― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年08月10日 06時00分12秒
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