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2005.02.21
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牧田茂『神と女の民俗学』(講談社現代新書)読了。

卑弥呼は、祭司的性格をもっていた。浅はかな知識で書くのもためらわれるが、巫女も文字通り女性であり、手持ちの国語辞典によれば、「神に仕えて、神楽・祈祷を行ったり神託をうかがったりする未婚の女性」ということである。この通り、女性は神とのパイプ役を果たす、ということが言える。

一方で、お産の際には、女性は産屋にこもった(という風習があった。現在については知識がないのでコメントできない)。月経の際にも、家とは別の小屋をつくり、そこにこもったという。これらは、出産や月経に伴う血を「穢れ」とみなしたことによる、という解釈がある。
しかし、女性は神に仕える、いわば神聖な存在でもあるのではないか。沖縄のある地方で行われている「イザイホー」という儀式では、これは女性による儀式なのであるが、生理中だとなお良い、とすらされているという。この事実と、血を「穢れ」として女性を隔離・あるいは蔑視するのは矛盾しているのではないか。

こういった議論がなされる。折口信夫氏の名前は聞いたことがあるが、その著作は読んだことがない。もっとも、柳田国男氏の著作も未読であるが。ともあれ、折口氏の説は難解で、あるいは奇異なものとして捉えられる傾向があったのだという(本書の出版年が1981年、私が生まれるよりも前なのだから、現在の民俗学の研究動向がどうなっているのか、もちろん本書からはうかがえない)。ちくま新書から出ている民俗学の冒険、というシリーズを大学一年生の頃に読んだものだが、研究動向について言及があったか覚えていない。妖怪の話や、変身の話など、興味深い話題が多くあり、とても楽しみながら読んだのを覚えている。
本の紹介をする際に、どこまで紹介していいのか、いつも悩む。牧田氏は、女性が家の外の小屋などに「こもる」行為が、血の穢れという理由になったのは、本来の行為の意味が見失われ、後付されたためであるという。このあたりのことは、興味がある方は本書を読んでいただければよいだろう。

大学一年生では、一般教養の授業がある。高校を卒業したばかりの初々しい私は、わくわくしながら(それでも、場合によっては眠気に襲われ、講義がいつの間にか進んでいたということもあったが)聴講したものだ。社会学の講義で、先生がおっしゃっていた言葉は忘れられない。「事実認識と価値判断は違う」。女性蔑視の傾向があった、というのは事実認識であり、その善悪を問うのは価値判断である。これらは別次元の問題なのだ。

例えば私は中世西洋史を勉強しているが、当時の風習なり信仰などが現代的価値観から良いものだった、悪いものだった、という議論をするのはナンセンスだと思う。史料に基づき事実認識を持ち、現代ではどうだろうか、という問題提起に用い、現代の状況は好ましい、あるいは危機的であるといった価値判断に用いるのは、まだ建設的であろう。これは少なくとも今この瞬間の私の見解であり、明日になったら別の見解を述べる、ということはまずあり得ないにしても、勉強を重ねることで、あるいは意見は変わるかもしれない。

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今日は病院にデイケアでいった。斬るビルに夢中。先日、私が斬るビル第一幕をクリアし、ゲーム開始の時点で第二幕から始められるようになったのだけれど、しばらくぶりに病院にいってみると、スタッフの方が第二幕で新記録を更新していた。私も挑戦。とんでもないものを斬り、第一幕みたいにもっとおおきな同じものが落ちてくるのかと思っていたら、別のものが落ちてきた。それを斬り終えたら、いくらなんでも斬れないだろう、というものを斬ることになり、さらにあるものを斬ると、彼がビルを斬る理由が明かされる。そして、ものすごいものを斬ることになる。というか、いくら斬っても斬れる気配がない。すさまじいゲームである。第二幕からはじめて、3000万点いった。ジョイパッド使用。自宅のパソコンでは、キーボード操作で700万点いった。キーボードではなかなか第二幕までいけない。
ところで、このサイトはヤフーではヒットしないと思っていた。他のサイトの書き込みの、「のぽねこ」がヒットするくらいで、直接本サイトがヒットすることはなかった。著者名と著書名で検索した限りでは。
ところが、「斬るビル 第二幕」で検索すると、ヤフーでもこの「のぽねこミステリ館」がヒットした。ヤフーでヒットしたのは嬉しい反面、一応このサイトは本の紹介がメインなんだけど、と、ちょっと悲しくもなった。

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デイケアに行くといつも、親しい患者さんと遊ぶのだけれど、勉強も進めている。今日は先日読んだ英語論文のレジュメを完成させた。斬るビルで新記録を出せたこともあり、なかなか充実した一日だった。





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Last updated  2007.08.19 18:50:12
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 シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
 のぽねこ@ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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