カテゴリ:本の感想(海外の作家)
ウンベルト・エーコ(中島英昭訳)『薔薇の名前(下)』
Umbert Eco, Il Nome della Rosa ~東京創元社~ 三人目の死者は、浴槽から見つかった。 修道院には、フランチェスコ会士の一団、そして彼らと対立する勢力、異端審問官ベルナール・ギーを中心とするドミニコ会の一団が到着した。教皇の権威、清貧をめぐり、両陣営の間に激しい論争が起こる。 ベルナール・ギーは、修道院内にいる元異端の人間に目をつける。その人物に、一連の修道院の事件の罪もなすりつける。 ところが、その後も事件は続く。ウィリアムは、なおも真相を追っていく。 昨日、頭痛のため大学に行くのを断念し、大方読み進め、今日は映画を観にいくのでもともと大学を休むつもりでいたので、まずは本書を読了しました。 上巻のところで長々と書いたので、こちらは短めに。 アドソが見る奇妙な夢。これが、単なるエピソードではなく、事件の解決に関係していくあたり、とても面白かったです。ある意味では、温泉旅館殺人事件で、他のお客さんや旅の人たちの何気ない会話を聞いて、事件の構造に気づく、というのと似ているかもしれませんが、アドソの夢自体とても興味深いので…。私はまた妙な例を挙げてしまいました…。 上巻の感想では、事件の方にはあまり言及しませんでしたが、「ヨハネの黙示録」の見立て殺人のような事件です。これ以上はあまり言わないことにしましょう。 2005年年末から読んだ本についてはたいてい書いているのですが、本書を読んだのも、とても良い読書体験でした。面白かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.04 08:31:20
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