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2008.08.18
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有栖川有栖『妃は船を沈める』
~光文社、2008年~

 火村英生&有栖川有栖シリーズの長編最新刊です。形としては、二つの中編からなるのですが、第二の中編は第一の中編の後日譚という意味もあり、有栖川さんご自身が本書は長編だとおっしゃっています。
 ではでは、内容紹介と感想を。

ーーー
「第一部 猿の左手」
 1億円の生命保険をかけた男が、不審な死を遂げた。車で大阪湾に転落していた男は、死の直前に睡眠薬を飲んだらしい…。犯人が車を運転し、逃げたのではないかと捜査陣は考える。
 容疑者は三人。しかし、男の妻の古都美には、完全なアリバイがあった。夫婦が借金をしていた、古都美の友人の妃沙子は事故のため足が不自由で、泳げない。妃沙子の養子には水にまつわるトラウマのために水恐怖症で、泳ぐことはできないという。なかなか真相が見えてこない中、妃沙子は願い事を三回かなえてくれるという「猿の左手」を持っているという証言が得られる。そして火村は、有栖川から聞いた「猿の手」という短編にも、斬新な解釈を示すことになる。

「幕間」「猿の左手」事件で訪れたレストランに、有栖川が一人で訪れる。

「第二部 残酷な揺り籠」
 近畿地方に、震度6の地震が発生した。お世話になっている設楽夫妻の身を案じた日下部は、急いで―それでも1時間半がかかった―設楽家に向かう。その離れの窓が割れていた。不安に思って窓の中を見ると、男が一人倒れていた―。
 男は、設楽のもとで働く加藤廉。彼は、何者かに銃殺されていた。一方、設楽夫妻は何者かから届けられた睡眠薬入りのワインを飲み、眠り込んでいた。
 誰がワインを送ったのか。加藤廉を殺害したのは誰か…。加藤と交際していた女性が注目されるが、彼女自身も、地震の被災者となり、その後は入院生活を送っていた…。
ーーー

 有栖川さんの新作を読むのは久々な感じですが(『女王国の城』以来で、火村シリーズでは『乱鴉の島』以来になるでしょうか)、やっぱり真っ当でストレートなミステリを読ませてもらえました。
 「はしがき」で有栖川さん自身もおっしゃっていますが、本作にはどこか悲しい雰囲気が漂います。私は、いまでは単なる謎解き物語よりも、その裏にあるドラマや人間模様の方を味わいながら読むようになってきていることもあり、この雰囲気を味わいました。というんで、何の事件も起こりませんが、本作の中で一番面白いと思いながら読んだのは「幕間」でした。
 もちろん、謎解きの方も面白いです。第二部の方は、あんまり現場のイメージがつかめないままに読んだのでぴんとこなかったのですが、第一部の方は楽しめました(ダメージも受けましたが…)。「猿の手」にまつわる新解釈も、わくわくしながら読みました。こちらの短編は読んだことがないのですが、気になりました。
(2008/08/17読了)





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Last updated  2008.08.18 06:37:40
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