カテゴリ:本の感想(や・ら・わ行の作家)
横溝正史『夜光怪人』 ~角川文庫、1979年再版(1978年初版)~ 横溝正史さんのジュヴナイル作品です。表題作に加え、2編の短編が収録されています。それでは、簡単な内容紹介と感想を。 ーーー 「夜光怪人」 夜に、ぼんやりと光る服を身にまとい、表情のない仮面をつけた怪人―通称夜光怪人の噂が広がり始めた頃。ある夜、中学3年生の御子柴進は、ぼんやり光るイヌに追いかけられる女性を助けた。そしてそのイヌを呼びにきたのが、夜光怪人だった…。 新聞記者の三津木俊助とともに、進は夜光怪人のからむ事件に挑んでいく。しかし、檻で囲まれた中の宝石を盗んだうえに老人を殺害したり、密室の中から消失したりと、夜光怪人は幾度も進たちを逃れていく。 ついに、金田一耕助も事件解決に乗り出すが、夜光怪人はさらなる凶行を繰り返していく…。 「謎の五十銭銀貨」 暗号もの。作家の男が、かつて占い師に渡された五十銭銀貨の中には、暗号の記されたメモが入っていた。そのエピソードを雑誌に載せると、男の周囲に妙な事件が起こるようになる。 「花びらの秘密」 美絵子は、隣室にどろぼうが入ったのに気付いた。ところが隣室から自室に光が差し込み、そこには、「動くな、さわぐな、さわぐといのちがないぞ」という文字が浮かび上がっていた…。 ーーー 横溝作品を読むのは久々のような気がしますが、ジュヴナイルでも安心して楽しく読めます。併録された2編の短編は、分量も短いですしトリックもそう派手でないので、いまの目線で読むと物足りない感じもありますが、表題作はかなり盛りだくさんの内容で、充実しています。 ※表紙画像は、横溝正史エンサイクロペディアさまからいただきました。 (2009/08/01読了)
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Last updated
2009.08.04 06:37:02
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