カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
おーなり由子『てのひら童話2―空のともだち―』 ~角川文庫、2005年~ 味わい深い、いくつもの物語が収録されています。 私にとっては、第1弾の『てのひら童話1』よりも心に残る作品が多いように感じました。 大きく、3部に分かれています。それぞれの部から、印象に残ったお話についてメモしておきます。 「みどりのともだち」 チトというへんな生き物がとつぜんやってきて、主人公としばらく過ごす「チト」という物語が、良かったです。少し、ほのぼのとするお話。 続く「雪の町」は、初読のとき、涙が出てきました(もともと私は涙もろいのですが)。おばあちゃんの家におつかいに行く途中、女の子がその雪の町で迷子になってしまうのですが…。本書のなかで、いちばん好きなお話です。 「空のともだち」 なにげない学生さんの一こまを描いた「永遠」は、女の子の笑顔がとても素敵です。 夕焼けをみて、ほろほろ涙が出てしまうさるの子と、その母親を描いた「なきざる」、15年ぶりに自転車に乗るおばあさんを描いた「自転車」、どちらも少し切ない、そして優しい物語です。 「夜のともだち」 主人を亡くした後、その飼い犬が友達の女の子と月見そばを食べに行く「月見そば」も、泣けてくる物語です。 最後に収録された「天使のはなし」は、本書のなかでもっともページ数の多い物語です。 クリスマスの夜、駅で父親を待つ女の子が、一人の男の人と出会います。 さて、今日はクリスマスイブ。 本書は2ヶ月前にひととおり読んでいたのですが、感想を書くのは今日になってしまいました。 「天使のはなし」をもう一度、今日読むことができて、良かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.12.24 14:10:57
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