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2020.01.08
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G・K・チェスタトン(中村保男訳)『ブラウン神父の知恵』

~創元推理文庫、1982年~

 

 ブラウン神父シリーズの短編集第2作です。12編の短編が収録されています。

 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

 

―――

「グラス氏の失踪」ひがな部屋で研究をしているトッドハンターのもとを、グラス氏が訪れ、トッドハンターが殺されかけた…。連絡を受け、かけつけたブラウン神父が指摘する真相とは。

「泥棒天国」馬車で山をこえている一行に、山賊がおそいかかる。しかし、ブラウン神父はその場所に違和感を覚える。


「ヒルシュ博士の決闘」ヒルシュ博士の弟子が、博士から、デュボスクという男に狙われているという手紙を受け取る。心配する弟子たちだが…。


「通路の人影」劇場で、面会にきていたファンの一人が渡した短剣により、人気女優が殺された。その場に居合わせた人々は、事件の直前に人影を目にしていたが…。


「器械のあやまち」若き日のブラウン神父が経験した事件。既決囚収容所から一人の男が逃げ出した。その頃、富豪の一族がパーティーを開催していたが、メンバーの一人が失踪。刑務所の副所長が事件直後に、逃走犯をつかまえたと思われたが…。


「シーザーの頭」古銭収集家の主人が亡くなり、長男も古銭収集に夢中になった。妹は、恋人そっくりの絵が描かれた古銭を持ち出し、恋人に渡す。そのときから、妹や恋人を何者かが付き狙うようになり…。


「紫の鬘(かつら)呪われたエアー家の人間には、呪いが耳に現れ、現在の当主は、その耳を隠すために紫の鬘をつけている…。不幸な一族を饒舌に語る当主は、あらゆることを執事にさせるが、唯一着替えだけは行わないという。当主の耳の真相は。


「ペンドラゴン一族の滅亡」ブラウン神父たちは、船旅をしてペンドラゴン一族の屋敷のある島を訪れた。屋敷にある塔には、呪いにより燃やされたという伝説があった。現当主から話を聞いた後、ブラウン神父は妙な行動をとりはじめるが…。


「銅鑼の神」人気のない町で、死体を見つけたブラウン神父たち。その後訪れたホテルでは、ブラウン神父は悪漢に襲われる。回復したブラウン神父は、町の人々が集まるボクシングの試合を中止させに行く。はたしてその意図は。


「クレイ大佐のサラダ」気が変になったといわれるクレイ大佐が、悪魔が現れたと発砲した。音を聞きつけたブラウン神父が大佐から話を聞くと、インドにいた頃から奇妙な出来事が続くようになった。発砲した朝、悪魔はくしゃみをして逃げていったという。彼を襲う奇妙な出来事の真相とは。


「ジョン・ブルノワの珍犯罪」つい最近論文で有名になった貧乏学者のブルノワ氏は、結婚するものの、隣に大邸宅を構える旧友のクロード卿がブルノワ夫人との間に不義の関係があると世間で騒がれるようになった。ある日、クロード卿が開催しているパーティーの最中、クロード卿が剣で突き刺されて倒れているのが発見される。


「ブラウン神父のお伽噺」20年前に起こった怪事件。ドイツ帝国から小国に派遣されたオットー公は、国中の人々が武器を持つことを禁じ、自身も城の奥深くの隠れ部屋で過ごすなど、徹底的に身の安全を確保ししていた。にもかかわらず、城の外の森の中で、頭を撃たれて絶命していた。なぜ彼は射殺されえたのか。

―――

 

 まず「グラス氏の失踪」が好みの話でした。そして、「紫の鬘」も、記者による報告というスタイルや、呪いの耳という不気味な雰囲気、そして意外な真相もあり、印象的な作品です。同じく印象的だったのは、「クレイ大佐のサラダ」です。インドで経験した「呪い」の真相、そしてブラウン神父が真相を明らかにするためにとる行動も面白いです。

「ジョン・ブルノワの珍犯罪」も好きな作品です。意外な動機が秀逸。

 特に印象的だった作品を挙げましたが、他にも好みの作品が多く、楽しく読めた一冊です。

 

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Last updated  2020.01.08 23:44:14
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 のぽねこ@ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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