カテゴリ:本の感想(海外の作家)
~創元推理文庫、1982年(新版2017年)~
ブラウン神父シリーズ第5作にして最終巻です。9編の短編が収録されています。 簡単に、それぞれの内容紹介と感想を。
――― 「ブラウン神父の醜聞」スキャンダルに巻き込まれた女性が夫婦で滞在しているホテルを訪れた記者は、女性をめぐり争う男二人の姿を目にする。
「手早いやつ」改装中のホテルのバーに、禁酒主義者が現れ演説を行う。変わり者で通っていた男が暴言を吐き、禁酒主義者は怒り狂うが、かえって変わり者は笑う始末。その後、変わり者の男は、禁酒主義者が持っていた刃物で刺されて死んでいた。
「古書の呪い」それを開いた人間は消えてしまうという伝承を持つ古書を見て欲しいと頼まれた教授のもとを、依頼人が訪れた。教授の秘書の男がその古書を開き、秘書は消えてしまったという。そして、依頼人も自ら古書を開き姿を消す。
「緑の人」航海を終え帰還した海軍提督を迎えに出た秘書だが、提督のうしろを離れて一人の男が追い、剣をふるう姿を目撃した。その夜、提督は死体となって発見される。
―――
特に好みなのは「古書の呪い」と「村の吸血鬼」です。真相が明らかになるときの、ぞわっとする感覚がたまりません。 本書は、シリーズ最終巻ということもあり、訳者の中村保男さんによるあとがきも付されています。ブラウン神父シリーズを中心に、チェスタトンの思想を読み解こうとする試みで、こちらも興味深いです。 ずっと気になっていたシリーズなので、この度全作読むことができて良かったです。良い読書体験でした。
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Last updated
2024.01.28 13:02:10
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