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遠藤周作『海と毒薬』 ~角川文庫、1960年~ 戦時中、九州大学で起こった米兵捕虜生体実験事件(相川事件とも)を題材とした長編小説。 肺を病んだ男が、引っ越し先の町で、勝呂という奇妙な医者にかかることになります。彼のことに関心を持ち始めた男は、親族の結婚式のため九州に行ったとき、彼の過去を知ることになります。 * 勝呂研究生は、同じく研究生の戸田とともに、橋本教授のもとで働いていました。学部長が倒れ、権力争いが激化してから、橋本教授の様子がおかしくなっていきます。戦争も激化していく中、大学でアメリカ兵の捕虜を見かけるようになり、そして、ついにその実験にかかることになります。 * 3部構成のさいごでは、実験に立ち会った看護師と戸田さんの過去が描かれます。彼らの罪の意識とは、そして勝呂医師の思いとは。 重たいですが、考えさせられる物語です。
(2021.01.09読了)
青崎有吾『早朝始発の殺風景』 2024.05.04
乾くるみ『ハートフル・ラブ』 2023.12.30
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