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2022.01.02
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ヤコブス・デ・ウォラギネ(前田敬作・今村孝訳)『黄金伝説1』
~人文書院、1979年~


 13世紀に編纂された、聖人伝の集大成です。
 著者のヤコブス・デ・ウォラギネ(1230頃~1298)は、説教を中心に行うドミニコ会に属し、ジェノヴァ大司教もつとめました。『黄金伝説』のほか、『ジェノヴァ市年代記』や説教集などの著作があります。
 本書の構成は次のとおりです。(カッコ内に、訳注を参考に該当の祝日や当該聖人の生没年などをメモ)

―――
序章
1 主の降臨と再臨[待降節、現行では11/2712/3にはじまる]
2 使徒聖アンデレ[11/30、X型十字架]
3 聖ニコラウス[12/6、4世紀前半]
4 聖女ルキア(ルチア)[12/13304年没]
5 使徒聖トマス[12/21、インドに布教しそこで殉教したと言われる]
6 主のご降誕[12/25]
7 聖女アナスタシア[12/25304年頃殉教]
8 聖ステパノ[12/26、キリスト教最初の殉教者]
9 福音史家聖ヨハネ[12/27]
10
 罪なき聖嬰児ら[12/28、ヘロデ大王の命令で殺された男の子たち]
11
 カンタベリーの聖トマス[12/291118-1170]
12
 聖シルウェステル[12/31、第33代教皇、位314-335]
13
 主のご割礼[1/1]
14
 主のご公現[1/6、東方三博士来拝の日]
15
 初代隠修士聖パウロス[1/15or1/10228-342]
16
 聖レミギウス[1/13440-534]
17
 聖ヒラリウス[1/14315-367]
18
 聖マカリオス[1/15300-380/390]
19
 ピンキスの聖フェリクス[1/14]
20
 聖マルケルス[1/16、第30代教皇、位308-309]
21
 聖アントニオス[1/17251-356]
22
 聖ファビアヌス[1/20、第20代教皇、位236-250]
23
 聖セバスティアヌス[1/20、3世紀後半]
24
 聖女アグネス[1/211/28、3世紀末or4世紀初殉教]
25
 聖ウィンケンティウス[1/22304年殉教、スペイン人最初の殉教者]
26
 司教聖バシレイオス[6/14(東方では1/1)370年頃活躍]
27
 慈善家聖ヨハネス[1/23610-619アレクサンドリア総大司教]
28
 聖パウロの回心[1/25、パウロがキリスト教迫害者から伝道者へ転身]
29
 聖女パウラ[1/26347-404]
30
 聖ユリアヌス[全5人のユリアヌスに言及。祝1/27ほか]
31
 七旬節[その主日は復活祭から9週間前の日曜日]
32
 六旬節
33
 五旬節
34
 四旬節[灰の水曜日から復活祭の前日までの6週間半]
35
 四季の斎日[春は四旬節第一主日、夏は聖霊降臨の大祝日、秋は9/14、冬は12/13の各直後の水、金、土曜日]
36
 聖イグナティオス[2/1117以前没]
37
 聖母マリアお潔め[2/2、聖燭祭とも。主の降誕後40日目に聖母マリアが神殿に行って潔めの儀式を受けたことに由来]
38
 聖ブラシオス[2/3、3世紀末頃or4世紀初頃殉教]
39
 聖女アガタ[2/5250年頃殉教]
40
 聖ウェダストゥス[2/6540年没]
41
 聖アマンドゥス[2/6679or684]
42
 聖ウァレンティヌス[2/14]
43
 聖女ユリアナ[2/16、4世紀初頭殉教]
44
 聖ペテロの教座制定[2/221/18]
45
 使徒聖マッテヤ[2/24、ユダの裏切りにより欠員が生じた十二使徒に、主の昇天後くじで選ばれた]
46
 聖グレゴリウス[3/12、第64代教皇、位590-604]
47
 聖ロンギヌス[3/15、現在では聖列に入っていない]
48
 聖ベネディクトゥス[3/21480-547]
49
 聖パトリキウス[3/17385-461]
50
 主のお告げ[3/25、大天使ガブリエルによる受胎告知の日]
51
 主のご受難[四旬節の第五主日]
解説
―――

 構成だけで53行使ったので簡単にメモ。
 訳注が充実し、解説でヤコブスの経歴や主著、本書の意義も論じられているなど、非常に便利。
 訳文も読みやすいです。(「すたこらさっさ」とか「桑原桑原」という訳文が印象的。)
 本論は、聖人についてはその名前の意味を解き明かすところから始まり、その経歴を紹介したり、その聖人が行った主な奇跡を紹介したりといった構成。ある言葉や出来事の複数の意味を論じるあたり、説教と同様の構成と持っています。
 序章での、期節の区分についてメモ。(カッコ内の丸数字は教会歴の順番)
 ・迷いの生活の時代=アダムの原罪~モーセの時代=七旬節~復活祭(④)
 ・呼び戻しの時代=モーセ~主のご降誕=待降節~降誕祭(①)
 ・贖罪の時代=キリストの誕生~死=復活祭~聖霊降臨(⑤)
 ・巡礼の時代=現代の人間の時代=聖霊降臨~待降節(⑥)
 ・贖罪の時代(2)=降誕祭~ご公現の祝日の8日後まで(②)
 ・巡礼の時代(2)=ご公現の祝日の8日後~七旬節(③)
 時代の名前の当て方が、私が勉強を進めているジャック・ド・ヴィトリと同様で、ジャックは迷いの時代(待降節~七旬節)、呼び戻しの時代(七旬節~復活祭)、回復の時代(復活祭~聖霊降臨)、巡礼の時代(聖霊降臨~待降節)と、期節の区分はやや異なるものの、その類似性が気づきになりました。(参考:Lecoy, pp.272-273
 全4巻中、とりあえず第1巻を読みました。第2巻以降も徐々に読んでいこうと思います。(少し先送り中)

(2021.11.10読了)

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Last updated  2022.01.02 13:48:35
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