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M17星雲の光と影

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2006.05.31
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カテゴリ:その他
この宇宙ができてからおおよそ150億年。うーん、といわれてもまったく実感がわかないので、思い切って一億年を一日にしちゃいましょう。今日が5月31日だから、今年になってだいたい150日くらいたっているわけですね。元旦に宇宙が創造された。そう考えることにしましょう。

すると地球が生まれたのが4月の15日くらいかな。45億年前だから。これって、なんだか宇宙年齢から比べると、つい最近という感じですね。地球の誕生日はつい最近のことなんだ。

そしてその地球上に生物が生まれたのが4月の20日くらいか。これはずいぶん早いですね。地球が生まれて9割方の時間はその上になんらかの生命体が存在していたことになる。かなりの古参ですね。地球上の無機物にあんまりコンプレックスを感じることもないくらいに古くからここにいることになる。生物は地球の古参二等兵である。たとえが古すぎて何いってんだかよくわかりませんけどね。これでは。

でも古参兵といえども、最初の生命体はそんないばれたものではありません。おそらく最初の生命体は原核生物だったろうといわれています。生物になくてはならないのは細胞です。逆に生命体であれば、必ずこの細胞を共有しているわけです。あなたの大嫌いなゴキブリだろうがヒルだろうがなまずだろうがカエルだろうが、みんな細胞でできているということに関してはあなたと同じなんですね。これは好き嫌いと関係なく、そうなってるわけです。

さて、その細胞は大きく三つの構成要素に分けられる。真ん中にあるコントロールセンターの「核」と、その周辺にある「細胞質」と、外界と細胞を隔てる「細胞膜」。この三つです。

原核生物というのは、まだちゃんと「核」が形成できずに、核と細胞質がミックスジュース状態になっています。膜とミックスジュースからできた、それも細胞一個だけの生物。これが原核生物です。それが4月の20日頃生まれた。そしてそれから20億年、すなわち5月の10日くらいまで、その原核生物しか地球上には存在していなかった。すごいですよね。この停滞ぶり。人間はえらそうに進化論なんていっていますが、20億年ほとんど変化なしですからね。もし神さまが上空から見ていたとしても、「やる気あるんか、こいつら、永久にミックスジュースのつまったぼんぼん状態でおわるんやないか」。そう思ったでしょうね。

しかし、その後も遅々として変化はなく、ちょうど二週間前、つまり5月17日頃、やっと真核生物が生まれます。でもこれも核と細胞質が分かれたというだけで、依然として単細胞です。ようするに「なーんにもかんがえられまへん」状態のお馬鹿さんだったんですね、この時点の生命体は。

そしてつい8日前、そう5月23日の火曜日についに複数の細胞をもった多細胞生物が出現します。いったいいつまで待たすんや、という感じですね。最初の生命が生まれてほとんど一月以上たって、(実際は30億年)やっと「ひとつ」が「ふたつ」になったわけです。でも、この変化が実は決定的だったんだと思います。ひとつとふたつは大違いなんですよ。ひとつはいつまでたってもひとつだけど、ひとつがふたつになるということは、そのふたつがそれぞれまたふたつになると四つになる、それが八つになる、一六になる、三十二になる、六十四になるというふうに爆発的に増殖するわけです。

こうして今から6日前、5月26日の金曜にいわゆる「カンブリア紀の大爆発」が起こり、爆発的に多細胞生物の分化、多様化が起こるわけです。

えっ、いったいいつ人類が出てくるかっていわれるんですか。そうですね、まあ、ざっと100万年前を人類出現の時と考えると、これは一億年の100分の1ですから、一日の100分の1、つまりせいぜいいまから15分前くらいの出来事ですね。すると1万年前が9秒前か。すると、弥生時代が2秒前くらい。うーん、明治維新が0.12秒前か。なんだか頭がぼーとしてきたな。太平洋戦争敗戦から0.05秒か。うーん、なんだか、どうでもよくなってきますね。最近のこととかは。

つまり、そういうプロセスを経て、今日に至っているというわけです、われわれは。でも、この我々の体をどこまでも細かく分けていくと、やっぱり細胞に行きつきます。先ほどお話したように、核、細胞質、細胞膜、これでワンセット。この基本構造に変化はないわけです。そして人間の場合、この細胞がなんと60兆個あるといわれています。一人でですよ。もうなんだか頭がぼーと麻痺してきます。たとえも思いつかないくらい膨大な数です。

で、私はこの細胞膜について考えたいんです。(長い前置きだったなー)実は、生命が生命体として成り立つためには、この膜の存在が決定的に重要だったんだと思います。境界線で囲い込み、こっから内側は俺自身だからね。そう考えることによって生命体は自立したわけです。でも、この境界線で外界を完全にシャットオフしてしまうと生物は死んでしまいます。やはり外界と連絡できるように小さな穴を開けておいて、必要なものは取り入れる、いらないものは捨てる。そういう仕組みにしないと都合が悪いわけです。そして、この必要なものを細胞膜の中に取り入れる性質を、生物学では「選択透過性」といいます。(たしか)

ようするに「おまえは通ってよーし、お前はだめー」って細胞膜が自分で判断するわけですね。これが無機物との決定的な違いです。でも、この仕組みって基本的にはわれわれ人間の意識の中にもちゃんと組み込まれているように思います。「うえー、なに、この食い物(小説、音楽、絵、人柄、異性のタイプなどなど)」というグループと、「うーん、さいこう、この食べ物(以下、省略)」というグループに二分して、ほとんど本能的に前者を排除し、後者を選択的に取り入れる。これはもうあまり考える余地のない、ほとんど本能的な判断だと思います。

いわゆる皮膚感覚で生きてる人ってこういう感じで人生を送るんですね。でも、どうもそれだけではうまくいかない。好き嫌いだけでは、「自分はどういう方向に生きていけばいいのか」という方向づけはでてきません。やはり、そこには中枢である脳の指令が必要になる。それは多くの場合、「こうするべきだ」、「こうするべきではない」という理性的判断の形をとります。

そして細胞膜的直観的判断と、大脳中枢的理性的判断の関係がここで問題になってきます。私はどうもこの二つの連絡がスムーズにいっているかどうかがその人間の本質を左右する重要な要素なのではないかと思うんです。

末端優位であまりにも直観(直感)で生きていると往々にして中枢が機能せず、やがて行きづまる。そして、脳梗塞を起こして、結局は手足も痺れて動かなくなってしまう。それに対して、中枢優位でなんでも「こうすべきである」と原理主義的に考えていると、末端が機能不全に陥り、やがてその部分が壊死を起こし、徐々にその腐敗は中枢までも犯していく。

この二つの機能の連絡をいかにうまくとるか。これが人間の健康な生き方にとって大切なことではないかと思うのです。中枢から末端への連絡がスムーズなのは、これはあたりまえです。極端な中枢原理主義者が末端のいうことをまったく無視しない限り、この方向の連絡はスムーズにいくはずです。なんといっても中枢から末端への連絡は特別な努力を行わなくても基本的にキープされているはずですから。

問題はこれとは逆の方向、つまり、末端から中枢へのパイプをどうやって確保するか。そこにあるのではないでしょうか。本能的、直感的な「好き、嫌い」をただそこでとどめるのではなく、そこから中枢に向かって信号を送る。「お前の末端はこれを好き(嫌い)といってるけど、それって中枢の言葉に翻訳するとどういうことだろう」、わかりやすく言えば「お前は○○がなぜ好きなんだ」「××はなぜ嫌いなんだ」という「なぜ」を考えるということですね。そうすることによって末端から中枢へのパイプが通じる。そして、中枢からは再び末端へと情報がフィードバックされる。

中枢くんは末端くんにこう問いかけます。「たぶんまだ知らない未知のこれこれも末端くんは好き(嫌い)だと思うよ」、という具合に。そして末端君はその未知のものに接して相変わらず本能のままに「だいすきー」とか「げ、さいてー」とか条件反射的に反応して、その情報をまた中枢に返すわけです。

この反復横飛び運動が円滑に行われていると、精神の健康状態はきわめて良好に保たれるのではないでしょうか。ここでのポイントは、末端の感覚を常に生き生きと研ぎすましていること、そしてそこで得た情報を単に生理的な条件反射にとどめず、中枢の理性的なことばに翻訳する努力を行うこと。そして、その翻訳されたことばをもう一度感覚器の末端に送り返し、フィードバックを行うこと。こうすることによって、脳と末端はスムーズな連絡経路を確保し、バランスのとれた判断ができるようになるのではないでしょうか。

以上が、今日(というか今キーボードを叩きながら)考えた、私の小さな仮説でした。宇宙の始まりから始めたんでずいぶんちかれましたよー。ふー。

お仕事でおつかれのところ、ややこしい話をしてすいませんでした。以上が「宇宙の進化と意識の進化の二重螺旋構造的相関関係に関する極私的仮説」でした。おしまい。








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Last updated  2006.05.31 21:31:37
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和久希世@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光1(03/03) >「彼はこう言いました。「それもそうだ…
kuro@ Re:「チャンドラーのある」人生(08/18) 新しいお話をお待ちしております。
あああ@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光2(03/03) 非常に面白かったです。 背筋がぞわぞわし…
クロキ@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光2(03/03) 良いお話しをありがとうございます。 泣き…
М17星雲の光と影@ Re[1]:非ジャーナリスト宣言 朝日新聞(02/01) まずしい感想をありがとうございました。 …
映画見直してみると@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光1(03/03) 伊集院がトイレでは拳銃を腰にさして準備…
いい話ですね@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光1(03/03) 最近たまたま伊丹作品の「マルタイの女」…
山下陽光@ Re:大江健三郎v.s.伊集院光1(03/03) ブログを読んで、 ワクワクがたまらなくな…
ににに@ Re:非ジャーナリスト宣言 朝日新聞(02/01) 文句を言うだけの人っているもんですね ま…
tanabotaturisan@ Re:WILL YOU STILL LOVE ME TOMORROW(07/01) キャロルキングの訳詩ありがとうございま…

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