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カテゴリ:感想【小説】
伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングが地球を回す」、さらっと読み終えました。
「アヒルと鴨~」、「重力ピエロ」、「オーデュボンの祈り」と読み進めてきて、ちょっと息抜きするのにちょうどいい本でした。 テンポ良く軽快なクライムノベルです。 クライムノベルといっても、シリアスで緻密な犯罪計画とは無縁。 犯罪に手を染める暗くて重い事情とも無縁。 まるで、銀行強盗が一番簡単で一番罪のない犯罪のように思えてしまうくらい、主人公たちは良心の呵責など一切ないような面持ちで、鮮やかに実行します。 冷静沈着で先の先まで読み、人間嘘発見器でもある、市役所勤めの、成瀬 弁舌家、しかしそのほとんどは嘘、のようで本当だったりする喫茶店店主、響野 天才的スリで、動物愛好家(というより人間嫌い)の青年、久遠 絶対体内時計を持ち、盗難テクニックをもつシングルマザー、雪子 そんな個性的な4人が集まる無敵のギャング集団が活躍する、ストーリー的にはあまり中身の無い(失礼!いい意味で、です。)エンターテイメント作品です。 ただし、そこは伊坂さんなので、他の作品では作品の暗さを軽妙なものにカバーするシニカルな会話が、この作品では、コミカルにストーリーをテンポアップしています。 特に響野の演説ぶったセリフが面白すぎです。 また、この作品にも他の作品同様、「絶対的な悪」が描かれます。 そして、容赦なく子供であろうと殴ってしまうという正義。 どちらも健在です。 この作品は映画化され、既にビデオにもなってるみたいですね。 この小説の映画は是非見てみたい! 面白くないわけがない。 最近、小説の映画化作品は良く観ますが、あくまで、 これを映像化するとどうなるんだろう?とか、 どんな役者さんがどんなふうに演じるんだろう?という 小説ありきの興味でしかないんですが、この作品に限っては 面白そうだから、という純粋な理由で観たいですね。
「ラッシュライフ」は少し時間を置いてから読みまーす。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/03/31 07:08:42 PM
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