佐藤正午 「ジャンプ」
たまってる感想書くのがホントメンドクサイ。やっぱり都度都度やっとかないとダメね。溜めちゃイカンね、何事も。 ジャンプ著者: 佐藤正午 出版社: 光文社 サイズ: 文庫 ページ数: 360p 発行年月: 2002年10月 その夜、「僕」は、奇妙な名前の強烈なカクテルを飲んだ。ガールフレンドの南雲みはるは、酩酊した「僕」を自分のアパートに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。「五分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。しかし、彼女はそのまま姿を消してしまった。「僕」は、わずかな手がかりを元に行方を探し始めた。失踪をテーマに現代女性の「意志」を描き、絶賛を呼んだ傑作。 結構前に何気なく買って放っておいたヤツ。『彼女はリンゴを買いに行ったまま戻ってこなかった・・・・・。』っていう帯の一文にワンダーランドな話を想像して魅かれたんだったかな。「なつのひかり」的な。もしくは「羊をめぐる冒険」的な。ちょっと捻じ曲がったような世界の話が結構好きです。「失踪」というと明確に本人の意思を持っていなくなるイメージがあるのですが、ある晩リンゴを買いに行ったっきり忽然と身一つでいなくなってしまった彼女にはその言葉は似つかわしくない感じです。一体どこに行ってしまったのか?なぜリンゴを買いに出たまま戻らないのか?何の手掛かりも失踪する理由も全く思い当たらない主人公が少しずつ彼女の足跡を辿っていくあたりは非常に面白かったです。取り乱して必死こいて探さない主人公のドライな感じのキャラがまた良い。でも段々いろいろ分かってくるにつれて、最初に想像したのと違いリアルで俗っぽいお話になっていくのが残念。まぁ、私が勝手に期待してただけなんでしょうがないんですけど。なんかもっとこう、なんか、アレ、、、違う理由であって欲しかったデス。主人公のドライな雰囲気が良かったのに最後にどろっとしちゃった感がありあり。リンゴももっと何かを象徴してると良かったなー。この人の文章は結構好きかも^^別の作品が読んでみたいと思いました。以上感想終わり。短っ!Σ( ̄□ ̄;)