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ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2006/04/05
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なにが感性だ。おかしな人には金輪際近付かないで生きよう。
そうしよう。
「僕ときみは出会うべくして出会った。そうだろう?」
ああ。もう。何も聞こえない。聞くものか。
「ねえ真夏くん。」
ああうるさい。
「チェーン落ちてるよ。」
「えっ。」
思わず腰を触り、振り返りました。
指にはチェーンの冷たい感触があります。
「なに嘘ついてんの。ああもう。」
「真夏くん。僕と付き合ってよ。」
・・・・なんですって?

少しも笑わずに。
ただまっすぐに真夏を見つめてくる眼鏡の奥の目が怖い。

ここは冷静に片付けましょう。そうしましょう。
「あのさ・俺は・・。」
「知っているよ。太った・・いや失敬。
以前はやせていた同じクラスの女子と、お付き合いしているって。さっきの子だろう?
釣り合っていないね。
真夏くん、きみのその美しさからしたら。きみはもっと自分の美的感覚を養うべきだ。」
「あのさあ・・。」
「きみと。釣り合うのは、僕だ。」
自信満々な立秋は、お腹から声を発しました・・。

どうしましょう。同性に告られていますよ・・。
「おまえ、からかってんの?」
「僕は真剣だ。答えを聞かせてくれたまえよ。真夏くん。」
真夏はうなだれてしまいました。
逃げ出す気力がないのでしょうか。
もう頭の中は、真っ白なのです。
だから、じりじりと間合いをつめる変態さんに気がつかないのです。
「もしきみが断ろうとも。僕のしたいことは変わらないんだけどね。」
髪を触られて・気がつきました。
頬に触れられて・理解しました。
こいつ、本気だ・・。腰がひけます。膝の力が抜けます。
気がつくのが遅すぎます。





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Last updated  2006/04/07 08:26:20 AM



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