なにが感性だ。おかしな人には金輪際近付かないで生きよう。
そうしよう。 「僕ときみは出会うべくして出会った。そうだろう?」 ああ。もう。何も聞こえない。聞くものか。 「ねえ真夏くん。」 ああうるさい。 「チェーン落ちてるよ。」 「えっ。」 思わず腰を触り、振り返りました。 指にはチェーンの冷たい感触があります。 「なに嘘ついてんの。ああもう。」 「真夏くん。僕と付き合ってよ。」 ・・・・なんですって? 少しも笑わずに。 ただまっすぐに真夏を見つめてくる眼鏡の奥の目が怖い。 ここは冷静に片付けましょう。そうしましょう。 「あのさ・俺は・・。」 「知っているよ。太った・・いや失敬。 以前はやせていた同じクラスの女子と、お付き合いしているって。さっきの子だろう? 釣り合っていないね。 真夏くん、きみのその美しさからしたら。きみはもっと自分の美的感覚を養うべきだ。」 「あのさあ・・。」 「きみと。釣り合うのは、僕だ。」 自信満々な立秋は、お腹から声を発しました・・。 どうしましょう。同性に告られていますよ・・。 「おまえ、からかってんの?」 「僕は真剣だ。答えを聞かせてくれたまえよ。真夏くん。」 真夏はうなだれてしまいました。 逃げ出す気力がないのでしょうか。 もう頭の中は、真っ白なのです。 だから、じりじりと間合いをつめる変態さんに気がつかないのです。 「もしきみが断ろうとも。僕のしたいことは変わらないんだけどね。」 髪を触られて・気がつきました。 頬に触れられて・理解しました。 こいつ、本気だ・・。腰がひけます。膝の力が抜けます。 気がつくのが遅すぎます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/04/07 08:26:20 AM
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