教室に戻った真夏に・べったりと彼女がくっつきます。 「うわ。うざっ。」 「どこに行ってたの真夏。うわ・餃子くさっ。」 不機嫌この上ない真夏は問いかけをスルーです。 なんだか落ち着かないのです。 さて。この1万円どうしましょうか。 「なにどうしたの真夏、拾ったの?ぐしゃぐしゃじゃーん。」 そう・ぐしゃぐしゃなのです。
「いらない。返す。」 放課後の職員室は夕方の光で輝きます。 担任の机に、ぐしゃぐしゃの1万円札をおきました。 「ふうん。あっそう。真夏・面白いな。」 「あのさ、先生。真夏って・・あんまり下の名前で呼ばないでよ。」 「どうして?真夏 って可愛いからいいじゃないか。苗字なんてつまらん。」 「他の生徒は苗字で呼んでるよね。」 「おまえは、俺がそう呼びたいの。わかった? それでさ、真夏。」 なんでしょうか、この先生も。自分のペースに巻き込もうとする人ばかりですね。 「これ持って・先に乗ってろ。」 車の鍵を握らされました。お金の次は 車?ですか。 「はい?」 「あんなことする男の子は、親御さんとお話しないとな。」 「あんな・・?」 「あんな?」 真夏の腰をぺしっとはたきました。「った。」 「可愛い顔してること自覚しろ。あんな彼女じゃ盾にもならん。見た限りじゃあ・・ 初めてではなさそうだし?」 先生は真夏の顔をじいいっと見ます。左手で煙草をもったまま。 火をつけずにいます。 「・・先生。俺さあ、 親父の会社に寄るから。」 「今日は何を買ってもらうつもりだ。よく食べるなあ、甘いもの。」 「何で知ってるの、あんたまで。」 真夏は思わず乱暴な言い方をしてしまいました。立秋も同じことを言っていました、それを思い出して イラッ ときてしまったのです。 「はいそれ。俺に対するものの言い方。指導しなくちゃね。」 にんまりと満足そうな先生。しかけた罠にはまった獲物の真夏。 ぱちっとライターで煙草に火を点けます。白い煙が伸びていきます。 「その食生活も改善してやる。」 「別にいいよ。ほっといて。」 「性欲が満たされないから食欲に走っているんだよ、お前は。 無理も無いか、お前につきあって甘いものばかり食べてたら体型変わるもんな普通。 抱きたくも無いか?」
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Last updated
2006/04/07 02:20:14 PM
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