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ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2006/04/09
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とても心配そうに覗き込んでくる立秋の顔を払いのけて、
真夏の怒りは最高潮です。
「うざい。なんなの・まじで。」
「顔色が悪いよ。そういう時は無理をせずに、ゆっくり休まねば。
 ねえお父さん。」

「は・・真夏のお友達かい?」
「ええ、お父さん。はじめまして。ご子息とは
 お友達より深いお付き合いを心底願ってやまない、今はお友達の 陸奥 と申します。」
「はあ・・。」
お父さんは雰囲気に飲まれています。だめですよ、不審者ですよ。
「・・凄い美形の高校生。」
女性の社員も飲み込まれています。だめですよ、このひと変態ですよ。
「最近はやりの 眼鏡の美男子 だ・・。」

「皆さん、ありがとう。しかし女性のみなさんに賛辞されても僕のこころは晴れがましくない。」
真夏はお父さんの腕を引っ張っています。
もう付き合いたくないのです。
「この、」
真夏は指を指されていますよ。
「僕よりはるかにかわいらしい・・真夏くんに。すべてをささげる所存ですから。」
「帰ろうおやじ。」

甲高い叫び声が花火のようにあがりました。
変態さんは自分の告白に、酔っています。

お父さんは自分の耳を疑っています。周りをきょろきょろ見ています。

「ああお父さん、それでは車の運転ができないでしょう?私がやりますよ?」
もう一人の声。真夏がそのオールバックの顔を見るが早いか、
すくうように腰に手がまわりました。
「真夏くんの担任です。どうも。」
冷たい手の感触と気持ち悪さに、真夏は ひっと声をあげました。
「あのう・・?」
「私の車で送りましょう。よろしいですね?」
「よろしくない。離せ、きもいっ。」 
「本当に教師に対するものの言い方を知らんな。ねえお父さん。」

「真夏・・・うるさいから出て行ってもらいなさい。」
お父さんの声は、とてもよく響きました・・。
そうです。迷惑です。





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Last updated  2006/04/09 06:25:49 PM



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